オリンピック競技にプロが参加するのは
今では当たり前となりました。
かつては、アマチュアでなければいけない、
とされ、何を根拠に? と思うのですが、
それが如何にも当然という風潮があり、
そうはいっても、スポンサーが集まらないから
アマチュア選手がTV広告に出るのを認めてよ、と。
やがて、なし崩し的に、プロOKになって
いきました。 あれほど、アマチュアでなければいけない!
という原理主義はどうなったのでしょう。
オリンピック競技は、ギリシアという国で始まった、
とされています。 これは後から作った話でしょう。
ま、それはともかく、ギリシアの各都市国家が、
統一ギリシアの意識を高めるため、とか、
平和の祭典として、とか、「現代風」の解釈が
まことしやかに喧伝されてきました。
ギリシアなんて概念は、後から作られたものであり、
正式な国名からもギリシアという言葉は全く連想さえ
できません。 英語では、ヘレナ共和国です。
ヘレン(ヘレナ)は、アテナイ(アテネ)のことですが、
女神アテナイの国、なのです。
さて、都市国家スパルタは、オリンピック競技において
常勝でした。 何せ、スパルタ式教育です。
子供は、小さいうちから両親と引き離され、
男と女は分けられ、男は戦士として、ひたすら
戦いに勝つことを仕込まれます。
日本人選手がよく口にする「自分に勝つ」という
冷静に考えるとよく意味の分からない考えは通じません。
戦争が基本ですから、「敵に勝つ」ために戦うのです。
何をしてもいいのです。 そして、スポーツは戦争の一環なのです。
ただ、オリンピックは、オリンピアの神々のために開催
するものであって、勝手な個人的な思いなどは入り込む
余地もありません。 神々が、天晴れと、喜ぶこと以外は
やってはいけないのです。
で、選手は、全裸で戦います。
男しか、参加は認められません。
競技は、ただ、走るだけ、から始まったようです。
その後追加された競技も基本は戦争の延長ですから、
戦う能力、走る、投げる、格闘してなんでもいいから倒す、
そういうシンプルなものです。
毎回、優勝をさらうスパルタに対し、アテナイは我慢が
できません。 とはいえ、スパルタ式教育には歯が立ちません。
そこで手っ取り早く勝利を得る方法を考えます。
身体能力に優れたイタリア半島にいる部族の中から、
有能な選手を金で雇ってきたのです。
もって生まれたものが違うイタリア外人傭兵部隊によって
スパルタ勢力は駆逐されてしまいます。
今度は、腹の虫が納まらないスパルタ。
アテナイとの本物の戦争に勝った勢いで、
オリンピックのルールを変えてしまいます。
「金で雇った選手を参加させてはいけない」
こうして、スパルタの黄金時代が復活します。
本来、国外からの傭兵を規制しているのですが、
やがて、オリンピック競技はアマチュアでなければいけない、
という「了解」が形成されていきます。