2012.5.10.
氷河期といっても、どこかに氷河はあり
氷河期ではないといっても、間氷期なのかも
しれないし、まったく氷河期ではないのかも
しれないし、また、基本的に氷河期の真っただ中でも
凍らない大地はあるのです。
海面も含めた地球表面のすべてが凍りつく
全球凍結は、11億年前にはあったと考えられていますが
最近は、ないようです。
なので、氷河期というのは、程度問題なのであって
年代などの数字については、まあるく、おおらかに
考えるしかありません。
で、おおざっぱに、1万4500年前ころあたり、
大規模な氷河の後退があり、8000年前あたりには
ある程度、大規模な氷河の戻りがあり、
7500年前付近からは、ユーラシア大陸各地に
集落跡がポツポツ広がっています。
では、8000年前と、1万4500年前の間は
どうだったかというと、ぐっとデータが少なくなります。
少なくとも、当時の海抜高度付近の平地だったところは
今は、海底なので、そうそう、発掘もできないという
事情はあります。
アトランティスやムーといった伝説の大陸が、
もしほんとうにあったとすれば、あるいは、別ものであっても
とにかく、大規模な文明が存在したのであれば、
それは、8000年前より以前に存在し、今は、もう
海の底に沈んでいる、と考えるのが自然です。
もちろん、高地にあったのなら、地上に残っている
可能性があり、またエジプトのピラミッドやスフィンクスも
本当のところ、年代がよくわからないので、
数千年前より、もっと古いのである、という説もあります。
自分でみてきた古い遺跡というと、レバノン北部
ビュブロスの町にある井戸ですが、これは7000年前のもの。
ずいぶん、大きく、深い井戸で、しかも岩を掘ってるのですが、
7000年前には、かなり大規模な土木工事もやっていたということです。
ちなみに、ビュブロスは、レバノン杉の積出港として知られ
パピルスの語源にもなり、また、バイブルの語源にもなっています。
フェニキア人が都をおいた時期もある有名な町です。
イスラエルとの国境に近い、もっと南の町、ティールには
何度か足を運びましたが、ここは、9000年前の町の遺跡が
あります。 8000年前の氷河の戻りの前後に、町が
栄えていたわけです。
一番、古い? と考えられているエラン王国の首都
エランは、ぜひ、いってみたいところのひとつですが
場所は、イラン南部、バンダルアッバースよりも
かなり離れたペルシア湾に近いところです。
石油輸送ルートが近く、イラン軍が時折、
対艦ミサイルの発射デモをやるようなところで
なかなか、近づくこともかないません。
ただ、エランの都、1万1000年前の都市の
発掘調査に同行したアゼルバイジャン人のアリ氏から
直接、話を聞くことはできました。
古い都ではよくあるのですが、36層にもなっていて
一番、古い層が1万1000年前のものだが、都を
つくっては、つぶすのか、つぶれるのか、また、その上に
都をつくるので、遺跡の下を掘らないとその前の時代の
遺跡を調査できない、なので、ボーリング調査が基本だった
といっています。
しかりやはり、8000年より前の時代の遺跡となると
海底200メートル付近や、氷河期でも凍らなかったはずの
インドや、アフリカ中央などに何があったのかが
気になるところです。 こういった地域の発掘調査が進めば
人類史のミッシングリングが一気にうまるかもしれません。