2009.7.6.
明後日は福岡で大手保険会社さん主催の
講演会があり、「がんと免疫」の講演を
させていただくことになっています。
何百人もの方が集まられる、ということなので、
こちらも精神誠意、気合を入れて臨みます。
もちろん、たったお一人しかいらっしゃらなくても、
一所懸命、話させていただくのが礼儀ですし、
また、お一人でも、真意が伝わることが大事と
考えております。 そうはいっても、やはり人数が
多いと、なんというんでしょうか、エネルギーが凄い
ですから、こちらも、パワーを出さないと
盛り上がらないですね。
保険会社さんというと、何年も前から、S生命さんの営業の方が、
何人もANK療法説明会にこられては、ANKのパンフを
何百冊単位でもっていかれていました。
何するんですか?
保険を販売する際、生前給付特約をつけようとすると、
決まって言われるのが、「そんなもん付けたところで、何か
自由診療でこれというがん治療があるのか?」
というご質問だそうです。
その時、ええ、こういう治療法がありますよ、とANKパンフを
見せると、一発で、「契約」が決まるんだそうです。
じゃあ、会社として本気で取り組んでいただけませんか、と、
何度も呼びかけてきたのですが、今までのところは、営業員の方々の
個人技として、ご活用いただいている、という感じです。
ところが、ここへきて、そうですね、この半年位でしょうか、やたらと
保険各社様からのアプローチが増えてきました。 勿論、こちらからも
仕掛けていますし、雑誌の取材を受ける度に、民間保険の活用に
ついて、話すようにしています。 ただ、不思議なもので、理屈では
説明のつかない偶然が重なって、出会うべくして出会うようです。
まず、健康保険適用となる標準治療の限界と実態が、ある程度、
まだまだある程度に過ぎませんが、明らかになってきた、という背景が
あるようです。 結局、治らないではないか。 副作用というのも、
髪の毛が抜ける程度の半端なものではないらしい、、、、
実は、健康保険適用といっても、費用だってかかるのである。
そこで、大手各社では、がんと診断されれば、治療方法を問わず、
一定額を受け取れる自由度の高い、がん保険や生前給付特約を
商品化されています。 これなら使い易いですね。 入院給付は
今や、あまり意味がないですが、先進医療特約など、単なる誤魔化しに
近いものに過ぎません。 先進医療の実態については、後日、
書かせていただきます。
なんでも、保険契約をいただいた方が、がんと宣告され、どうすればいいのか、
というお問い合わせが多いんだそうです。 でも相談されてもどうするんでしょうね。
保険は保険として、少しでも加入者ががんを克服し、生き残る確率を
上げるために設計されるべきものと考えます。また、商売として計算するにしても、
標準治療により、合併症だらけになって患者さんの寿命が縮むよりも、
ANK療法によって、長生きされる、つまり「死亡保険」の支払いを先延ばしできる方が、
どう考えても得なはずです。 ある大手保険会社さんは、はっきりと、ANK療法によって
保険加入者が助かると、うちは大いに儲かります、とおっしゃられましたが、
そういう計算でいいんじゃないでしょうか。
ちなみに、米国では、治療となったら、お医者さんより保険会社さんです。
実際には、まず、プライマリードクターというコンサルティングのようなお医者さんと
面談します。 プライマリードクターは、治療はしません。 応接間のような
ところで、ソファーに座りながら、お話をする、ま、こういう感じですね。
東洞院クリニックも、形だけ見れば同じように見えます。
プライマリードクターが、貴方の症状なら、どこどこで、こういう治療を
受けられればいいでしょう、と、治療の基本設計を提案します。
その時、ドクターは、患者さんの症状よりも、保険の特約条項を見なければ
なりません。 保険に入る時に、どういう治療なら適用可能、あるいは
適用外、と、事細かく契約しているのです。 当然、どんな治療でも受けられる
ようにするほど、保険料は高くなり、保険料を抑えると、殆どろくな治療が
受けられないようになります。 もちろん、どんなプライマリードクターでも
いいのではなく、自分が加入した保険が指定しているプライマリードクターの
診断を受けないと、保険が使えません。 保険会社の方では、糖尿病なら
このドクターと、あのドクター、と言う風に、分野毎にプライマリードクターを
指定しています。
米国は自由の国である、と米国の権力者は言ってきました。
では、免疫細胞療法も自由に受けられるのか、というと、状況は全く逆です。
米国の保険会社は、日本の保険会社ほど、お客さん本位ではありません。
日本の厚生労働省よりも、保険適用基準が厳しいので、結局、決まった
治療以外は受けたくても保険が使えないのです。 米国で医療費を自費負担
などしようものなら、とんでもない金額となりますので、民間医療保険が
使えないと、一部の資産家を除いて、もう、治療を受けられないのと同じ意味になります。
また、そもそも米国には、日本の医師法のような法律がありませんので、
医師の自由裁量による治療は原則、認められません。
米国で生まれた免疫細胞療法が米国で普及しなかった本当の理由は、
米国には実質的な自由がないからです。
これが隣国、カナダへ行くと、代替医療の普及率は15%にも達しています。
この国、薬事法もアバウトなところがあり、私もかつて、未承認の新薬の製造は
カナダでやっておりました。 ナイアガラの滝の近くに、その手の医薬品製造の
受託専門業者が集まっているのです。 車で少し走れば、米国ニューヨーク州
バッファローシティーです。 禁酒法の時代も、カナダ産のアルコールをシカゴへ
運び込んでいましたが、ナイアガラもまた、国境ビジネスの盛んなところです。
では、カナダは自由なのか、というと、ここでも、代替医療を推進する人々は酷い
迫害を受けてきました。 本の題名を忘れてしまいましたが、延々、冤罪裁判の
模様を記述したものもあります。 それでも米国ほどガチガチの管理社会ではない
ので、代替医療が生き延びる余地があるのです。
結局、なんだかんだといって、日本ほど自由な国はないでしょう。
免疫細胞療法をいいものだ、と判断する医師がいれば、やっていいのです。
そして、免疫細胞療法に使える民間保険まであるのです。