藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2009年03月08日

  

えとせとら

2009.3.9.
 
 
たまたま話をする機会のあった若い女性が
こう訴えてました。とにかく、定年まで同じ会社に
勤めたい!! というのです。
 
なんでも、一流有名企業を次々と「派遣」で
渡り歩き、つい最近、突然、派遣打切りになった、
ということで、今、方々で問題になっているそのままの話です。
 
よっぽどショックだったようで、藁をも縋る思いで、
今度の就職を最後にする、定年までずっと働く、
と何度も言ってました。 一応、ベンチャー企業に
採用されるのですが、ベンチャー企業の平均余命は
考えたこともないのでしょう。 これからは大企業の
余命も当てになりませんが。
 
戦後、日本の雇用制度は、「終身雇用制度」という
現実には、殆ど存在しない大嘘から始まった、
ということは、以前、書かせていただきました。
定年制でありながら、終身雇用というのは、
定年までに死ね、ということでしょうか。
聞いた瞬間、嘘と分かる制度を、雇用システムの
根幹を為すものとしたのですから、最初から、
私達、国民は、馬鹿にされているのです。
 
もっとも、定年後は、年金がある、とか、
国民健康保険がある、終身、社会保証制度により
守られるではないか、こういう理屈なのでしょうが、
年金制度が、設計時点から破綻することが自明で
あったことは、今となっては、異論を挟む人はいないでしょう。
 
国民健康保険も、「国民の誰もが平等に医療を受けられる」
というのは、もはや、嘘です。  医師不足問題を別にしても、
患者負担分が、どんどん重くなってきたのですから、誰でも
受けられるものではなくなってきました。 ましてや、最新の
医療は、薬価が高くなるので、なかなか保険が認められないし、
認められても、適用条件が厳し過ぎて、
実際にはほとんどのケースで使えません。 
 
この状況下で、なお、定年までベンチャー企業に働き続ける、
という幻想に縋りついている人に、何をどう言えばいいのか、
考えていました。  まだ就職が確定的でなければ何もいわなかったかも
しれませんが、一応、大丈夫そうで、多少は、落ち着いているので、
 
「いまどき、定年なんて死語ですよ。 
 まだ、定年制度は残っていますが、
 定年後、どうやって生きていくんですか? 
 私は、生涯、ずっと働く前提で 体のケアもやっています。 
 突然、雇用を失った不安から定年まで、と思ってるのでしょうが、
 社会全体の状況が悪いんだし、これからもっと悪くなるので、
 突然、仕事がなくなる恐怖を経験して、
 そこから逃げたいから、定年までという幻想に
 しがみついたら、また、同じ目に遭いますよ。
 どうなっても生きていく、何かを掴まないと。」
 
その後も、私が言ってることを聞く余裕はないかもしれないけど、
それでも、話をしておきました。 一度、聞いておくと
時期が来た時、ああ、こういうことを言ってたのか、と、
ピンとくる時がくるかもしれない。 
どこどこの会社へ行ってください、次は、あっち、
その次は、こっちへ、で、行った先で、これをやってください、
あれをやってください、、、、 言われるままに働いていたら、
景気悪化の際には、真っ先に切られてしまうのは当たり前です。
私が厳しいのではなくて、現実が厳しいのです。
直視して、乗り切る力をつけていかないと、いつまでも
波に呑まれて溺れるだけです。

(がん難民の方が辿る道と、どうもだぶるのです) 
一応、仕事ができる人につく予定なので、そこで何とか、
実力をつけてくれれば、と願いながら、話をしました。
 
小渕政権は、はっきりと、「会社は株主のものであり、
株主の利益を最優先する」、そういう方向性を打ち出しました。
その後の政権によって、株主優先は、より鮮明になっていきます。
 
内部留保がたっぷりある大企業が、即座に派遣切りというのは、
非人道的である、そういう心情は分かるのです。
ですが、そういう風に、世の中を変えていきますよ、と、
はっきりと歴代政権が宣言しながら、国民の支持を集めて
しまったのです。 収益が悪化すれば、株主利益を優先して
即座に派遣社員を切る行為は、法的にも正しく、国民に支持
されてきた政権の政策に則った行為なのです。
それが正しいことだ、と、擁護するつもりは毛頭ありませんし、
人のことを大事に考えろ!と言いたいですが、これ、国民が
自ら選択してきた道なのです。
 
 
先日も、株主さんから、経営者は社員のことより、先ず株主のことを
考えなければならない、と、諭されましたが(そんなこと、知ってるわいや)、
私の持論はこうです。 経営者は、株主の利益を最優先に考えなければ
ならない。 では、株主の利益はどうやって確保できるのか。
何よりも、お客様。(厳密には、患者様、ではないのですね。
患者さんに対して、医療行為をやってるわけではないので。
会計上は、医療機関という「お客様」向けに仕事をしてるんです。
結果的に、システムとして、「患者様」の役に立つよう、
私達が仕事をしているか、ということが問われる、
そういう言い方が適切でしょうか。)
所謂、お客様とは違うけど、「患者様」にとって、役に立っているのか、
そうでなければ、相手にされなくなります。
そのためには、社員のことを考えなければ、社員もまた、患者様の
ことを考えなくなってしまうかもしれません。 
結果として、業績がよくなり、株主様の利益になれば、
それが、株主を優先する、ということになります。 
 
 
社長、素晴らしい!
それで、言ってることと
やってることが一致してれば、、、
 
(と、聞こえたような、、、、)
 
 
 
 
 

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