藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2017年05月19日

  

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三菱グループの社員は、キリンビールしか飲まない? という記事を見かけました。

 

不正が発覚した三菱自工を、三菱御三家の、重工、商事、銀行が支援した、から始まる記事で、概ね、違和感はありませんが、事情は、もう少し複雑ですねえ、たとえば、私が住んでいた「寮」には、当然、キリンビールさんのベンディングマシンが置いてありましたが、いわゆる隠しコマンドのようなものがあり、ボタンのいくつは、押せばスーパードライが出てくるようになっていました。その手の「工夫」は随所にみられました。

 

逆に言うと、基本的に、ミツビシを、という雰囲気はありました。

 

三菱自工の場合は、元々が、重工・商事の子会社だったので、支援するのは当たり前です。

 

ちなみに、寮には、スーパードライ用のホップを担当している人もいました。現実は、非常に複雑です。

私が担当した米国で唯一、天然型インターフェロンの製造承認を取得したインターフェロンサイエンス社の買収案件では、最大のステークホルダーが、アンホイザーブッシュ社、つまりバドワイザーのメーカーで、ここを急追するクアーズ社にもよく出入りしましたし、当時、欧州最大のビールメーカーだったバース・グループとも遺伝子組み換え血清アルブミンのライセンス契約を締結しましたので、懇意にさせていただきました。もちろん、キリンビールさんにもよく出入りしていました。毎年、夏には、サッポロビールの濱口家発祥の和歌山県湯浅(醤油の発祥の地)にある濱口家の巨大な邸宅に泊まり込みで遊びにいっておりました。

 

大体、グループ外のどことも、取引はあるのです。総代理店として取引をさせていただいていたヤマサ醤油さんをパリでご接待する時は、ヤマサ醤油を使っている日本レストランを予約する、など、取引関係を反映させた配慮をする、というのは基本動作として、ある程度、身につき、また、気にしてもどうしようもないほど複雑な時もあるわけです。

 

アニュアルレポートにも書いてありましたが、東南アジア各国が、まだ自動車の生産をほとんどやってなかった時代から、東南アジアの製造拠点といえば、タイのトラック工場。乗用車より、先にトラックです。これは、商事といすずの合弁でスタートしました。私が、経済援助案件で、アフリカに送っていたのは、ランドクルーザーです。 パジェロがパリダカで優勝してから有名になりましたが、レース用のパジェロと、一般に販売しているパジェロは何の関係もなく、街中を走っているパジェロは、本物のオフロードは苦手なのです。 一方、排ガス処理プロジェクトなどは、どこのメーカーというより、世界の自動車業界すべてが、取引先です。

 

寮の駐車場には、パジェロやミラージュ、ランサーが並んでいたかというと、一番、多かったのは、ホンダのインテグラ。材料の鉄板を、よその商社より沢山、買っていただきたいので、社内でも販売協力をしていたわけです。事業として、ミツビシの自動車の販売網を構築しているのですから、そこで、まさかホンダの自動車は売れませんので、社員が個人的にホンダを買う、という工夫です。 ダイムラーベンツとも合弁しましたが、ベンツが寮に並ぶことは流石にありませんでした。 ちなみに私の愛車はおおむね日産です。

 

ソフトなところでは、ユニチャームに圧倒されましたが、かつて、ミツビシの女性は、アンネを使っていたはずです。なぜそういえるのか、って、市場占有率100%近かったですから。 アンネさんとも、「仕事」はしましたが、何をやったかは、ちょっと、、、、

 

ミツビシといっても、大阪で生まれた発祥企業「九十九商会(坂本竜馬の番頭さんが創った会社)」直系から、途中から加わった、資本関係は薄い目ながら密接な関係、などなど、たくさんあります。 チキンラーメンは、三菱資本とは言えませんが、運転資金や材料調達、販売面などの商流は、商事独占からスタートしました。 資生堂、ライオン、ニコン、コニカ、U-bix、東京海上、明治生命、(昔の)日興、旭ガラス、日本郵船、重工、化学、自工、マテリアル、日清、、、、、 末端ブランドでいえば、ローソン、ユニクロ、明星(チャルメラなど)、味の民芸うどん、ケンタッキーフライドチキン、ドトールコーヒー、明治屋、成城石井、、、 もうなくなりかけですが、PHSも商事の子会社が始め、今日の携帯電話を普及させる担い手となった独立系通信会社の老舗のほとんどは、商事、物産、住商の合弁でした。 タリーズコーヒー(日本&アジア)は今は伊藤園さんですが、立ち上げの時は、私自身が投資担当&経営アドバイザーでした。

 

 

概ね、日本のDGPの3分の1以上、食糧に関しては、商事グループだけで、日本の総消費の4割以上を供給してきたのですから、どのみち、関係なく生きることはできません。たとえば、「塩」の半分、マグロの8割、ブロイラーの4割は、ミツビシです。ファーストフード業界の栄枯盛衰が激しい中、フライドチキンは、昨今のコンビニの参入まで、永らく、ケンタ君が圧倒してきましたが、飼料・雛、養鶏所から店舗展開まで、「一貫」しているからです。

 

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