2010.10.10.
(前回の続きです)
さて、多くの免疫細胞療法が培養期間を2週間としているのは、
血清のパワーを利用しているから、なのですが、2週間というのは
血清パワーが持続している期間とお考えください。
もちろん、条件次第ですので、2週間と決まっているわけではありませんが
おおむね、それくらい、培養しているとT細胞は1000倍以上に増えていて
NK細胞は、ほぼ活性がなくなっている、という状態になって、
それ以上、培養すると、死んでいく細胞が増えるだけです。
さらに、血清を加えて培養期間を3週間に延ばしているところもありますが、
特に意味があるわけではありません。
血清パワーは、同時に、「よくわからないもの」による細胞増殖阻害として
働くこともあります。 ただ、いれればいい、というものでもありません。
完全に培養条件を管理し、大量の培地を用いて、常に培養環境を
最適化するには、血清の使用に頼る簡便な培養技術は
実用的ではありません。
一方、完全無血清培地による大量培養となると、培養技術者の
要求水準がはねあがります。