藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2011年09月17日

  

えとせとら

2011.9.16.
 
 
たまたまニュース番組で
エア・ウォーター社のトマト菜園を
取り上げていました。
 
工場から排出される炭酸ガスを
ビニールハウスに投入し、トマトを
育てる、というものです。
 
植物にとって、「炭酸ガス問題」は
問題どころか、好環境以外の何ものでもありません。
炭酸ガスは、豊かな森を取り戻す環境対策の
切り札の一つかもしれないのです。
 
番組では、通常の環境と比べて、同じ面積当たり、4倍の
収量のトマトが、短期間に採れたと言ってました。
ここまでは、当然のことです。
 
 
ところが。
担当者は、「炭酸ガスを減らして」そのうえで
トマトの収量が増えると、「炭酸ガスを減らして」と
何度も強調していました。
 
 
促成栽培の是非を棚に上げれば、という条件つきですが
(おそらく、劣悪な環境に耐え抜いて育ったトマトの方が
 風味があり、栄養価値も高い、、、)
トマトを高濃度炭酸ガスで育てるのはいいとして
「炭酸ガスを減らす」というのは理屈に合っていません。
 
石油や石炭といった、化石燃料、文字通り、元生物の死骸が
蓄積されている炭素源を燃やし、炭酸ガスにしてしまったら、
やはり、元の化石燃料か、海底に沈むハイドレートにするとか
何らかの「固定化」された状態にしない限り、
「減らした」ことにはならないのです。
 
 
結局、食べるんですから。
効率が悪かろうが、よかろうが、トマトが育つ過程で
炭酸ガスを吸収しますが、食べれば、また放出されます。
 
作ったトマトを食べる限り、腐ってもそうですが
炭酸ガスの炭素分の差引は変わらないのです。
 
たくさん、トマトをつくれば、たくさん、炭酸ガスを
吸収しますが、たくさん、食べれば、結局、たくさん
炭酸ガスか、もしくはメタンガスとして、放出されます。
 
 
たとえば、アマゾンなどの熱帯雨林は、炭酸ガスを
「減らす」ことには貢献していない、という説もあります。
 
何も生えていない土地に、スクスク植物が育てば
その分、炭酸ガスを吸収し、「減らした」ことになりますが、
森の成長が止まれば、それ以降、炭酸ガスの吸収分と、
放出分はイーブンになります。
植物は炭酸ガスを吸収しますが、放出もします。
また、植物の葉っぱがおちたり、虫や小動物などが
食べることで、最終的に、炭酸ガスやメタンガスとして
大気中に放出されることになります。
 
アマゾンでは、意外と土地が痩せています。
 
温度が高く、腐葉土にならずに、すぐに腐敗するからです。
結局、炭酸ガスを吸収しても、腐敗によって、炭酸ガスより
温暖化係数が20倍も高いメタンガスになってしまいます。
つまり、熱帯雨林によって、地球温暖化は促進される
ということになります。
 
一方、寒冷地の湿原は、明確に炭酸ガスを固定した
証拠を示しています。 炭酸ガスの吸収量は熱帯雨林より
遥かに少なくても、腐敗が進まないため、有機物は炭化し
泥炭として蓄積されていきます。
正に、「炭酸ガスを減らした」のです。
 
 
かつて大地を覆った植物が堆積し石炭となり
マリンスノーの堆積物が石油となり、炭素の塊として
溜まっています。 或いは、海底やシベリアの凍土に
炭酸ガスハイドレートや、メタンハイドレートとして
溜まっています。
 
今日の地球上で、もっとも大量の炭素分を固定化している生物は
サンゴであって、植物は大したことはないと言われていますが、
太平洋の環礁は、海底数千メートルから
海面付近まで突き立つ巨大な炭酸カルシウムの塊です。
巨大な「減らした」証拠があるのです。
 
炭酸ガスを吸収しても、再放出していたのでは同じことです。
固定化したかどうかがポイントです。
植物を育てて、炭酸ガスを吸収した、といっても、
その植物の死体を炭などにして、固めてしまわないと
「炭酸ガスを減らした」ことにはなりません。
 
単に循環しているだけです。
 
 

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