藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2008年12月30日

  

がん

2008.12.29.
 
 
人は何故、がんになるのか、
根源的な理由は解明されていません。
 
科学的には、糸口さえもつかめていません。
 
とりあえず、わかってきたことは、
「がん幹細胞」というものができる、
そこから、がん細胞集団の成長が始まる、
ということです。
 
再発や転移の核になる「がん幹細胞」。
放射線や化学療法剤では、殺されにくいどころか、
かえって、転移に関連する遺伝子が活発に
活動し、悪性化する可能性も示唆されています。
標準治療では、がんを治せない理由の一つが
明確になってきました。 
 
手術で、がん幹細胞を含む腫瘍組織を
丸ごと取り、かつ、その時点で、
がん幹細胞が転移してなければ、
という前提ですが。
 
喩えが正確ではありませんが、
シロアリの巣を叩くのに、
放射線や化学療法剤では、
兵隊アリや、働きアリは殺せても、
女王アリを殺すことができない、
という状況なのです。
むしろ、攻撃されると、
生き残りをかけ、女王アリの数を
増やして、他の場所に新しい巣を
つくろうとします。
 
 
以前は、まず、正常な体細胞が、分化した状態から、
何の細胞なのかはっきりしない未分化の状態に戻る、
次に、がん化していくという二段階のプロセスが、
よく紹介されていました。
 
つまり、iPS細胞をつくるプロセスとよく似たモデルです。
 
最近では、体性幹細胞が、がん化する、という
考え方の方が受け容れられているようです。
 
 
2003年、乳がんの腫瘍組織から、これは、がん幹細胞と
呼んでいい、という発見がなされます。 がん幹細胞の存在は、
ずっと前々から示唆されていましたが、みつける、確認するのが
大変です。 どんどん増殖する細胞をみつけるのは容易なのですが、
がん幹細胞は殆ど増殖しないので、ほんとうに、腫瘍組織をつくる
親玉なのかどうか、長い期間、培養を続けないと、確認ができないのです。
 
不思議なもので、一つ、発見されると、その後は、続々と世界各地で、
各部位の腫瘍組織から、がん幹細胞の新たな発見が相次いでいます。
 
考古学の遺跡や化石もそうですが、ある時代のものが一つ発見されると、
続々と同時代のものが、世界各地で発見されます。
 
まだまだ、がん幹細胞は、確認され、実物を使った研究が始まった
ばかりですが、今の勢いですと、ほぼ、全ての腫瘍組織中から、
がん幹細胞が発見されるのでしょう。 いや、この場合は違う、という
ことがあるかもしれませんが、がん幹細胞をみつける以上に、
がん幹細胞が存在しないことを証明するのはもっと大変です。
当分、この腫瘍組織からも見つかりました、という報告が続き、
この組織からはみつかりませんでした、と報告があったとしても、
それは君がみつけられなかっただけだ、と言われるでしょう。
 
 
(続きは、明日、以降で)

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