2014.4.19.
TPP交渉が進展しないように報道される中
オバマ大統領が訪日します。
合衆国大統領が手ぶらでくることはありません。
通常、爆弾をもってきます。
TPPに合意しなければ、
これを落とすぞ、あるいは
TPPは、もういいから、代わりに
この爆弾を受け取ってくれ。
どのみち、ろくなことはないでしょう。
報道では、農産物の問題でもめているように
言われていますが、米国にとって、多少、
遺伝子組換トウモロコシが売れたところで、
さほどのメリットはありません。
一方、医療分野に関しては、すでに、日本版NIHが
スタートし、混合診療規制の段階的な撤廃についても
実務レベルの協議が進んでいます。
つまり、TPPという表向きの交渉が進んでも
停滞しても、TPPに絡んで、米国が日本に要求してきたことは
ひとつずつ、実現しているのです。
混合診療規制に関しては、内閣の規制改革会議と
厚生労働省の間で、やりとりが行われていますが
概ね、がんを想定しつつも、疾病や治療法の具体的な
ことは規定せずに、患者が望めば、保険診療機関でも
自由診療を受けることができる、ただし、どんなものでも
というと歯止めが利かなくなるので、そこをどうするか、
という議論になっています。 一応、第三者が認定する
治療にする、とか、認定基準は、然るべき学術誌に論文が
二報以上、出ている、といった案がでています。
現実には、医療を実施する医療機関と、命がかかっている
患者との間で、たとえば、この薬を投与すると、効くかも
しれないし、投与した日に、副作用で亡くなるかもしれない
どうするか、という切羽詰まった話し合いが行われます。
それを、第三者機関という、何の責任もとらない機関が
その治療はいい、この治療はだめ、など、まったくもって
患者不在、医療現場不在の机上の空論です。
ましてや、「論文が二報」など、愚の骨頂です。
がん細胞は、論文を読みません。
どんな学術誌に、論文がでていても
そんなことは全く気にせず、増殖し続けます。
論文がでていようがいまいが、今、命にかかわる
病気をどうするか、という現実の中では、
どの治療を行うのか、あるいは、どう組み合わせるのか
「考え抜く」以外にありません。
STAP細胞の論文ばかりが、騒がれますが
コピペ論文など、山ほどあります。
写真の偽造かどうか、ということより
類似する内容の研究がやたらと多いのです。
大体、流行の研究のアナログをやるので
論文も同じ系統のものが、大量に出る一方
出ないものは、わずかしか見当たりません。
論文がでてたので、この治療やってみました。
でも、患者さんは、なくなっちゃいましたね、
ごめんなさい、こんな話が通るわけありません。
保険診療であれ、自由診療であれ、どの治療を
提案するのか、受けるのか、医師と患者や家族が
腹を割って、当事者同士で、話し合って決める
それ以外の第三者が一体、如何なる責任と能力を
もって介入できるのでしょうか。
と、書いていたら、また、新たな仕組みの提案が
ありました。 どうなるのか、流動的な状況です。