藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2016年08月10日

  

えとせとら

2016.8.10.
NHKの番組で
原爆投下にあたって
時のトルーマン大統領は
積極的に投下の決断をしたのではなく
原爆投下を実行しようとする軍部を
止められなかった、最高責任者たる
大統領の決断なき投下だった
という番組を放送していました。

日本人が知らない事実が次々でてくる
という触れ込みでしたが、内容自体は
「知られている」事実でした。

ただし、原爆プロジェクト責任者への
インタビューの録音や、
TOP SECRET 扱いが
解除され、閲覧可能になった公文書の
映像などを紡いでいく番組構成ですので
一見の価値はありました。
沖縄戦の最中にルーズベルト大統領が急死し
たまたま副大統領の地位にあったために
大統領に就任したトルーマン氏が
重大な責任を負って決断できる状況ではない
この点は、番組でもトルーマン大統領の日記を
紹介するなどして描写していました。

大統領退任の日が迫っているオバマ大統領の
広島訪問の番組と相次いで放送されましたので
結局、米国は、対外的には
当事者能力のない大統領達を立てている
だけで、米国、少なくとも、米軍は、確信犯で
原爆投下を強行し、悪いなどみじんにも
考えていない、というイメージを強調する
演出なのでしょうか。
ともかく、NHKが特番で、
「戦争が終わりそうだから、あわてて原爆投下を強行した」
事実を、公文書や意思決定の当事者インタビューなどで
立証していった、ここは大きな意義があるでしょう。
原爆を投下するために日本を戦争に巻き込んだ、
そこまでは言ってなかったですが、戦争を終わらせるために
原爆を投下したのではなく、原爆は投下するために
投下した、戦争が終わる前に早く投下しないといけない
そのためには、大統領をだましてでも投下する、、、、
という一連の制服組(軍)と文民側(政府)のやりとりは
十分、歴史の側面にスポットをあてた番組という
ことが言えるでしょう。

軍はあくまで一般市民の大量殺戮能力を証明できる
半径5キロ以内に人口が密集し、その周辺が山で
囲まれている地形として、京都を攻撃目標として
主張し、政府側が、ドイツを上回る残虐行為を行うと
米国の信用失墜や、戦後の日本を反米国家にしてしまうという
戦後の外交や占領政策上の懸念
(人命や、人間としての尊厳は、一言もでてきません)
とが対立し、政府側が京都への投下に反対、
では、と軍部が、広島、小倉、長崎、新潟の
「軍事都市」に投下しましょう、、、 と
一般市民大量虐殺というトーンを文書上は
薄めて、投下の承認を得た、としています。

もちろん、公文書には、明確に広島(350,000)
等と、人口も明記してあり、これがどうして
大量虐殺を目的としていないことになるのか
よくわかりませんが、ともかく、意図的な話の
挿げ替えが行われ、軍部が選挙で選ばれたのではない
新米大統領を押し切った、というストーリーに
なっており、二発投下後、被害の大きさを知った
大統領が、それ以後の投下を不許可にした
としています。

なお、ルーズベルト大統領の、とても微妙な時期に
おける突然死については
様々な憶測が飛び交っていますが、この件について
今回の番組は一切、触れていません。

米国は、原爆を完成させて戦争を始めたのではありませんが
原爆の開発をスタートさせてから、日本を参戦に追い込んで
いきました。

開発リスクはもちろんあったわけですが、高濃縮ウラン235型で
あれば、「力わざ」で開発できる見通しはありました。
いきなり「一発目」を広島に実戦投入しています。

高純度のウラン235を大量に集めるのは「大変」なのであって
「難しい」わけではない、ひたすら巨大な遠心分離機をズラリと
並べて、天然ウランを濃縮し、ウラン238と、わずかな原子量の差を
利用して、分離・精製すれば、できるのはわかっていました。

ところが、量産は難しいわけです。

プルトニウム239型なら、大量生産はできるのですが
本当に爆発させるには、非常に難易度の高い技術的な
ハードルがあります。

大変、硬い物質であるウラン238を用いて
「真球」をつくる必要があります。
これでプルトニウム239を閉じ込め
臨界に達するまで外部から球の中心に向かって
猛烈な圧力をかけるわけです。

この加工は大変、難しく、時折、原爆製造に必要な
日本製の精密機器がこんな国でみつかった、、、、
としてニュースになるのは、この真球をつくる際に
使われる三次元測定機のことです。

また、よく言われる爆縮レンズをつくるにも
正確に反応する火薬で、燃焼速度が異なるものを
二種類用意し、これらをサッカーボールのような
五角形と六角形を組み合わせた立体配置によって
素早い衝撃波と少し遅い衝撃波を
同時に中心部へ集中させる制御が必要です。

プルトニウム239に混入するプルトニウム240が
早々に、小さな核爆発を起こし、なかなか、臨界に
達しないプルトニウム239を吹き飛ばしてしまうため
徹底的に、猛烈な圧力で一気にプルトニウム239を
臨界超えにもっていく必要があります。
米国は、プルトニウム型については、本国内で爆発実験を
行いましたので、世界最初に被爆国となりました。

この際、核爆発の衝撃波を塹壕で受け
キノコ雲の下を行軍させられた兵士たちは
悲惨な目に遭うわけで、原爆の被害が
半端なものではないこと、後々、尾を引くことも
当然、わかっていたわけです。

米軍は、確実に爆発するであろうウラン型を
広島に投下し、量産向きながら、高度な技術を要する
プルトニウム型を長崎に投下し、最低限の目標を
達します。

そもそも、なぜ第二次世界大戦は始まったのか
なぜ、原爆を開発したのか、もっと深い話がある
わけですが、ともかくも、戦争を終わらせるために
平和実現を目的として原爆を使ったなどという
どうしようも救いのない作り話は、早々に
一掃しなければなりません。

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