2011.11.22.
(前回からの続き)
サンフランシスコ講和条約には
連合軍諸国と日本は、互いに
お互いの主権を尊重しあい、
と書いてあるのですが、
問題は、連合軍諸国は
Nation (=国家)なのに対し、
日本は、People (=人民)と
なっています。
日本は喜んで、国家としての
主権を放棄しますよ、とは書いていないのですが、
無条件降伏後に締結される講和条約において
わざわざ、人民として他の国家と相互に
主権を尊重しあう、と記述するということは
日本の国家として主権は尊重されないことを
意味します。
高度先進医療制度を制定し、
高度先進医療適用の場合は、
保険診療との混合診療を認める、
こういう法律ができたがために、
じゃ、それ以外は、混合診療はダメなんだ、
と解釈された、、、、、
これとおんなじ話です。
積極的に、「認める」、「承認する」
「尊重する」と、一見、言葉の上では
ポジティブなように見えて、実は、
そこに書いていないことは否定されると
解釈される、、、、 こういうのが罷り通る世の中なのです。
かくして、日本は、連合軍諸国に対し、
国家としての主権を放棄し、今日に至っているのです。
こういう状況ですから、米国が送ってくる
「日本に対する基本的な要望書」に対して
国家としては逆らってはいけないのです。
一方、普天間基地問題はどうなるか。
安全保障条約という講和条約が別途さだめることとし、
実際に別途締結された条約があるので、
安全保障条約上の解釈が必要ですが、
講和条約上、国家として、米国の要求は
聞かなければいけないのですが、
米国国家も、日本の「住民」の主権は
尊重しなければいけないのです。
なので、地元民が反対すると
やりにくくなるのです。
TPPによって、米国は次々に勝手な要求を
つきつけてくるのでしょうが、その内容は
かつて米国自身がGHQ体制として確立した
戦後の日本の政治的枠組みを、むしろ
壊すものとなっていくようです。
(続く)