2010.12.11.
この何か月か、NK細胞を取り巻く報道が
ポツポツながら増えております。
がんワクチンをはじめ、獲得免疫礼賛で、
大久保医師の発言まで
捻じ曲げ、「T細胞は強力だが、、、」と、
書いてしまった日経バイオ誌も
ついに、長々と、「NK細胞が、がん細胞に
対する強力な傷害活性をもつことはよく知られて
いたが、NK細胞を選択的に増殖させることが
難しく、これまでNK細胞を用いる治療は普及
していなかった、、、、」 やっと免疫学における
常識をそのまま書いていました。
もっとも、「普及していなかった」と言われて
黙っているわけにはいきませんが、ともかく、
NK細胞が、がん細胞を攻撃する能力においては
ダントツ最強であることは、もう、これ以上、
隠し続けることはできないでしょう。
そんな中で、タカラバイオ社が、「NK細胞の
高純度培養に成功」と、投資家向けのプレス
リリースを行いました。
仲間内の学会でも発表したようです。
証券新聞に続き、日経などもネットで記事を
流していました。
自社技術を用いて、T細胞(ナイーブな
ヘルパーT、、、、 ま、細かいことは
省略します)を増殖させ、そのT細胞を
用いて、NK細胞の密度を90%以上に高める
培養に成功した、としています。
このやり方では、まず遺伝子操作した細胞を使用し、
ヘルパーTh1を培養してから、更にNK細胞の培養をする、となっています。
これではとんでもないコストになります。
しかも、がん患者由来の細胞ソースを用いると、条件はまちまちで、実験のようにはいきません。
まだまだ実用性は遠い先の話、という記事です。
とりいそぎ、この辺まで。