藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2017年02月21日

  

がん, 免疫

2017.2.21.

このところ、圧倒的に
問い合わせがあるのが

「近赤外線で、がんが治る免疫治療」について

です。
最近、書き込みさせていただいたものの
正確な続きではありませんので
内容は重複するところがあります。
本題に入る前に。
どんな治療でも、受けるか受けないかは
やっているところと直接やりとりするのが
基本で、ANK療法であれば、ANK療法を
やったこともない医師が何をおっしゃろうが
何も知らないで、勝手におっしゃってるだけなので
何の説得力もありません。

俺は知らない、と、ただそう言ってるだけの人の
話を聞くだけ無駄というものです。

権威ある先生だから、、、
関係ないですね。
<i>がん細胞は、医師の権威を気にしません。
関係なく、増殖し、命を奪いにきます。
がん細胞が脅威と認め
怖がるのはNK細胞だけです。

</i>
私どもも、近赤外線を人体に照射すれば
実際にどうなるか、は、
やってるところに聞いてください
というのが本来の筋です。

(もっとも、国内で実施しているところは
ないはずです)

とはいえ、原理的に、こう考えられますよ、
というお話はできます。
ANK療法は、「がん細胞を特異的に傷害するNK細胞」を
増強した上で、治療に使うものです。

がん細胞を狙い撃ちで傷害できるNK細胞をがん治療に使う

ここまでは、理屈は合っているわけです。
その次は、では、どれくらいの活性で、どれ位の細胞数、、、
といった治療強度の問題に進むわけですし
ANK療法と、一般的なNK細胞療法が決定的に
「別物」なのは、この治療強度が桁違いに異なる
というポイントです。

それでも、似て非なる免疫細胞療法が各地で
実施されているのは、
NK細胞には、がん細胞を狙い撃ちで殺せる能力がある
そこまでは、科学的事実なので、治療強度の問題は棚にあげて
「うちも、そのNK細胞を使ってるんですよ」
と主張する医療機関がゾロゾロと出てきている
ということです。
さて、近赤外線であれ、遠赤外線であれ、
マイクロウェーブであれ
エックス線、陽子線、重粒子線、、、、
なんであっても
がん細胞を狙い撃ちすることはできません。
おもいっきいり大量に照射すれば、どんな細胞でも
死んでしまうでしょうが、当然、患者さんも
生きてはいられません。
がん細胞は熱に弱い
だから、温熱療法
この手の話と基本は同じです。
正常細胞と、がん細胞は
熱に対する反応性に差がありませんので
患者さんが生きている限り
がん細胞も無事
がん細胞が死ぬほど熱をかけたら
患者さんももたない。。。。

どのような放射エネルギーであれ
死なばもろとも、で、照射して
患者さんの体も傷むけども
がん細胞にも打撃を
という考え方で治療するしかありません。

そうなると、現実問題として、標的腫瘍細胞を
全滅させるレベルのエネルギーで照射してしまうと
とても治療として認められるようなレベルの
副作用ではすまないので
(患者さんが、黒焦げになってしまいます、、、 )
どうしても、がん細胞が生き残るレベルの
エネルギーしか照射できません。

ほぼ、どんなものを照射しても、
治療として行う限り
がん細胞は生き残ります。

そして、すぐに数を増やしてきます。
ひとつ例外があります。

重粒子線ならば、腫瘍の大きさによっては
狙った腫瘍に存在するがん細胞を
全滅させることが可能です。
とはいえ、がん細胞が存在する範囲だけに
ピタリと正確に照射するということは
不可能ですので、
大き目に照射して、そこにある腫瘍は全滅させ
その周辺の正常細胞が巻き添えを受けて死んでしまう、
こういう「照準」をつけるわけです。

結果的に、照射部位に巨大な穴があきますので
体内で、重粒子線を照射しても構わない場所は
ごくごく一部に限定されます。
つまり、ほとんど、照射できない、ということです。
しかも、転移が疑われると、照射不可ですから
結局、重粒子線を照射してもいい患者さんは
ごくわずかにすぎない、ということです。
現実にはほとんど使えない重粒子線より
もっと、照射エネルギーを落としたもののほうが
はるかに実用的なのですが、当然、生き残った
がん細胞が反撃してくるという
どうしようもない状況に陥ります。
近赤外線ともなると、相当、エネルギーの収束度が
低いため、単独で、がん治療にはなりません。
位相というものを揃えてレーザービームにすれば
別ですが、今度は、正常細胞も相当、巻き添えにします。
放射線療法や粒子線療法には、それぞれ
得手不得手がありますから、いろんなバリエーションが
ある方がいいのですが、近赤外線は、単独では
がん治療に不向きであり、体内に事前投与した
化学物質の反応を誘導する、というのですが
今度は、がん細胞だけに集まる化学物質というのは
一つも見つかっていません。

ちなみに、がん細胞に集まる物質として

抗体(免疫物質)を用いるので

がん免疫治療と呼ばれているようです。

 

もし見つかったら、近赤外線を照射してもしなくても
がん細胞だけに集まる物質に、毒物をつけておけば
特効薬になるわけですが、これまで、誰ひとりとして
そのような特効薬をみつけた人はいませんし
それは、がん細胞だけに集まる物質が、誰も
みつけられないことに起因しています。
原理的に妥当に見えても、実際にやってみると
うまくいかない、そういうことは医療現場では
よくあるこです。

逆に、原理的に、これは無理、というのは
医療現場では、やっぱり無理です。

では、この技術をもつ会社の価値は
ゼロなのか、というとそれはまったく
異なる世界の論理が働きます。

私自身、実際に、数々のバイオベンチャーを調べ
2000社を超えるところまでは、
数を数えていたのですが
それ以後は、数えるのをやめました。

上場した会社も、110社までは数えていましたが
これも、それ以後は数えるのをやめました。

バイオベンチャーというのは、そこそこ上場はしますし
時価総額が大きくなるところもあります。
実際に、医療現場で使える治療技術をもっていたところは
例外なく、大企業に買収されましたが、
全く、何の技術もなかったのに上場し
その後、次々に、他の医療関連企業を買収し
実際に使われている技術をもつ会社に成長する
こういうケースは、みてきました。

なので、ある程度、人気を博し
医療技術として、どういうものであっても
株価を飛ばし、M&Aを仕掛けていく側に
回れば、その会社は、実態をもつことになります。

すると、その会社の株を買った人は
ハッピーになれるわけですので
何も悪いことではないではないか、、、
となるわけです。
では、がん患者さんの希望を
裏切ることになるではないか、
というと、それはそうですが
実際には、使えないので
現実に、治療を検討する患者さんは
いらっしゃらないわけです。

実際に使える治療に
たどり着く前に、洪水のような
使えない治療の情報の海を
泳ぎ切らなければいけない
そこが問題です。

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