藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2016年10月22日

  

えとせとら

2016.10.21.

 

 

 

プロ野球のドラフト会議のお話。

野球の話をしたいのではありませんが

がん治療に関する報道と重なるものを

感じ、書いてみようという気になりました。

 

 

阪神タイガース金本監督のドラフト戦略を

ボロクソに、一人だけアホのように批判する

評論が圧倒的に多いようです。

 

なんで、内情がわからないのに

勝手に憶測で、人がやっていることを

批判するのか。

 

がん治療に対する明らかに実情を理解していない

人々の勝手な批判が横行していますが、

それとダブりますね。

 

 

ドラフトのことよく知ってる人ならわかるように

結論だけいいますと、おそらく真っ当な判断。

巨人に大山選手を指名されるリスクを認識して

先に採った、ま、そうかどうかはわかりませんが

その可能性は十分ある、ということです。

 

なので、少なくとも、なんであんな馬鹿な指名を

と批判している人は、なんにも考えていないのでは ?

という気がします。

 

 

知らない人でもわかるように事情を解説すると。

 

プロ野球では、新人選手を採用するのに

まずドラフト会議というものを開催し

個々の人気選手ごとに、どの球団が

独占的に入団交渉権を獲得するかを

勝手に決めてしまいます。

 

どこも指名しなかった選手の交渉は自由です。

 

ドラフトって、英語では徴兵制度のこともそういいますね。

自らの意志で軍隊に入る、志願兵のことをボランティアといいます。

志願して危険なことやるので、たくさんお金をもらえるのが

ボランティアなのです。

 

プロ野球株式会社に入団して、阪神部に配属とか

お前は、巨人本部だとか、それは勝手ということになっていますが

プロ野球は、12の独立した法人から成り立っています。

株式会社阪神タイガース、なのです。

どの会社に入社するか、選手には自由にさせないのは

法的に問題でしょうが、判例は調べてないので

そこは棚にあげましょう。

 

今年は、投手大豊作の年、野手は今いち、目玉選手が少ない

そういう前評判で、めったにでない大物として田中投手が

注目されていました。 次が、佐々木投手。この二人が

取り合いの中心になると目されていました。

 

各球団、せいの、で、指名選手を投票し、同じ選手に

指名が重複していたらくじ引きです。 外れたところは

みんなでまたいっせいに、せいの、で、次の指名選手1名の

名前を投じます。 こうして12球団、まず1位指名や

外れ1位指名を各々一人ずつ決めます。

 

ロッテや巨人などは、田中1位指名を事前に公表します。

法的には、公表した選手以外を指名しても問題はありませんが

そこは、人気スポーツですし、企業が公表したことを

反故にしたら、問題にはされます。

むしろ、どうせ札を入れると決めれば、公表しておいて

競合が厳しそうだ、やめとこか、という球団がでてくる

効果を狙います。

 

阪神は、正式な公表はせず。

何となく、会議後、記者にボソボソ言った、とか

噂に毛が生えた情報を流すだけでしたが

雰囲気としては、12球団の中でもいち早く

佐々木投手にいくようなムードを醸し出していました。

それが蓋を開けたら、全然、別の選手を指名し

ブーイングを浴びたそうです。

 

 

田中投手には、パリーグ上位3球団、セリーグ1位と2位

上位5球団が競合、くじ引きの結果、ソフトバンクが

交渉権を獲得、巨人は外れでした。

 

DeNAと中日は、カーブはいきなり通用と落合GMが

実戦的と評価した柳投手で競合、中日が交渉権を。

 

1位指名を外した巨人、広島、ロッテ、日本ハムにDeNAの

5球団が、残っていた佐々木投手を外れ1位で指名

ロッテが独占交渉権を獲得します。

 

ヤクルトは、佐々木投手を狙うという報道がありましたが

くじ引き競合を避け、甲子園で高校生離れしていると

評価された履正社の寺島投手を単独指名。

 

西武は、甲子園優勝投手の作新学院、今井投手を単独指名。

楽天は、寺島と投げ合って敗れたものの、将来性を買われる

横浜、藤平投手を単独指名。

 

オリックスは、高校時代にダルビッシュが、この投手が

一番、と高く評価したもののプロ入りせず、社会人に

進んで、3年たち、プロ入りが可能になった山岡投手を

単独指名。

 

結局、下位球団は、確実に即戦力投手を押さえようと、

競合を避ける策へ走ったということです。

 

ところが、二大巨投と考えられていた佐々木投手に

どこも札を入れていない、阪神がうまく、佐々木指名を

匂わせて、他球団に競合を避けさせる作戦が奏功したとなる

はずが、一転、目玉投手が、外れに回るという事態に至り、

5球団競合という前代未聞の状況となりました。

 

二度はずれた巨人は、当初、予定のオプション通り

1位で狙っていた投手が全員、他球団に指名されたため

吉川選手という遊撃が本職の内野手を指名します。

 

投手大豊作の年に、阪神だけが内野手を1位指名

10球団が投手を1位か、外れ1位指名。

巨人が、外れ1位で内野手を指名、となりました。

 

2巡目は、下位球団が一人ずつ、順番に指名していきます。

 

阪神の指名を馬鹿にする人々は、1位で単独で佐々木投手を指名し

2巡目で、十分、大山選手を採れたはず、と指摘しています。

 

 

さて、野手の目玉は4人。

 

遊撃本職の吉川選手、京田選手、三塁本職の大山選手、あとは

高校生の九鬼捕手。

 

大山選手は、大学の全日本で4番をつとめた右打ちの大砲です。

ですが、内野の他のポジションも守れます。

 

吉川選手、京田選手は、守備が素晴らしく、バッティングは

ミート力はあっても、大砲ではありません。

 

2巡目では、先に指名ができる中日やヤクルトは、遊撃手を

ほしがっており、吉川選手、京田選手をそれぞれ指名する

意向は示していました。

 

阪神も、この二人に加え、大山選手を有力候補と話し

2巡目は内野手とも語っていました。

指名順から言うと、吉川選手、京田選手は、先に

中日、ヤクルトにもっていかれるので、

大砲重視路線を打ち出す金本監督の

意向も考え、2位で大山選手を指名し、ちょうど、三塁手と

二塁手のレギュラーを固定できないので、どちらでも

いける大山選手は、

今、優先して補強すべきポイントに合致しています。

 

一方、巨人は、二塁手の外国人選手と揉め、出場させないと

通告するなど、異常事態に陥っていましたので、補強は

考えていました。ちょうど、三塁手にも難はあり

大砲が好きな巨人だと、即戦力投手をとりにいって

くじで負けたら、大山選手を指名、そう考えるのがセオリーです。

他に、即戦力的な内野手の大砲は見当たりませんので。

 

 

以上を総合すると、投手以上に、内野手の補強が急務の

阪神が、巨人に外れ1位で大山選手をもっていかれる

リスクを回避し、確実に交渉権を獲得できるよう

1位指名を行った。

むしろ慌てたのは巨人の方で

長打力を期待できない選手を

やむを得ず採ったということでしょう。

阪神の行動は、きわめて、論理的な判断かと

考えますが、なぜ、こうも、ボロクソに

言われるんでしょうね。

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