藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2009年08月16日

  

免疫

2009.8.15.
 
 
本日は、終戦記念日ですが、
中途半端な言い方ですね。
敗戦記念日ですよね。
 
戦後賠償制度は今でも続いており、相変わらず、
日本人が働いて稼いだお金が、米国と中国に
吸い上げられる仕組みが残っており、韓国との
商取引や税務についても、不公平な制度が続いています。
政治・経済レベルでの戦後は終わっていないのですが、
医療もまだまだGHQのご指導が尾を引いております。
 
 
ANK療法普及の障害の一つは、
お医者さんが、免疫のことを知らないということです。
 
戦後、GHQが「ご指導」した日本の医療グランドデザインについて、
今までも、細切れに書いてまいりましたが、「免疫」については、
「医者に免疫学など教えるな」 です。
 
日本の医療産業は、「抗生物質」を中心とし、これに
血液製剤とワクチンを加えた三本柱としました。
日本は世界で例をみない異常な抗生物質大量消費国となり、
また、殆どの国が国内で必要な血液は自給するのが
原則なのに、日本は突出して膨大な血液を輸入し、
さらにまた、尋常でなくワクチンを打つ、
国民や医師までが、ワクチンは効くものだ思い込み、その害の
怖ろさをまるで知らない、という、非常に歪んだ医療体制となりました。
70年代からGHQ体制が崩れだしましたが、それでも抗生物質の
大量使用に歯止めがかかり始めたのはこの1-2年のことです。
人体用抗生物質の使用量はとっくに減ってますが、今でも
膨大な量を家畜に使っています。これが薬剤耐性菌を育て、
院内感染で沢山の人が命を落としてきました。 
血液製剤も、かつての世界中の血液を買い集め、
打ち出の小槌のような収益をもたらすものではなくなり
ましたが、業界の体質は旧態依然としたものがあります。
ワクチンも厚生労働省の相次ぐ敗訴により、一つずつ接種の推奨品目が
減り、世界が不思議がってきたインフルエンザワクチンの児童への集団接種も
なくなりました。 不思議がられてもねえ? 日本人は、みんな沢山、ワクチンを
打ちなさい、そうご指導したのはGHQですからね。
言われた通り、やってるだけである、というのが日本側の回答ということに
なりますが、これがヨーロッパの人達には理解できないようです。
なんでアメリカの軍人に言われたことを、後生大事に守りとおすのか???
ワクチンの接種量は随分と減りましたが、
それでもパンデミック騒動となると、効かないばかりか
危険なワクチンをすぐに持ち出そうとします。 
考え方は変わってはいないのです。
 
どんな医学でも「大系」や「哲学」がありますが、日本の場合、
西洋医学の考え方を学ばず、ただ、薬剤やワクチンを投与するという
行為や形式だけを真似したため、世界的にみて、全く訳の分からない
医学的常識がまかり通っています。
 
その中でも免疫については、抗生物質至上主義にとって、邪魔な
だけですから、医学部の授業に免疫学のコマは殆どなかったのです。
最近、やっとお医者さんの卵に免疫学を教えるようになってきましたが、
どうやら、「基本的な考え方」を教えないようです。
教える側が免疫学を学んでいないんですから、英語を話せない日本人が
英語を話せない教師から英語を教えてもらっても、さっぱり話せないのと
同じことになります。 日本の英語教育は間違っているといいますが、
教師が話せないんですから、そこを何とかしないかぎり、どこまでいっても
無理ですね。
 
 
その上、全く知識がないなら、まだいいのですが、ワクチン産業が
植えつけたイメージが定着しています。
 
他の疾病による死亡率が下がる中、がんはダントツの死亡率を占
める
ようになってしまいましたが、他、すぐに患者さんが亡くなる訳ではないものの、
どうにも決定的な治療ができず、ひたすら悪化の一途を辿っていたのが
リューマチです。 他、喘息やアトピー、花粉症も、症状を抑える薬は
いくつも登場しましたが、治すことはできません。 今、問題のインフルエンザにしろ、
ワクチンには全く感染防止効果がありません。 要するに、一言で言うと
「免疫」に関係する疾病に対し、現代の日本の医療は無力だったわけです。
 
考え方が間違っているからです。
 
免疫の「め」の字も知らないで、医療システムを組み上げたのですから、
免疫が重要な役割を演じる、自己免疫疾患や、
がん治療が迷走してきたのは当然のことです。
 
抗体医薬品の登場で、リューマチについては様相が一変してきました。
がんについても、抗体医薬品の登場が、がん治療における免疫の重要性を
広く認識させ、また、専門家の間では、結局、がんを殺すには、NK細胞を
動員するしかない、抗体医薬品を開発するなら、NK細胞を刺激する
ADCC活性を持つものに限る、ということが常識となってきました。
欧米がこぞって「免疫」へ走っているので、流石に、日本のお医者さんや
医薬品メーカーも、「免疫」重視へ舵を切り始めました。
 
 
免疫を強引に分類すると自然免疫と獲得免疫に分けられ、
更に、どちらも、液性免疫と細胞性免疫とに分けることができます。
合計、大括りで四つあるわけですね。(現実の自然は、そんな単純に
線引きできるものではありませんが)
 
がんに最も関係が深いのは、「細胞性」の「自然免疫」です。
 
ワクチンの作用機序については、とんでもない誤解があるのですが、
一般に「説明に用いられる」のは、「液性」の「獲得免疫」です。
 
両者は、免疫系の中では対極にある存在なのですが、お医者さんの
常識の中にあるイメージは、ワクチン業界が使ってきた液性獲得免疫の
イメージなので、細胞性自然免疫のことはよく分からないのです。
 
液性自然免疫は、全ての生命体に存在します。
大腸菌も、植物にも、もちろん昆虫にも存在します。
ある意味、がん細胞にも備えられていますが、
がん細胞は正常細胞の組織を破壊し、浸潤するのに用います。
 
細胞性自然免疫は、全ての動物に存在する?? のか、
存在しない動物もいるのか、まだコンセンサスが得られている
状況ではないようです。 少なくとも、多細胞生物が本格的に
出現した5億4-7千年前の時代には、多くの動物が
細胞性自然免疫を身につけたようです。
 
獲得免疫は液性であれ、細胞性であれ、脊椎動物のお家芸なのです。
他の生命体では発見されていません。 こうなると、「獲得免疫」はもっとも
進化したシステムで、原始的な自然免疫より優れている、という「風潮」となります。
日本の研究者の間でも、自然免疫を専門とする人は少ないのです。
自然免疫は、非特異的な反応、つまり特定の物質を特異的に認識し
正確に攻撃するのではなく、何でもかんでも単純に攻撃してしまう
精度の低い攻撃システム、こういうイメージで語られてしまいます。
 
どんながん細胞でも攻撃するNK細胞(細胞性自然免疫)の方が、
覚えた標的以外は見向きもしないCTL(細胞性獲得免疫)より
はるかに優れているというのが、「常識的」な物の見方ですが、
学者でさえ、CTLは特異的な反応だから、「高度」なんだと
思い込んでいる人が多い始末です。 どう考えても、がん細胞と
正常細胞を、相手がどんな変り種であってもたちどころに認識する
NK細胞は非常に高い精度の認識能力をもっているということに
なる訳で、単に、単純な一対一の物質反応では
全く説明できない高度な自然免疫のメカニズムを、自分が理解
できないから下等なものと思っているだけのことです。
下等なのは、自分の方なのにね。
 
基本的な生命システムは、非常に重要だからこそ、全ての生命体に
存在し、あってもなくても、何とかなるものは、特定の生命体にしか
見られない、こう考えるのが自然ですよね。 実際、獲得免疫を
遺伝的に欠く人が生まれても、何とか生きています。
自然免疫系のNK細胞が欠ける人は、誕生できません。
マウスの実験でも、NK細胞を除いたノックアウトマウスというものは
作成できないのです。 獲得免疫系の細胞の遺伝子をノックアウト
(遺伝子を潰した)マウスはつくることができ、特別、がんになり易く
なる訳ではありません。
 
 
元を辿れば、GHQのご指導から定着してしまった日本の医療における
「考え方」の歪みは、多くの犠牲者を生み、がん死亡率世界ダントツ首位
という状況を招いたしまいました。
 
 
第二次世界大戦が終わって、一体、何年経っているのでしょうか。
 
 
いい加減に、真っ当な考え方が広まり、医療業界の「戦後」に
きっちりと、終止符を打たないと、いつまでも犠牲者を出し続けることになります。
 
 
今日を最後の敗戦記念日にしたいものです。

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