2013.11.16.
ごく一部の食品偽装問題だけが
大きく取沙汰されていますが、
日本の食品は、ほとんどが偽装です。
まず、水と塩。
ミネラルを除去した水を
ミネラルウォーターとして販売し
ナトリウム塩以外のほぼすべてのミネラル(塩)を
除去した天日塩(つまり、塩抜きの塩)を
食塩として独占的に流通させてきました。
最近では、東京都水道局ががんばっていて
わざわざお金を出してミネラルウォーターなんか
飲まなくても、水道水をのみましょう、と宣伝していますし、
ナトリウム以外のミネラルを含む塩も、ボツボツ
売られるようになってきました。まだ、ほんのわずかですが。
砂糖も糖アルコールによって置き換えられ、
肉製品や乳製品が、動物性タンパク質ではないもので
つくられています。 日本では、チーズはごくわずかしか
販売されておらず、それも非常に高価であり、チーズではない
全くの別物が、プロセスチーズというあたかもチーズと
錯覚するような名前で、売られています。
たとえば、業界では「ハムソー」といいますが
ハムやソーセージ。
ヨーロッパで普通に食べれば美味しいのに、
日本では、一流レストランでも、なかなか美味しいハムや
ソーセージにはありつけません。
なぜでしょうか?
ヨーロッパでは、これらの製品は豚肉を材料に
手間をかけてつくります。
日本は違うのです。
だから、味が全然、違うのです。
ハムソーではありませんが、
ベーコンの場合、豚肉を燻製にしてつくるのが
伝統的製法ですが、当然、豚肉なんですから
ベーコンを焼けば、茶色くなります。
もし、ベーコンを焼いてみて、赤い色が残っていたら
それは偽物です。 焼いた肉が赤いわけはないのです。
焼いても残る赤い色、それは、合成発色剤の色です。
ほんもののベーコンを一度でも食べれば、
偽物なんか、まずくて食べる気もしません。
ところが、ほんものは滅多に口に入らないので
合成ベーコンもどきを、まあ、ベーコンとは
こんなもんだと、思ってしまいます。
私は、手足に重症を負ったあと、ずっとリハビリを続け、
普通ならここまでやらないという、ほぼ拷問のような激痛を
伴うリハビリを続け、おかげで、痛みに耐えるあまり、
二回、腸に穴があいて、血圧が30まで下がりましたが、
それでも、ずっと続けていました。そして、少しながらも
機能回復がみられたので、身障者手帳をもらう申請ができ
なかったのですが(治療を終えないともらえない、という
説明でした)、事実上、身障者です。
まだ、手足が不自由ではなかったころ、年に何度も
南小谷という駅から近く、白馬国際などのスキー場の
ふもとにあるペンション「星の家」というところに
通っていました。 スキーや山岳スキー、パラグライダーなどを
やっていたのですが、そこでは、ほんもののベーコンと
生ハムをつくっていました。
燻製器の底に、サクラのチップを並べます。昔の線香みたいに
一直線に盛土のようにチップを積みながら、端までいくとヘアピンカーブを
させて、逆方向に盛土を積み、これを繰り返します。そして端に火をつけると、
ジリジリと火が燃え進んでいき、少しずつ、煙を出し続けます。
スモークが燻製器の天井にぶつかる温度が高い辺りに、塩漬けの豚肉を
ぶら下げておくと、やがてベーコンになります。 スモークが下りてきて
もっと温度が下がった辺りに、やはり塩漬けの豚肉を置いておくと
生ハムになります。 これ、真冬では温度が下がりすぎ、夏は腐ってしまうので
秋口とか、春先とかつくれる時期に限りがありましたが、それはそれは
美味しい秀逸の品でした。 スモークの香りが部屋中に広がり、
口に運ぶと何とも豊穣で深い香りに満たされ、味も格別な美味です。
で、確かに、焼くと茶色くなります。
ベーコンの場合、ヨーロッパでも、即製、薬漬けベーコンが普及してますので
「星の家」でほんものを食べた時の感動はすごく、その後、そこらへんの
焼いても赤いのは、まずくてまずくて、食べる気がしなくなりました。
最近では、本物の豚肉の塩漬けはスーパーでも置いてあることがありますが
まあ、香りは、ほとんどしないですね。 一応、豚肉の味はしますが。
(続く)