藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP

2009年04月10日

  

免疫

2009.4.10.

ガンマインターフェロンの吸入投与の臨床をやっておられた

お医者様に、お会いする機会がありました。

治療法がないATLの患者さんを診ていたけど、

全員、亡くなってしまった、、、 あっという間に。

一人も助からなかった、、、

ガンマインタフェロンを吸入投与すると、10-15%の患者さんが、

生き延びたんだ!!  

多くの方が助からない厳しい現実は残りますが、

生存者ゼロ、とは大違いですね。

肺に感染があると、肺の粘膜を、ガンマインタフェロンが刺激し、

そこから、全身の免疫反応の引き金がひかれる、そういう考え方で

「適切な局所」投与をやってみたんだ、というお話でした。

私も天然型アルファインタフェロンの経口(厳密にいうと舌下)投与法の

開発に携わってきた経験から、意味不明の筋肉注射大量投与なんかより、

舌下の方が、微量でもよく効きますよ、と、お話すると、そうか!! と、

強いご関心を示しておられました。

教科書には、こういう風に書いてあります。

インターフェロンは、ごく微量の蛋白質として投与するので、注射器や容器、

チューブなどの壁に吸着されてしまう。 活性を保ったまま投与するには、

大量のアルブミンで保護し、素早く筋肉中へ大量投与するしかない

実際には、ただの塩水(PBSといいますが、pHと塩濃度だけ調整した液体)

でインターフェロンを薄め、教科書に書いてあるように、活性は
全くなくなった液体であっても、投与すれば、ちゃんと効果はあります。 
活性というのは、ある実験条件でやってみたら、なんぼの結果だった、
というだけの話。 測定法を変えれば、全然違う結果がでます。 

厚生省(当時)には、吸入方式では、インターフェロンが不安定で、
途中で失活したりチューブ類に吸着されたりして、
実際にどれだけ有効に投与されたか保証できないでしょ、

と、諭されたそうです。 

薬事法の考え方からいうと、当時の厚生省のご判断は正しいのです。

お役所が法律を曲げて運用すると、これはもう、
権力乱用となる危険がありますので、

とりあえず、薬事法通り、ご判断されたのは、
已む無し、というところです。

ですが、生存率ゼロ%の疾病の患者さんが、
一部とはいえ、助かる治療法がみつかったら、

まず、許可することを考えるべきでしょう。 
「同じ品質の薬を同じ量だけ投与する」という

薬事法の考え方がおかしいのです。 
「さじ加減」というと、いい加減なことの代名詞みたいに
なってしまいましたが、元々、どれだけ薬を調合すればいいのか、
さじを加減するのが、お医者さんの腕のみせどころです。

薬剤師は、医師の指示に従って、薬の量を量ったり、
混ぜたりするのが仕事であって、

患者さんに投与する薬の量や配合を決定するのは、医師の仕事です。
薬剤師が、投与量や配合を決めるのではありません。

薬局に薬剤師がいて、対面販売なら安全、ネットなら危険、どう考えても

理屈が分かりません。 薬剤師は、処方を決定する権限もなければ、
病状を判断して、適切な処方を考える訓練は受けていません。 

さきほどのお医者さんとしては、
いや、途中でどれだけ失活してようと、構わないじゃないか。
一部でも、レセプターに辿り着けば、そこで免疫を刺激するんだから

と、至極当然の考え方をされておられます。

GMP(Good Manufacturing Practice)という考え方
が、定着しています。
これは、安全管理・品質管理のためのガイドラインです。
患者さんが、治るかどうかは、直接、関知しないものです。

もちろん、毒が混入した医薬品をつくってはいけません、
といっても、医薬品は元々、毒ですから、想定した毒以外の
毒が混入してはいけません、というべきですね。 
品質管理は大事ですが、品質をきっちり管理して、
それで、患者さんが助からないなら、何の意味もありません。

投与量が毎回、あてにならない、
それが致命的な結果を生むなら話は別です。

インターフェロンを吸入して、どれだけチューブに吸着されたか、
そんなことはどうでもいいのです。
効けば。 
どれだけチューブに吸着されたか、そんなバカバカしいデータを取るから、
開発費用が嵩むのです。

医療は、「薬事」を中心に動いてきました。
GHQのご指導のままに、です。
医師の数を制限し、医師が診療に時間をかけたり、
医師の能力によって、保険診療報酬の多寡が決まるのではなく、
規定通りの処方に則った薬剤投与によって、医療機関の収益源となす。
具体的には、抗生物質とワクチンの大量投与を日本の医療の基本と
しました。  今は、薬価差益が縮んで、病院経営は火の車です。
抗生物質は衰退の一途を辿っています。
ワクチンも有効性安全性への疑問から、次々と集団接種の推奨が
減ってきています。 そうであっても、標準量、あらかじめ決められた量を
投与する、というルールは、まだまだ残っています。

また、適所を考えずに、なんでも注射してしまう傾向は相変わらずです。

鼻や気道に感染するウィルスのワクチンだったら、鼻や気道に。
性行為で感染するウィルスのワクチンだったら、経膣剤に(実際に海外で
許可になったパピローマウィルス経膣ワクチンというのがあります)、
インターフェロンは、レセプターの集まっているところ、特に、
初動をかける場所へ、

量については、医師の裁量。

ANK療法は、静脈に注射しているではないか?
おかしいではないか?

いえいえ、元々、血液中から採ったのです。
それを、血液に戻すのです。  
NK細胞は、鼻や消化官の粘膜にはりついて、
感染防御するのが仕事ではありません。
血液中を巡っているのですから、血液に還す、
これはごく自然な投与法です。
もちろん、がんの位置が特定されているなら、
局部投与する方がベターですが。

>>全投稿記事一覧を見る