2015.12.27.
米軍を上回る部隊を動員し
世界中から「殺し」のエリートを集め
どこにでも、誰の名前でも、
精鋭部隊を送り込める
民間軍事企業。
彼らは、どこの国の法律にも
縛られず、どこの国にも納税しません。
こういうのは昔からあり
むしろ正規軍の方が新しい概念なのですが
戦後の米国でいえば、台頭を始めた
あるいは胎動をはじめたのは
クリントン政権時代です。
有名なのはハリバートン社
石油財閥というイメージもありますが
紛争地での石油調査権や
パイプライン敷設権などの
利権をもち、「お仕事」を円滑に
するため、自ら「警護」と称し
強力な「軍」をもってきました。
類似事業者にユカール社がいます。
両社は、アフガニスタンの石油関連の
利権をほぼ二分していました。
前者のCEOがチェイニー氏
後者のCEOがライス氏 でしたが
この二人がブッシュ政権時代には
副大統領、国務大臣で権力をふるいます。
ブッシュ氏は、鉄道財閥ハリマンの
支配人の家柄。
大財閥のオーナー家に、使われていた側です。
かつて、鉄道財閥と石油財閥が
米国で覇権争いをやっていたころ、
ハリマンとスタンダードオイルは
サウザン・インプルーブメント社を設立し
世界初の持ち株会社方式による
合併を実現しました。
面倒な合併手続きを省いて
あっという間に合弁誕生です。
何が起こったのか、競合企業が
認識もできないうちに、
いきなり、スタンダードオイルの石油を
ハリマン鉄道が運ぶ際には標準運賃の半額
他の石油を運ぶ際には2倍に値上げします。
やがて、最強連合は、
石油・鉄道事業を独占するようになります。
クリントン大統領と、ブッシュ氏が
大統領選を戦ったわけですが、
ブッシュ氏が出馬すると
最大の寄付を届け
自ら選挙対策委員長を引き受けたのが
ハリマン氏本人です。
ところが、選挙が終わって3ケ月後には
なんと、クリントン大統領側の
最大の寄付者で、選挙対策委員長を務めていた
ピエール・ディグビー氏と結婚してしまいます。
世界情勢に大きな影響を与える大統領選を戦った
両陣営の選挙対策委員長が、すぐに結婚というのは
いくらなんでもやりすぎ論、はありました。
ということは、恋人同士が、出来レースで
大統領選を指揮していたのか、、、??? と
この問題を 「解決」 するため、奥さんは、直ちに
駐仏米大使に任命され、パリへ高飛びします。
というような具合に、クリントン時代から
ブッシュ時代に台頭する諸勢力の下地は
つくられていたのです。
その代表格が、ノースカロライナで産声を
あげたブラックウォーター社。
世界各地のエリート戦士を集め
軍事訓練を請け負う企業です。
クリントン政権時代には
メディアへの露出などもほとんどなく
それほど注目される存在では
ありませんでした。
クリントン時代
ソ連がアフガニスタンへ侵攻します。
これと戦うため、CIAは、アルカイダを
創設しましたが、もちろん、市民団体が
武器をとって立ち上がったのではありません。
アフガニスタンという、もともと、治安がよろしくない
様々な勢力が混在する領域へ潜入し、山岳地帯で
生活基盤を確立し、数千人の部隊を統括
戦う相手は、ソ連軍の正規軍です。
戦車や装甲兵員戦闘車はもちろん
同じところにいつまでもいると
数十キロの彼方から、重砲や
ロケットの猛射をうけます。
空からは、突然、装甲車並に防御され
装甲車以上の火力をもつ武装ヘリが
襲ってきます。
こういう戦いをやるのですから
当然、米国内で、徹底した軍事訓練を施し
その上で、アフガニスタンに投入されます。
サウジアラビアのビンラディン一族は
ブッシュ氏のビジネスパートナーですが
石油財閥の使用人であるブッシュ氏と
米国CIAが盗賊団イブンサウドに
乗っ取らせて建国させたサウディアラビア
最も親米な産油国ですから
当然、両者が、事業で協調するという
成り行きになります。
ビンラディン家のウサマ氏は
CIAのエリート戦闘員でしたが
兄の方は、事業家で
ブッシュ氏と投資会社カーライルを
設立、ベーカー元国防長官がCEO
メージャー氏や、サッチャー氏などが
アドバイザリーボードに並ぶという陣立てです。
この会社、日本でも普通に投資活動をやっておりますが
米軍のアフガン侵攻前に、それどころか
9.11事件の前に、曲射砲メーカーを買収
それが、山岳地帯で戦争だ! ということで、砲身を
上へ向けて発射する曲射砲が必要だからと
大量注文を受け、再上場、莫大な投資収益が
あがりました。 いくらなんでも、やりすぎと議会での
批判を受け、ブッシュ大統領は、誤解を解くため
ビンラディン氏の出資分を、ブッシュ家で買い取る
ことにし、合弁状態を解消することにしたと
記者会見します。
日経新聞にもいきさつは報道されています。
このブログ、とんでもないことが書いてあると
思う人もいるかもしれませんが、実は一般に
報道されているニュースを基本にしています。
大抵の人は気づかないか、覚えていないだけで
世界のトンデモな話は、大抵、一般公開されているのです。
この世に、陰謀はなく、おおっぴらに事が進んでいます。
さて、2001年9月10日
ラムズフェルド国防大臣は
国防総省は官僚なのである
よって非効率である
民間の方がはるかに効率がよい
そこで、戦争など、軍務も
国防総省ではなく、
民間へアウトソースしていく
という演説を行います。
国防大臣が国防総省は非効率だから
削っていくぞ、仕事は民間へ回すぞ
とやったのですから、国防省内部は
次の日に起こった事件以上の
大騒ぎになります。
翌日、9月11日、日本企業に発注し
完成したばかりの対テロ対策システムの
サーバールームがある部屋へ、
小型機が突入、ラムズフェルド氏は
ペンタゴンにいましたが、気づかなかったと
言ったとか、、、 お掃除には手伝いに
出てきました。
このころには、アルカイダは米国がつくった
という話は、日本人は大抵、忘れています。
米国では、そうではなかったのですが、
話の辻褄があいませんので、
ウサマは、コントロールが効かなくなったのである、
というイメージがつくられ、
「ランボー怒りのアフガン」という
ウサマビンラディン物語も映画化され
アルカイダは、米国の敵なんだ
という話が広められていきます。
何の脈絡もなく、「イスラム系」という
修飾語もつくようになっていきます。
ウサマビンラディンはサウジアラビアの
財閥の家柄ですから、
「本物」のイスラム教など
ろくに知りません。
サウジアラビアは
米国流の原理主義的な
「イスラム教」の国です。
そこで、ウサマは、アフガニスタンへ
潜入するため、本気でコーランを勉強した
そうですが、(このいきさつもNHKが
実際に使われたコーランの映像を写し
放送しています)、時間をかけて
米国の軍事組織から、イスラム過激派
というイメージ転換がはかられていきます。
9.11は、アルカイダがやったという
証拠はろくにないのですが、理由は棚に上げ
よくある「戦争だ!」宣言がブッシュによって
為され、ところで、どこの誰と、どう戦うのか
国民はよくわからないのですが、どうやら
アフガニスタンへ派兵するらしい、、、、
となっていきます。
なんで、アフガニスタン ???
一般米国民はよくわかりません。
アルカイダ ?
あれ、CIA じゃないか ?
え? 飼い犬に手を噛まれたごとく
アルカイダは、反米になっているって ???
と、十分な説明もないまま
アルカイダ悪い
ビンラディン悪い
イスラム悪い
そして、9.11.犠牲者の遺族が
自分たちの身内の死を戦争の理由に
しないでほしいと、ニューヨークで集会が
開催された際、時のジュリア―ノ市長は
強制排除を執行します。
9.11の犠牲者のお身内にですよ !
この国で今、平和を謳う者は
国家の敵である !
米国では、戦争をするんだ!
という意図がむき出しの
異常な風が吹き荒れます。
そして、まず、アフガンに対し
空から、人道援助が行われました。
ソ連軍の侵攻
それを撃退したら
今度はタリバンの猛威
悲惨なアフガニスタンの人民に
食糧を送る、米国は高らかに
人道主義を謳います。
そして、巨人輸送機1機が
大きな荷物を投下しました。
その「人道援助」作戦の支援を
目的に、100機の作戦用航空機が
支援爆撃を行い、空母機動部隊と
潜水艦から、150発の巡行ミサイルが
アフガニスタンに撃ち込まれました。
地球の裏側では、地震波が観測され
米軍が、核爆弾を投下したのでは、という
憶測が流れましたが、米軍は、後日
きっぱりと否定します。
いや、あれは、世界最大の通常爆弾
ディージーカッター だ。
(気化爆弾、巨人輸送機の貨物室から
巨大なパラシュートで投下され
燃焼ガスが拡散してから一気に発火させるもの。
映画、アウトブレークに実物が映っています)
米国は、核兵器使用の疑いを晴らすべく
「真相」を発表しましたが、あれって
人道援助の食糧投下って報道していた、、と
私は覚えていたのですが、、、、
大国同士の正面からの撃ち合いの時代は終わり
これからは、テロ 対 国家
テロ 対 米軍
さらには、テロ 対 米民間軍事会社
と、戦争の構図が変えられていきます。
これ表向きの話です、あくまでも。
テロ って、誰がやってるのか
莫大な金がかかってますが
誰が、払っているのでしょうか
米軍は、当時、とっくに トランスフォーム
を始めており、基本戦略、組織編制
戦略、戦術、装備、すべてが、対テロ戦を
想定したものに変換されてきました。
アフガン侵攻後、米国防総省ではなく
国務省の予算による民間軍事会社の活用が
急拡大します。
アフガニスタンで、民間軍事活動を得意とする
企業のCEOが、国務大臣になったのですから
当然の帰結です。
そして、イラク侵攻に至っては
米軍将兵16万に対し
民間軍事会社は、18万を投入します。
もっとも、民間軍事会社といっても
数百社にのぼり、道路網の整備やら
兵站関連、医療や水道、警察業務など
あらゆる補助業務を受注し、戦車を
連ねて砲撃するのが仕事、
というわけではありません。
その中でも、突出して業績を伸ばしたのが
ブラックウォーター社です。
この会社、バルバドスにも、正式に
無税を認められた別会社もあり
公表されている受注額もあれば
非公式のもあり、非上場企業ですから
財務状況を公開する義務はありません。
なので、本当のところ、実態は
わかりにくいのですが、
国会議員の公聴会の議事録などが
公開されています。
少なくとも、イラクでの受注額は
1000億円を超えていたことは
確認されています。
表向き、「警護」をやる、ということになっています。
米国の要人の警護ですので、国務省が予算を
出すのですが、イラク政府の法規制は受けないことを
保証され、米軍ではないので、軍法による裁きを
受けることもありません。
では、民間人として米国の法の裁きを受けるのか
というと、これも、軍務に属しているという理由で
適用除外なのです。
つまり、どこの法律の縛りもなく
自由に行動できる、ということです。
この会社、警護と称し、
あまりにもイラク民間人の殺害が多く
それも、先制攻撃率が異常に高い
などなど、問題だらけ、ということで
聴聞会も開かれたのですが
国務省が弁護するのですから
どうにもなりません。
現在、世界各地に「派兵」している
兵力は、2万ともいわれ
常時、数万の訓練済の精鋭を
リストアップし待機させ、
流石に、空母やジェット戦闘機は
もってないのですが、空軍も海軍もあります。
イラクに派遣された米軍兵士の給与は
数百万円レベルなのに、この会社の社員は
数千万円も給与をもらっていると報告されています。
それだけの人件費をかけて、
万余の兵力を展開しているなら
人件費だけでも、年間、兆に達するはずです。
イラクでは、次々に民間人殺害事件を起こし
イラク人の反感をあおるので、米軍が困惑しています。
このような、政府軍の手が及ばない状況で
数万規模の、民間戦闘組織が「活躍」し、
イラクの治安は悪化の極致となっていきます。
大量の難民が発生し、国境を越え、シリアに
なだれ込んだ難民は、今度は、シリアを疲弊させます。
ヨーロッパにシリア難民がなだれ込むと、
とたんにニュースになりますが
シリアに何十万人イラク難民がなだれこんでも
それほどニュースにはなりません。
こうした報道格差の中で、民間軍事会社は
急成長を遂げます。
兵士のリクルートは、まず米軍のエリート。
特に、海軍特殊部隊シールズが、指導教官として
多く、採用されています。
海軍の特殊部隊というのは、非合法の作戦が
得意とされています。
ほか、軍や警察などから、精鋭を集め
更に、各国の軍事政権の特殊部隊や
秘密警察出身者なども重要なソースです。
軍事政権が倒れたりすると、職を失った
エリートを大量に呼び込むことができます。
こうして、世界各国、100ケ国以上から
兵士を集め、訓練し、給与をはらい、
世界中、どこへでも、武器・弾薬・燃料・食糧
と共に、送り込むことができます。
もちろん、一般人を集めてきて
猛訓練を施し、兵士に鍛え上げることも
できます。
創業以来、紛争地域で事業を行う
一般企業の従業員の訓練なども
手がけています。
シリア反政府軍やイスラム国の正体
世界各国100ケ国以上から
兵士をリクルートし
訓練センターに集め
訓練し
武器・弾薬を供給し
給与をはらい
生活に必要な物資すべてを供給し
イスラエル軍と戦い続けてきたシリア軍と戦う
これだけの活動にいくらかかり
誰がどうやって資金を集めているのか
一般市民がたちあがった
イスラム教徒が集まった
民間軍事会社が受注した上
組織を運営している
どちらが説得力があるでしょうか。
あくまでシリア空爆を主張しつづけた
オバマ大統領
なぜ、よその国に爆弾を落とすのか
大量破壊兵器、化学兵器をもっているから、と
イラク侵攻の時と同じつくり話をした以外
全く、ろくな説明もできずに
そんな見え見えの作り話の
二番煎じでは、選挙民に説明ができないぞ!
と、議会の承認を得られませんでした。
シリア反政府軍やイスラム国の「おかげで」
米軍は、今や黙々とシリアを空爆しています。
フランスやロシアの報道が目立ちますが
シリア空爆のほとんどが米軍によるものです。
オバマ大統領は、反政府軍とイスラム国のおかげで
「公約」を果たしたのです。