2011.2.24.
昨年末、NHKが2012年問題の特集番組を
やっていました。 ハリウッドのSF映画では、おそらく
もっとも数多くの作品のベースになっているのが
2012年問題でしょうが(形を変えて、随所に
出てきます)、日本では、「トンデモ話」としても
そんなに有名ではありませんでした。
2012年に人類が滅亡する、というお話が、
昔から、ざっとでいうとおよそ5000年ほど前から
あるのですが、もう来年なんですね。
でも、日本政府は2015年問題で騒いでいます。
ということは、人類は2012年を無事、過ごせる
という前提でいるんですね。
さて、2015年問題というのは、消費税を10%に
上げる口実にするため、財務省が大袈裟に言ってるんだ、
という見方もあるようですが、根拠というのは、
年齢別のがん発生率と、人口動態統計により
団塊の世代が、がん多発年齢に達し、
がん患者が急増、医療費は50%アップし、
45兆円に達する、というものです。
今、大病院はどんどん、がん患者さんに
早期退院を迫っており、がん患者さんの
増加ペース以上に、がん難民の方が
増えてしまいそうな状況です。
こうなると、介護など、医療費には含まれない
社会保険費用も急増することになります。
民間保険会社さんから、免疫細胞療法のセミナーを
開いてほしいと、よく要請があります。
もう、標準治療が効く、効かない以前の問題で、
外科医が足りなくなるから、手術できない患者さんも
出てくる、と読んでいるようです。
この辺のマクロな数字は、政府以上に大手生保さんは
よく把握しているでしょう。
結局、「症状を抑える」ことに集中し過ぎた現代の
日本の医療が限界にきていると考えます。
症状を抑えても、それは目先のことですから、
熱を出し切って、体内の余計のものを出すべき時に
熱を下げれば、「出なかったもの」が、後々、悪さをします。
化学療法の奏効率は、短期効果を測定したものにすぎません。
長期的には、合併症が増え、治療が新たな疾病を招くことに
なります。
結局、患者さんは苦しむ、医療機関もケアが大変、
実は、医薬品メーカーからみても、合併症が増えるタイプの
薬剤を売ってしまうと、結局、社会保険の予算を消耗し、
薬剤代を払ってくれる、医療費の予算を圧迫するのです。
政府は、財政破綻状態の延命策を模索しているような
状況です。
合併症が増えない治療を中心に治療設計を組み立て、
症状を抑えること以上に、「治す」ことを目指さないと
今日の医療制度も、国の財政も、破綻するのは目に
見えている、2015年問題のシナリオは、
そう指摘しているように考えております。