藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2017年03月18日

  

えとせとら, がん

タイトルに (2) がついていますが (1) に相当するものは 2008年にアップしたものです。

 

時間がたっていますので多少、 重複したことも書かせていただきます。

 

厚生労働省内厚生記者クラブでLDLコレステロール値は高くても特に健康被害は見受けられないが、低い場合、特に男性で低い場合、がんを含め重篤な疾病により死亡率が顕著に高くなるという大規模で長期間に及ぶ疫学調査結果が発表されました。

 

あれから10年近くが過ぎました。このところようやくコレステロールそのものが体に悪いという見方は「科学的には正確ではない」という事実が知られるようになってきました。

 

LDLコレステロール値が極端に低いと、がんになりやすいのかという点については、がん研究センターをはじめ精力的な検証が行われ、今日でも検証は継続しています。 まず、進行性大腸がんの場合にLDLコレステロール値が極端に低くなることがあります。すると、調査開始時点ですでに体内でがんが進行していた人はLDLコレステロール値も低くなるかもしれませんが、まだ、がんが見つかっていない可能性もあります。これを単純に統計処理してしまうとLDLコレステロール値が低い人が、後日になって、がんが見つかったために、LDLコレステロール値が低いことによって、がんを発症して亡くなられた、という風に見えてしまうという問題を指摘しています。 典型的なバイアスと呼ばれるものですが、統計処理からバイアスを完全に排除することはできません。統計処理された結果には常にこうした不適切な要素が混入してくることを忘れてはいけません。

 

統計処理によって因果関係を特定することはできません。

 

この場合「LDLコレステロール値が低い」という事象と「がんになって短期間で亡くなる」という事象に正の相関関係はあるのですが、どちらか一方が他方の原因になっているのかどうかまではわかりません。

 

LDLコレステロール値が低いから、がんになりやすいのか、がんになっている人が統計値に入り込んでくるのであって、こういう人はLDLコレステロール値が低くなっている、のか。 どっちが先か?

あるいは、第三の真の原因があって、その第三因子によってLDLコレステロール値が低くなり、がんにもなりやすくなる、のか。 第三因子が真の原因である場合は、LDLコレステロール値とがんのなりやすさは相関関係があるだけであって、因果関係は何もないという結論になります。 繰り返しになりますが統計処理だけでは因果関係を証明することはできません。医療分野では特に統計結果が因果関係の証明になっている前提で解釈する見方がはびこっていますが、必ずバイアスを含むということを注意する必要があります。

 

ちなみに、統計上の精度をあげる努力をしてもやはり、LDLコレステロール値が低いとがんになりやすいように見える傾向は残り続けるとされています。つまり大腸がんのケースによるバイアスを除外しても、やはりLDLコレステロール値が低い人は、短期間にがんと診断される傾向が残り、今のところLDLコレステロール値が低いとがんになりやすいことを否定はできない、ということです。 

もっとも因果関係であろうがそうでなかろうがLDLコレステロール値が極端に低い場合はそれによって、がんになるのか、すでにがんが進行しているからLDLコレステロール値が下がっているのか、そんなことはどっちであろうが、どのみち、よろしくない傾向であることにかわりありません。

 

かといってLDLコレステロール値を測定してそれで、がんの診断にする、というほど精度はあるのか、と。

 

さて、コレステロールの善玉、悪玉ばなしがあまりに定着していますが、これは医療特有の 「言葉のまやかし」です。

 

いつも申し上げていますが、お医者さんをつかまえて、善玉と悪玉、それぞれのコレステロールが
どう違うのかを、化学構造式を書いて、わかるように説明してほしい、と質問すれば、誰もまともに
答えることはできません。

 

なぜなら、そんなものは、「存在しない」からです。

 

善玉コレステロールとか、悪玉コレステロールとかいうコレステロールの区別は存在しないのです。 まず、LDLは悪で、HDLは善だと、決めたわけですね。

 

必ずしも科学的に明確な根拠はないのですが。

 

コレステロールにはエステルフォームかフリーフォームか、といった誘導体は存在しますが、基本的にコレステロールは一種類であり、善玉も悪玉もありません。

 

HDLやLDLは、コレステロールそのものではありません。 HDLは、肝臓などでつくられる油の団子です。 実際の形は、ディスク状。 薄い円盤です。 成分は、中性脂肪や、リン脂質、脂肪酸、など体に必要な油性物質の集合体でコレステロールも多少、含まれています。

基本的に水性である血液を介して体内に油を運ぶのに団子をつくり、そこには、水にも油にも溶ける洗剤のような役割を果たすアポリポプロテインというたんぱく質が含まれており、血液に油の塊が馴染むようになっています。

 

HDLが体内を巡る過程で、油分が入れ替わっていきます。 油の配給と回収をやっているのです。

 

やがて、比重が小さくなってくると厳密な境界はないのですがLDLと呼ばれるようになり、形状も球状になっていきます。

ただし、LDLは全てがHDLから変化したものとは限らないようで、他の臓器でLDLとしてつくられるものもある、、、ようですね、としか言えません。 この手の話は、ほんとうのところはよくわからないのです。体の中は見えませんし、複雑ですから。

 

要するに、HDLとか、LDLとか言葉の上で分けていますが境界は曖昧であり、また成分構成も実際にはいろんなのがあるということなのです。

 

HDLが善で、LDLが悪で,HDLが高いとよく、LDLが高いと悪いと、とりあえず決めたのですが実態は両者は完全に独立した別物ではありません。

 

で。

LDLとHDLの話はコレステロールとは分けて考えるべきです。

 

構成成分の一部にコレステロールが含まれているからといって基本的には、別もの。
LDLコレステロールと書いてあってもそれは、とりえず、LDLと読んでおいた方が無難です。
基本的に体に必要なものは必要なだけ用意されるようになっています。

 

HDLもLDLも必要なだけ用意されますので善も悪もないのです。 数値が高いとか低いとか多少のことは気にする必要はないのです。 そして、非常に高いと考えられる場合、とりあえず、健康上の問題はみつかっていません。 それも高いといっても、他の人より高いようですというだけで、適切な数値はいくらか、ということはわかりません。

 

低い場合、あまりにも極端に低い場合、体に必要なものが、極端に低い場合は何か問題があるのかもしれませんがHDLは、いくら低くても、この時の疫学調査結果からは何かが問題ということはみつかっていません。 実際にはいくつかの疾病が疑われる可能性はありますので、よく医師に相談してください。

 

LDLが極端に低い場合、それだけでは詳細はわかりませんが、どうも何かよくないようですよ。。。。  ということは言えるようです。

 

その場合、男性の方が女性よりリスクは高いと考えられるのですが、あくまで程度問題です。

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