2012.3.27.
東電の原発17基がすべて停止し
火力で補えるとは言ってますが
一方、関西の方では、
橋本市長が、関西は足りない可能性大
と大声で発言しています。
資本はうつろい易く、
ヴィジョンが明確でないと
すぐに逃げてしまいます。
特に、電力や、税制などは
基本中の基本です。
パナソニックが大阪からシンガポールに
調達の基地を移管したため、兆の単位の
資材調達が関西経済圏から東南アジアへ逃避し
ボディーブローとして関西経済へダメージを
与えています。
電力問題以前から決まっていた
ことですが、部品メーカーの質やコストのみならず
物流機能も影響しています。
シンガポールは物流関連企業の上場支援体制と
様々な優遇政策をすすめ、民間資本の集中的な
投資を誘導してきたのです。
その気になれば、日本企業が6ケ月で上場準備を
進めることも可能です。
あくまで、シンガポール側が求める
事業であれば、という前提ですが
国外の中規模事業者にとって
人脈つくりや、資金調達の土台が
整備されているのです。
阪神大震災前、すでに、首位の座を転げ落ちていた
神戸港は、震災後、自動化を怠り、貨物取扱量で
世界30位以下に後退しました。
私も、西海岸から、鉱物を運ぶ際、
シェラネバタの山中から掘削、粉砕、焼成した
鉱物を原価に加えて、日本の港まで運んでくるコストより
日本の荷揚げコストや、内陸輸送コスト数十km分の方が
よっぽど高いことに愕然としたことがありましたが
太平洋航路を運航する「本船」と呼ばれる大型貨物船は
日本の港に荷降ろしするより、釜山まで運んで、そこで
小分けし、小型の内航線で日本各地の港へ運んだ方が
はるかにスピーディーで安いわけです。
日本から飛行機で飛ばすと高くつくので
わざわざシアトルまで船で運び、そこから
飛行機に載せるシーアンドエアーもよく使いました。
物流、電力、そして、意外と苦労が多いのが工業用水の確保
さらには、非常に不透明な排水規制。
この排水規制が、前回から始めた水質汚染問題と直結するのですが
資本というものが、どういう性格をもつのか、わざわざ無視するような
政策を続けていると、この国から資本が逃避し、国民は今より
ずっと貧しい生活を余技なくされます。
原発は、必要なら万難を排し、再稼働させる、と明言すべきです。
もちろん、危険を伴います。 ストレステストやったから大丈夫
などということはありません。 危険だが動かす、そこまで
態度をクリアにすべきです。 当然、危険なものを動かさずに
すませられる対策をうつべきですが、それで電力値上げなどを
ちらつかせれば、やはり、資本は嫌がります。
事業家は、クリアであれば、リスクや投資はするのです。
電力などは、自家発電や、買電、送電のルールを明確にし
IPPという独立発電事業の参入障壁を低くし、自由化するだけで
安い発電が実現するのです。 実際に、フィージビリティー
スタディーをやったときの、試算コストは、キロワット時 3円でした。
太陽光発電が求めているコストの10分の1以下です。
LNGでお湯をわかして、タービンを回したのでは
エネルギー変換効率が3割程度で、残りは捨てることになります。
LNGで発電するなら、まず、ガスを直接、燃焼しながらタービンを
回す、ガスタービン(ジェットエンジンのようなもの)で発電し、
これで、効率3割以上を確保し、排気ガスは空気を送りこめば
さらに高温になるので、こんどはお湯をわかし、蒸気タービンを
回す、そして、復水を温水として再利用すれば、エネルギー変換効率
8割以上も可能なのです。 つまり、今日の火力発電に消費する
化石燃料と同等の使用量で、2倍半くらいの発電ができるのです。
当然、設備投資が必要ですので、税制や、助成金などの優遇策を
打ち出せば、あっという間に民間資本が高効率の発電体制を
整えます。
現実には、中国から石炭を買わなければいけない、これが
火力の4割をしめている、などなど、政治上の問題とかも
あるのですが、いつまでも、迷走を続けていると、
この国は、ビンボー国になりさがってしまいます。
それで、国土が綺麗になり、人々が精神的に豊かな
生活を始める、それならいいのですが、つくってしまった
原発の処理をはじめ、やることが山ほどあります。
やはり、経済を落とすわけにはいかない状況です。