2012.4.4.
時間があきましたので、前回のおさらいをしますと、
私たちが、日常、何気なく口にしている
食べ物の多くは、人類が人工的に加工して
作り変えた生き物であり、野生のままでは
ほとんど食べることができなかった、、、、
麦や米なども、バラバラに花が咲き、実が飛び散り
穂に一度に実がなりたわわに頭を垂れる、とはいかなかった
およそ、収穫など不可能で、食べられるところも少なく
殻も相当、硬かった、、、 これを食べられるように
遺伝子を改造するにあたって、今日のスキームとほぼ
同じスキームを用い、まず、自家受粉させないために
雄性不稔(花粉をつくれないミュータント)を確立してから
人工的に特定の株の花粉を、特定の株のめしべにつけ
交配を繰り返すことを延々と続けた、、、、
麦や米は、食べられなかったのです。
こんなものが食えるか! という代物だったのに
それが、遠い将来、食べられることを見抜き、
およそ何の役にも立たない雄性不稔などの中間品種を
つくっては、ひたすら、自分の生きている間に成果を
みることができない作業を延々と繰り返した、、、、
どうにも、通常の科学的な物の見方では説明不能な
ことが行われたのです。 こういうことができる源を
精神というのですが、科学的手法、すくなくとも従来型の
科学では、精神というものは、研究対象外となります。
観察してナンボの科学にとって、観察できない精神を
直接、研究することはできないのです。ところが、
精神が生み出した成果を観察することはでき、
「説明不能なことが行われた」ことまでは実証できるのです。
さて、一番、古い栽培植物は、麦や米ではなく
もっと難物だったバナナだという説があります。
およそ、3万年とさらに数千年ほど昔のこと
東南アジアに、硬い皮に覆われた、さらに硬い殻をもつ
どうしようにも食えない種がぎっしりと詰まった、人類には
まったく利用価値のない植物が繁っていました。
この種を退縮させ、皮を簡単にむけるほど柔らかくし、
一つの房にフサフサと大量に実がなり、そして、皮と種の間に
うっすらとあった繊維質を大量に、それも柔らかく、栄養分リッチにして
拡大させる、非常に難易度の高い遺伝子組み換えが行われたと
考えられています。 それが、バナナという食べ物になったのですが
何せ、種を退縮させるのですから、掛け合わせを重ねるといっても
容易ではありません。
今日、バナナの花が咲き乱れ、そしてミツバチが花に集い、受粉し
実った種を畑にまいたら、バナナの芽がふき出す、、、 そういう情景を
みた人はあんまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
バナナは株分けで増やします。
要するに、クローン栽培するのです。
もしかして、今、生えてるバナナも、3万5千年前、
東南アジアのどこかに生えていたバナナも、実の兄弟どころか
実の本人同士のクローンなのかもしれません、、、?
(バナナのプランテーションは、S商事さんの天下だったので、
今、実際にどうやって 栽培しているのか、詳しい実態を知る機会はなかったので
あんまり詳しく書くとボロがでそうです、、、、、)
栽培植物は、通常、一種類だけではなりたたず、何種類かがセットになっています。
たとえば、タロイモだけでは、タンパク質や油脂が不足します。
タロイモ農耕文化圏では、サトウキビも一緒に栽培され、その糖蜜には
たくさんのアミノ酸やビタミンなどが含まれ、炭水化物だらけのタロイモの
栄養の偏りを是正してくれます。油脂は、ヤシの実で補います。
アフリカ東部からインド、中国東北部へと連なる雑穀農耕文化圏では、
粟や稗に、油分が豊富なゴマを組み合わせることでバランスをとり、
また、大豆でタンパクを補います。
その点、バナナは、単独でもかなりの栄養を含んでいます。
これ一発で、農耕が成り立つ、それくらい、栄養豊かなものなのです。
(続く)