藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2012年03月16日

  

えとせとら

2012.3.16.
 
 
世界で取引される代表的な食料といえば
小麦、トウモロコシ、大豆です。
 
米や、タロイモ、ジャガイモ、雑穀類
こうしたものも大量に生産、消費されているはずですが
どうしても欧米人が大量消費する三大作物の数量が
統計化されやすく、たとえばエチオピアで5~6千万人が
主食にするテフなどは、日本では存在さえ、ろくに
知られていません。
 
ともかく、これら主要作物をはじめ、牛、豚、鶏、
いずれも、自然には存在しなかったもの、人間が
人工的に作りだしたものです。
 
犬や猫もそうです。
 
もちろん、ゼロからつくったのではなく、野生に存在する原種が
あり、それを元に掛け合わせで、バリエーションを作りだしたものです。
 
 
3万年前のネアンデルタール人の遺跡から、灌漑の跡がみつかっています。
大量にかたまってでてくる種子や花粉から、どうやら麦の原種が生えて
いたようです。 では、3万年前に、ネアンデルタール人は、畑に水をひき
小麦を栽培し、香ばしいパンを焼いたり、パスタを炒めたり、あるいは
小麦粉を練って、たこ焼きをつくっていたのでしょうか。
 
そういうことではないようです。
 
ネアンデルタール人の遺跡からみつかる麦は、とても人間が食べれるような
代物ではなかったようです。 籾が強靭で、中の身がびっしりくっついていて
どうやって、脱穀するのかという問題もありますが、そもそも身も少ない、
そして何より、穂がたわわには実らないのです。
 
ミレーの落穂ひろいという有名な絵は、小作人が畑に落ちた穂をひろって
食べることが許されていた社会状況をあらわしたものですが、あれは、
穂、つまり麦の実がかたまってくっついているものを拾っているわけです。
 
ところが、麦であれ、稲であれ、野生種の場合、一度に一つの穂にたくさんの
実がつくということはありません。  少しずつ花がさき、一部が実になり
どこかへ飛んでいき、また別の実がなる、、、、 こうして、一つの穂に
なっている実は、ごく一部に過ぎないのです。まとめて同時に大量の実を
つけ、たわわに穂が実ると、当たり前の話ながら、一発で食われて全滅する
わけです。 そんなアホなことを、野生の麦や稲がするわけないのです。
全部は食べられないように、工夫しているのです。
 
当然、ネアンデルタール人にとって、この野生の麦のふるまいは都合が
悪いわけです。 では、どうして食べたのでしょう、、、、?
 
どうやら、ごくわずかしか食べなかったようなのです。
 
というより、食べることができなかったようなのです。
 
灌漑といっても、乾燥地帯にポツンと存在するオアシスがあって
その湖というか、池のようなものから、地面に筋を掘ります。
ある程度、まっすぐ掘りつづけると、こんどは枝をだし、その枝から
また細い枝をだし、と縦横にオアシスの水を導く溝を掘り進んでいくのです。
これなら、測量技術も何にもいりません。水がくるように掘ればいいのです。
 
麦や稲というのは、いってみれば、強力な雑草です。
日本の水田では、稗がはびこるとやっかいですが、野生の稲は
稗以上に強力で、今日の稲より野生に近い黒米や赤米は、一度
田んぼに生えてしまうと、あっという間に広がって、はびこり続け、
今度は普通の米にしようとおもっても、取りきるのは大変です。
 
ネアンデルタール人の灌漑地にも、たちどころに、野生の麦が
はびこっていったようなのです。 
 
ところが。
同じ遺跡からは、年齢も遺伝子の変異もぴったりとそろった
野生のブタの骨がまとまって大量にでてきます。
年齢層のそろったもの、特に子供が大量にでてくると
それはおそらく飼育していたものと解釈されますが
ネアンデルタール人の遺跡からでてくる野生豚は
勝手に集まってきたようなのです。
柵の跡もなければ、豚小屋らしきものもみつかっていません。
そもそも、人間様が住む小屋がどうだったのかという問題も
ありますが、おそらく、豚は放置されていた、と考えられています。
 
仲間が食われていくのに、なぜ、逃げなかったのでしょう。
 
それは、羊の遊牧であっても、他の家畜であっても、今日の家畜も
仲間が食べられていくのに、あまり逃げようとしませんが
家畜ではなく、野生のブタといえば、要するにイノシシです。
なんで、逃げないのでしょう。
 
逃げると、そこは、ほとんど砂漠か、それに近い環境で
そもそも、野生麦のような強い雑草しか生えなかった過酷な
状況だったようです。オアシスの周囲に青々とした草が
茂っていたら、それはもう、たまに何匹、仲間が食べられても
そこに居座るほかない、そういうことだったろう、と考えられています。
 
 
ネアンデルタール人の灌漑された畑は、何のために作られたのか
断定することはできませんが、そこらへんに、はびこる野生麦という
雑草を茂らせ、エサに飢えた野生豚をすみつかせた、そして、
野生豚を棍棒のようなもので殴り殺して、食べていた、、、、
こういうことが行われていた、、、と考えられています。
 
 
 
 

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