2016.2.20.
シリアの犠牲者が25万人に達したという
国連での発表がありましたが、相変わらず
日本のメディアは、シリア内戦という言い方を
しています。
諸外国の空爆を受けて国土が破壊され
大量の難民が発生しているのですから
これは内戦とは言いません。
シリア国内で戦闘を継続しているISや
反政府軍と呼ばれる勢力も
トルコ経由やイラク経由でシリアに侵入した
国外勢力なのですから、
どう見ても、内戦ではなく
シリア侵攻戦です。
この状況で、ベッキーがどうした
スマップが解散するの、結局しないと
いや、今度は、キヨハラがどうしたこうした、と
およそ海外から見たら、どうでもいい
ニュースにもならないことを
大々的に報じてきた状況を見ると
日本の崩壊は深刻なレベルにあるように
見えます。
一方、ゴールデンタイムに近いTV番組でも
チェイニー元副大統領がCEOを務めた
民間軍事会社ハリバートン社が紹介されるなど
少しずつ、誰が、様々な戦争を世界各地で
起こし続けているのか、という構造的な問題に
ついて、一般向け番組が取り上げるようになってきました。
米軍が参戦する状況つくりに「活躍」した
広告代理店の紹介もされていました。
シリアでも、国営放送局を占拠、機材を破壊しておきながら
はい、今、政府軍によって子供が殺されています、と
「実況中継」し、シリア政府を圧倒して世界にTV映像を
放映した「番組制作会社」が「活躍」しましたが
戦争には、先行して、常にこうした情報操作が行われる
という具体例を、バラエティー風に近い番組で
放送するのは、大きな進歩でしょう。
ツチ族とフツ族の対立という事件もありましたが
きっかけは、米国DJが、毎日ラジオで
あっ、ツチ族の3人が、フツ族の8人に斧で
殺されました、さっきは、報復で、フツ族の2人が
ツチ族の13人に殴打され殺されました、、、、
と、こういうのばかりを延々と放送し続けたわけです。
とことん、あおり続けるうち、本当に事件が起こり
方々に騒乱が広がりました。
さて、今年の年明け早々、シリアの臨時駐日大使を
お見かけする機会がありました。
とても綺麗な方です。
臨時大使は女性なのですが
当然、お顔を隠すようなことはされません。
シリア難民がヨーロッパに押しかける状況が
TV映像で流れるようになって、明らかにシリアが
被害者という事実が世界にどうしようも隠しようのない
事実として認知されていきましたが、そこに映る
人々は、ぱっと見、ヨーロッパ人と区別はつきません。
誰も、顔を布で隠したりしてませんが
そもそも、ホンモノのイスラム教に
女性は、人前で顔を布で隠すなどという
戒律はありません。
もっとも、シリアがホンモノのイスラムの国なのか
というと、シリアのベースは、フェニキア人です。
ヴァアル神信仰が根付く人々に、アラブ人が
ヤハウェの神を持ち込んできたわけですから
現実は複雑です。
シリア臨時大使は
マーブリング染めの美しい
着物をめされておられました。
なかなかメジャーなTVに
映像が流れることはありませんが
現実のシリアの人々の映像
せめて、ここは日本なのですから
まずは、シリアの駐日大使への
取材番組くらいは、流すべきでしょう。
ありのままの
「美しいシリア」を報道すれば、理屈抜きに
これまでの作られたイメージとは
異なる世界が顕れるはずです。