藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2011年03月03日

  

がん, 免疫

2011.3.3.

たまたまのめぐり合わせですが
お雛様のお祭りの日に、性病のウイルスの話は
どうかと思ったのですが、、、、

パピローマウイルスって、どこからくるのでしょうか。

今のところ、人体内でしか確認できません。
もっとも、ウイルスというのは、探せば大量に
みつかるもので、探さないと、おとなしく隠れているので
見過ごしてしまいます。
単に、調べた方が足りないだけかもしれませんが、
一応、人間様専用ウイルス、ということになっています。

性交渉で感染するもの、ということですから
人間以外に感染する可能性は低いのでしょうが、
これとて、一旦、常識化されると、誰も調べなくなりますから
ほんとうに性交渉だけで感染するのかどうか。

ウイルスは基本的に「おとなしい」ものです。
感染するたびにいちいち、重篤な病気を起こしていたら
自分の住処がなくなってしまいます。
殆どのウイルスは、「溶原化」し、いるのかどうか
分からない状態で、ひっそりと活動をとめ
隠れています。
で、このまま、ここに居ては、どうもうよろしくない
という状況の時に、増殖し、細胞の外へ出て
新たな感染先を探す傾向があります。

なので、本当に感染したのか、隠れていたのが
暴れるだけなのか、中々、わかりにくいのです。

がんが進行すれば、免疫が低下し、隠れていた
ウイルスが暴れやすくなりますし、また、がんが
正常組織に浸潤し、炎症がおきると、これが引き金で
ウイルスが飛びしてくることもあります。

ウイルスが原因で、何かが起こったのか、
何かが原因でウイルスが飛び出したのか、
あるいは、自然界ではよくあることですが、
どっちが単純に原因で、他方が結果なのではなく、
両方が同時に影響しながら状況が進んでいく
ということなのかもしれません。

パピローマウイルスは、尖圭コンジローマという
性器周辺のイボから、よくみつかり、この病気の
原因ウイルスとされ、研究対象となってきました。
更に、性器関連のがんとの「相関」があることが
明らかになり、がんの原因かもしれないと、注目を
集めるようになっていきます。

ウイルスの活動が、がん化プロセスの一部を促進
することはわかっていますので、おそらく、パピローマ
ウイルスの感染が、少なくとも、がん化の原因の
一部を占めることはかなり確度が高いのだろうと、考えます。

ただ、HTLV-1と決定的に異なるのは、パピローマウイルスは
「どこにでもいる」のです。 ほとんど、常時、接触しているか
細かく調べれば、ほとんど全ての人が、このウイルスに
感染している細胞をもっているのかもしれません。
特定の細胞の中にウイルス遺伝子が存在するか
どうかは調べればわかります。
ところが、組織の中のごく一部の細胞だけがウイルスを
抱えている場合、ウイルスを検出するのは、ぐっと難しくなります。
人間の細胞を取り出して培養器の中で増殖させ、
くわしく調べていけば、ウイルスがウジャウジャとみつかりますが
パピローマウイルスは、一般的な培養細胞では増殖しないので
検出が難しいのです。

一方、ATLの場合は、HTLV-1ウイルス感染後、
遺伝子や細胞内タンパク質が変化し、がん化していく
プロセスが相当、細かくわかっており、主に、6段階の
ステップをクリアしてしまうと、発症するとされています。
4ステップや5ステップではまだ発症しません。
感染者の95%は発症しない理由は、すべてのステップを
クリアしてしまう前に寿命がくるから、という考えられています。
つまり、明確にウイルス感染からがん化に至る道筋が
見えており、がんの原因ウイルスと特定されているのです。

パピローマウイルスも今後、研究が進めば、がんの原因
ウイルスである可能性が今よりも高まるかもしれません。

ところで、このウイルス、インフルエンザのように、何度でも
感染を繰り返すのです。 なのに、ワクチンで感染を
防ぐことができるのでしょうか。 何せ、型が多いのです。
仮に、16型の感染を防げた、とします。 
でも調べてみたら、16.3型にウイルスが
変化していただけ、なのかもしれません。

申し上げたいことは、科学の世界で、因果関係を
特定するのは、非常に難しく、また、慎重に行われます。
膨大な検証を経ながら、どうもそういうことらしい、、、
という状況が続いていくのです。

メディアは、「関係がある」、「相関がある」と科学者がいうと
すぐに、「因果関係」に挿げ替えてしまいます。
また、ウイルス感染防止を「目的に設計」されたワクチン
なのに、「子宮頸がんのワクチン」と、言葉を挿げ替えます。

そこまで、明確に因果関係が明らかになっていないどころか、
感染後に、ワクチンを接種すると、感染状況が進行してしまう
リスクも指摘されています。 

パピローマウイルスについては、子宮頸がんと関係ある
ことは分かっていますが、ほんとに原因と言えるかというと
そこまでクリアにはなっていない、調べつくしたのか、というと
まだまだ、そこまで研究が進んでいない、というところでしょう。

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