藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2011年05月11日

  

えとせとら

2011.5.11.
 
 
世の中、節電に関する話題で
もちきりですが、かつて何度か、
「節電器ブーム」なるものがあり
やがて過熱化後、事件化して
鎮静化する、というサイクルを
繰り返してきました。
 
がんワクチンも70年代以降
何度もブームになっては鎮静化する
波がつづきましたが、
なぜ、同じ過ちを繰り返すのでしょうか。
 
 
名前は伏せますが、
大手電機メーカー二社が販売の主力を担ったこともあり、
大きく宣伝されたこともありますが、騒ぎの割には
市場規模は、大きくありませんでした。
最大手のI電気の年商が決算上は40億円ほど
でしたが、これは、水増ししていたという話もあり
競合すべてを合わせても、とても100億などという
レベルには達しません。 数十億円の下の方、
医薬品でいえば、「小物」新薬一品目ぐらいの規模です。
 
この節電ブームで、またぞろ動き出すのかもしれません。
結論からいって、そんなに有効なものでもなく、かといって
過去に何度も「インチキだ」と叩かれたほど、全く意味のない
ものでもありません。
 
原理は、電圧を下げる、というものです。
家庭用であれば、ブレーカーがある配電盤より
上流にセットします。 他、病院やコンビニ、
ざっと家庭の数百倍以上、電力を消費する施設などが
対象になってきました。
 
一台、装置をセットするだけで、15~20%節電になる
などという、明らかに誇大な宣伝によって販売されたため
それはインチキだ! と叩かれました。
 
実際に節電できるかどうか以前の問題で
初期型には大きな欠陥がありました。
アース回路を迂回してしまい、
落雷時のサージ電流というものが
まともに流れ、火災が発生したのです。
 
後期型では、アースを取れるように改良されます。
 
また、初期のものは、単に決まった値だけ
電圧を下げるものだったため、お宅の場合は
3ボルト、お宅は6ボルト、と、セットした時点で
電圧低下の数値を固定してしまうのです。
これでは、電圧が下がり過ぎた時、機器によっては
故障の原因となります。
 
後期型のものは、サイリスタというのですが、
電源電圧に応じて1ボルト単位で、電圧の下げ幅を
調整できるようになっており、マイナス0からマイナス6ボルトまで
対応可能です。 
 
さて、電源といっても、家庭用電源は、おしなべて100ボルト
なのではありません。 関西電力管轄下は、おおむね106ボルトなど
高めで供給され、東京山の手線内は、100ボルトかつかつ、という風に
地域によって、標準的な電圧に差があります。
かつかつのエリア内に、後期型の節電器を設置しても、何の変化も
ありません。 あくまで、元電源の電圧が規定より高いことを
前提にして、節電効果を狙うものなのです。
 
もっとも、家庭用電気用品であっても、装置自前で電源電圧を
自動調整する回路を持つようになってきました。
パソコンなどは、ユニバーサル電源をもち、95ボルトから
250ボルトまで対応できるのは常識となってきています。 
冷蔵庫や蛍光灯もインバータ制御になり
どんどん、節電器の影響が及ばない機器が増えています。
 
 
また、節電器自体の熱ロスの問題もあり、初期型では、
最悪、数%熱ロスによる電力消費が増えるので、何のことはない
節電どころか、逆効果になります。 後期型は、熱ロスを1%に
抑えましたが、これは、回路設計の問題と同時に、コイルを立体的に
巻く職人の腕の問題もあり、機械巻きも難しいサイズなので、
容易に量産できるものではありません。
コイル職人といえば、長野県や山形県の通称「コイル街道」
に集中していましたが、今日では、機械化できるものは機械化し
難しい技術が要らないものは中国へシフトし、
コイル街道の職人人口も、すっかり減ってしまっています。
 
 
さて、結局、かつては、しっかりと事前に消費電力を測定し、
その上で、パターンを分析し、適切な規格の節電器をセットすれば
確かに、数%とか、最高で12%レベルまで、節電できるという状況も
ありましたが、今日では、節電器をかませても、消費電力が変わらない
機器の方が多く、また、そもそも、まめにスイッチを切る方が
遥かに節電になること、装置によっては、肝心の性能が落ちてしまう
などなど、殆どメリットがなくなっているのが実態です。
 
 
もっとも、東南アジア諸国では、同じ装置を節電ではなく
電圧安定器として使用してきました。 特に、携帯電話の
中継機は、通信負荷がかかった瞬間、電圧低下をおこして
故障したりするので、「電圧を下げないため」に
節電器が使われてきました。 もちろん、節電効果は
全くありません。
 
 
世の中にはいろんな人たちがいらっしゃいます。
 
電力料金の設定として、ピーク時、つまり最大消費電力を
いくらにするのか、という項目があるため、ユーザーの
消費電力の推移を計測し、設定するピーク電力を下げても
大丈夫ですよ、とコンサルするのです。こうして、使用電力は
変わらなくても、電気代の節約ができます。
で、浮いた分の分け前を報酬としてくださいね、というビジネスです。
 
 
 

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