2013.6.13.
ずいぶん長い間、ご無沙汰しており
失礼を申し上げております。
ところが、この間、アクセス数が増え続けております。
再生医療を巡る動きが盛んなので、
チェックにこられる方が増えているようです。
もっとも、免疫細胞療法は、再生医療とは
あまり関係のないものです。
これを無理やり、同じようなものにしようと
むしろ免疫細胞療法参入企業が動いてきたのに
対し、同業として警鐘を鳴らしてきたのですが
圧倒的な実績のある免疫細胞療法と、
これから実用化を手で探る再生医療は
全く成熟度が異なることは理解されてきた
ようです。
また、免疫細胞療法の場合、がん治療だけでも
大変なニーズがあります。
一方、再生医療は結局、何をやればいいのか、
用途が絞り込めていません。
角膜移植は確実に需要がありますが、
他の用途は、ほんとうに再生医療を導入すべきかどうか
今ひとつ必然性がみえません。
日本では、まだiPS細胞のブームは終わっていませんが
ES細胞の研究を再開した米国には、このままでは
太刀打ちできません。 かといって、育てると胎児に
なる可能性があるES細胞を安易に実用化することは
できません。 何も手をうたないまま、米国で
ES細胞の実用化が進めば、臓器移植と同じで
米国で治療を受けようとする患者さんが
でてくることになるでしょう。
がん化する可能性があるiPS細胞を臨床応用するのは
問題であることは自明です。 参院選が終わるまでは
日本の成長戦略の一つとしての旗印にするのでしょうが、
誰が考えても、無理があるiPS細胞の臨床応用の旗は
早く手仕舞いして、創薬研究なり、組織再生の研究なりの
ツールとしての位置付けを確定しないと、今度は逆に
ブームが去ると、iPS細胞の研究そのものがすたれて
しまうでしょう。