2012.2.1.
(前回からの続きです)
人類はサバンナで誕生したとする
ターザン仮説は、何一つ
「だから、直立二足歩行になったんだ」
という根拠を示せない、ただの
思いつきに過ぎないのですが、
では、人類水生起源説では、なぜ、
直立二足歩行になったのか、
どう説明しているのでしょうか。
これは単純です。
海の中といっても、空気呼吸するんですから、
頭を海面から出しているわけです。
そしたら、自然に直立します。
泳いでいるときや、水平に浮かんでいるときは
別ですが、海に入ったおサルさんが、
海中に浮かびながら立つのは、ごく自然のなりゆきです。
そして、浅瀬で、背が立つところでは、二本足で直立して
歩行するのが一番、合理的です。
これといって、複雑な説明ばなしをつくる必要はなく
海辺で進化したのであれば、立つのは当然なのです。
そして、立っている以外、これといって骨格上の
変化はない、それもまた、当然のなりゆきです。
一方、立ったことによるメリットや変化はどうでしょうか。
骨格上は、証拠が残らない変化については、推測するしか
ありません。 さて、水生ほ乳類は、体毛が退行し、
筋肉に脂肪がたまる陸生哺乳類とは異なって、皮下脂肪という
組織がつくられ、そこに脂肪がたまる、、、、 これは
その方が保温効果が高いから、なのですが、よくある
何で、人間は全身の毛がほとんどなくなったのに、
一部に体毛が残っているのか?
小学校以来、よく問われるこの問いに対し、
人類水生起源説は、どう答えているのでしょうか。
頭髪については、赤ちゃんがつかまるために残ったと
しています。 まあ、そういう風に考えましょう、という
程度の話で、そうなんだ!と断言できるような証拠は
ありません。 昔の船乗りがスワッ!人魚だ!!と
驚いたというマナティー。 あれは、海面上に頭部を
つきだしたお母さんマナティーが、赤ちゃんマナティーに
ミルクをあげる姿が、人間の母親が赤ちゃんにそうする
姿とそっくりなので、人魚伝説となっていった、という話です。
たまたま、マナティーは人間の真似をした、のではなく、
海に浮かびながら、ミルクをあげようとすると、ああなるのです。
今日、母が、赤ちゃんを抱きながら、おっぱいをあげている格好は
人類が、海辺で暮らした数百万年前の姿そのまま、ということなのです。
生まれたての人間の赤ちゃんは、水中で目をあけて、ごく当たり前のように
泳ぎますが、おんなじようなものだろうと、他の霊長類で試してみては
いけません。もし、やったら動物愛護団体から怒鳴り込まれます。
実際、やった人がいるわけですが、おサルさんの赤ちゃんを水中に
投げ込めば、直ちに溺れ、気道に弁がついていないので、あっという間に
肺に水が入り込んで死んでしまいます。人間の赤ちゃんは、いちいち
教えられなくても、自分で勝手に気道の弁を閉めるので、溺れ死んだりは
しません。で、どうするのかみていると、母親の髪の毛をつかみます。
おサルさんの赤ちゃんは、生まれた直後、そんなに握力はありません。
母サルが、前足でつかまえるので、赤ちゃんは何もしなくてもいいですし
別に、寒い季節でなければ、そこらへんに転がしたからといって、
直ちに問題になることはありません。 ところが、海中で生まれたら
そこらへんにほっておくと、いくら自分で泳ぐからといっても、どこかへ
行ってしまいます。
実際には、人間の赤ちゃんを海中で産むと、母親の髪をつかんで
そこらへんへ流されてしまわないように、自分でしがみつきます。
今日でも、生まれてすぐの人間の赤ちゃんは、懸垂ができる位
強い握力をもっていて、生後、程なく、弱くなっていきます。
人生の最初の数十時間だけ、数百万年前、海辺で、母猿人の
髪をつかんだ進化の歴史を繰り返すのです。
髪は女の命といいますが、女性の髪は女のというより
赤ちゃんの命に直結したわけです。
で、放置すると女性の髪は、すぐにメートル級に伸びます。
もちろん、個人差はありますが。
おっちゃんの髪は、どんなにずぼらで、グータラにしても
そんなに伸びません。挙句に男性ホルモンが強過ぎると
剥げてしまう始末。 太古の海では、女性だけが集団で海辺で
暮らし、おっちゃん猿人は、適当に内陸部にいたと
考えられており、赤ちゃんにつかませる長い髪は必要
なかった、むしろ陸上生活では、そんな長い髪は邪魔以外の
何ものでもなかった、ということになります。
では、子供がよく発する疑問。
なんで、あそこに毛が生えるているのか、、、
盛んに泳ぐようになると、脇や股間は、皮膚が
擦れてしまいます。クッションのために、負荷が
かかるところは、体毛が残ったそれも、必ずしも
抵抗が少なくなるような生え方ではなく、モワッと
広がったような生え方となり、衝撃を和らげる機能を
果たしたと考えられています。そして、そういうところ
以外の体毛は、確かに、美しい流れにそって生えていますが
水中で泳ぐのであれば、もっとも抵抗が少なくなる方向へ
カーブを描きながら、生えているのです。