2013.9.3.
米国によるシリア攻撃に対し
例によって日本の首相と外相が
それぞれ「支持」と「支援」を
表明しています。
これは黙って金を払う
という意味です。
どこの国でも国家元首は
自国の国益と国民の安全を
本気で考えるか、最低、考えているふり位は
するものですが、日本の場合は
まったく素振りもみせません。
英国は永年、世界中に戦争を仕掛け
ビジネスとしてきましたが、今回は、
議会が英国最大のビジネスである戦争を
否決するという前代未聞の珍事が起こり
英国に先導してもらうつもりだった
オバマ大統領は窮地に陥りました。
どこの国でも、戦争を望む一般国民はいません。
戦争を求めるのは、ごく一部の人たちです。
そこで、如何に戦争を仕掛ける動機をつくるか
そこに工夫をするわけですが、大量破壊兵器を
もっているから攻撃という話は、イラク侵攻で
ただの作り話であったことがばれ、同じ手は
使えなくなっています。 今度は、化学兵器を
「使った」と、少し話をアレンジしてきたわけですが
例によって、米国側の一方的な「使ったんだ」と
断定するコメントしかでてこないわけです。
オバマ大統領が、化学兵器の使用は軍事介入の
判断にあたってレッドラインになると公言してほどなく
今回の一連の化学兵器使用疑惑がもちあがりました。
わざわざ米国が、化学兵器を使用してくれれば
それを口実に、おたくの国を爆撃できるんだけど、と
TVでしゃべっていたのに、それを受けてシリア政府が
自分で化学兵器を使用し、攻撃の口実を与える馬鹿な
ことをやるはずありません。
どうぞ、うちを爆撃してください、と
米国にお願いするようなものです。
子供が考えてもわかる茶番劇の構図がみえみえなわけです。
フランスは大統領権限で戦争をできるんだ
と言ってはいましたが、いや、議会の承認を
求めるというトーンがでてきました。
フランスの場合、シリア側にミサイルを供給する
ビジネスに関与しており、どっちが勝っても負けても
あるいは実際に戦争に至らず、準備のために
ミサイルを買ってもらうだけでも、元を取れます。
たとえば、フォークランド紛争で有名になった
エグゾセミサイルは、フランスと関係の深い
北朝鮮が開発した誘導システムを搭載し
中国東北部で量産、C802というブランドで
イスラム圏へ大量輸出されています。
フランス政府は、北京へライセンスはしていない、
と言ってますが、一方で、「コピー」ミサイルが
流通していることに何ひとつ文句は言いません。
このC802、先のイスラエル軍によるレバノン侵攻の際
シリア国境に近いビュブロス(パピルスや、聖書つまり
バイブルの語源になったフェニキアの港町、ピラミッドを
造成する資材の積み出し港でもありました)から2発、
発射され、一発はエジプト商船に命中してしまいましたが
もう一発は、イスラエル軍ミサイルフリゲート「ハニト」に
命中しています。
さて、各国、それぞれの思惑で動く中
日本は、全くの馬鹿げた「ご奉仕」を申し出たわけです。
「戦争費用は、日本にご請求ください」
戦争はそもそもやってはいけないことですが
よその国が、別のよその国に戦争を仕掛け
その必要経費を、日本が払う。
何の得があるのでしょうか。
シリアによるテロというのはきいたことはありませんが
日本の金で空爆が行われた、となると
またしても、どこかのテロ組織の標的リストの中で
日本の順位があがってしまいます。
米国もフランスも国家元首は戦争によって
自国といっていいのか、多国籍ですが、
産業界の「収益」の確保をめざし
自国民の人的被害は最小限にとどめ
その上、経費は日本につけをまわす、
こういう算段をたてているわけです。
日本は、ただ、金を払うだけ。
当然、シリア空爆費用の請求がくるということになると
消費税増税は断行という可能性が高くなります。
あるいは、すでに発表されていますが医療費削減や
さらには、震災復興予算の実行先送りなど、
必ず、国民にしわ寄せがきます。
お金の問題がなくても、世界でおこる理不尽な戦争に
国民が関心をもたないと、好き放題に戦争をしまくる
人たちがいるわけですし、日本も巻き込まれる可能性は
常にあります。 その上、お金の問題も直接からんでいるのです。
米国が戦争をする度に、日本には請求書がつきつけられ、
そのつけは、国民にまわされるのです。