2013.2.28.
TPP交渉参加のリスクについて
ようやく、日本のメディアも報道をはじめました。
TPPは、関税撤廃という面ばかりが報道されて
きましたが、核心は、非関税障壁の撤廃です。
最大の目玉は、日本の公的医療保険制度が
米国保険産業にとって、非関税障壁とみなされる
というポイントです。
米国政府高官が、国民皆保険の廃止までは
求めない、と発言していますが、裏を返せば
その手前までは、求めるということです。
そもそも、自民党議員の過半は、TPP反対を
公約して選挙戦に臨み、先の衆院選当選議員の
3分の2が、TPP反対だったのですから、
勝手に自民党の長でもある首相が、TPP交渉参加など
やっていいわけがありません。
しかもTPPの内容が国民一般に広く伝えられていません。
もちろん、極秘にはされていませんが、自分で積極的に
調べる人でないと、何がどうなってるのかわからないような
告知体制です。
まず、TPP交渉参加ということは、聖域なき関税撤廃に
合意することから始まります。例外がないわけではない
というのは、交渉参加後、例外について交渉するので
間違いではありませんが、今回の日米首脳会談で
何も日本は有利な条件を引き出したわけではありません。
その事実を伝える新聞は、ごく少数です。
あげくに、米側の要求である自動車分野と保険分野について
共同声明に明記させられ、日本側の要求である米については
言及なく、国民皆保険維持については、むしろ、保険分野における
非関税障壁撤廃と明記させられたことにより、交渉のテーブルに
つくをコミットさせられたわけです。
また、政府間交渉で、そこそこの範囲におさまったとしても
TPP参加国企業が、他のTPP参加国に事業投資を行い
当該事業の発展を阻害する非関税障壁が存在する場合
当該投資企業は、相手国政府を訴訟できる、という
毒薬条項が存在します。
米国医療保険関連企業は、自社保険事業の展開に対して
公的医療保険の存在そのものが阻害要因になっていると
判断すれば、日本国政府を訴訟することも可能、ということです。
米国は甘い国ではありません。
ぼーっとしてると、とことん、「むしり取り」にきます。