藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2017年07月17日

  

えとせとら

2017.7.16.

 

 

 

なぜ、女性の方が自己免疫疾患が多いのか?

 

 

と、聞かれ、ううん、、、

即答できなかったのですが

胎児の幹細胞が母体の体内で

生き続けることが関係している

可能性があるとする説について

どう思うか、と聞かれ、

それはあり得るかもしれません、と

答えました。

 

大昔、このブログでも、

7人の男性の遺伝子をもつ女性の

紹介をしたことがあります。

 

妊娠中の母親の末梢血中からは

胎児の細胞が、見つかります。

 

極端なケースでは、一人の女性の体内から

分離された胎児性細胞から、当然、相手の

男性由来の遺伝子がみつかるわけですが

7人の異なる男性のものが

同定されたことがあります。

つまり本人も含めると

一人の女性の体内で

8人の細胞が一緒に

生きているのです。

 

 

母体末梢血中の胎児細胞を

胎児診断に利用しようとする

米国政府NIHのビッグプロジェクトに

参画しておりましたので、この手の話は

一時、徹底して調べたことがあります。

日本では、タブーのように言わることもある

出生前胎児診断ですが、

欧米では、全妊婦の過半数が

何らかの検査を受けています。

白人の場合、日本人には想像できないほど

遺伝病が多く、出産直後の措置をしなければ

赤ちゃんが生きていけないケースもあるので

切実な需要があるのです。

 

 

問題にされたのは、胎児の細胞の一部は

いつまでも母体内で生き続けることがあるので

はたして、今、末梢血から採取された胎児細胞が

今、子宮の中にいる胎児のものなのか、

以前いた胎児のものなのか、これをどうやって

区別するのか、という問題です。

 

 

徹底した検証が行われ、末梢血中を循環する

胎児性赤芽球は、胎児がいなくなると速やかに

母体末梢血中から消滅することがわかり

(たぶん、赤血球になってしまうのでしょう)

「誰の」細胞かを特定して検査をするには、赤芽球を

使えばいい、という結論に至りました。

もちろん、母体の赤芽球が大量にいるので

これと胎児性赤芽球を分けなければいけませんが

これについても徹底した検証が行われ

地中海のある特定民族を除いて

赤血球のタンパク質として

主にγヘモグロビンを発現していれば、胎児性、

αやβしかなければ成人、つまり母親のものと

判断できるとされました。

 

この一言を言うために、世界中の諸民族の赤芽球中の

ヘモグロビンのサブユニットの

タイプが調べあげられたのです。

 

 

NIHが、本気だすとこうなります。

 

 

徹底的に検証します。

 

 

 

そのNIHが本気で、インターロイキン2プロジェクトを

立ち上げ、本気で、NK細胞を利用する免疫細胞療法の

検証を行い、有効性を確認したのですから、

免疫細胞療法にエビデンスがないなど、よく言えますねえ、、、

大海を知らぬ者が井戸の中で、吠えている、というやつです。

 

免疫細胞療法には、エビデンスがあるのです。

 

 

 

で、話をタイトルに戻しますと。

 

臍帯血の中には、いろんな細胞がいます。

 

こんなものを、迂闊に他人の体内に戻したら

何がおこるかわかりません。

何もおこらないのかもしれません。

 

がんを含む病巣から、他人の細胞、

つまり胎児性の幹細胞がみつかることがある

という話は、「よくある」のです。

 

もちろん、様々な要因が考えられますので

結論付けるのは早計です。

 

初期の腫瘍マーカー、5大腫瘍マーカーといえば

CEA、AFP、フェリチン、BMG、シアール酸でした。

 

CEAは、名前の通り、腫瘍胎児抗原の略です。

AFP、フェリチンも胎児細胞に大量に発現していますので

胎盤血の採取が認められていた神奈川県などで、

胎盤血を集め、胎盤はお返しし、

これを鶴見区にある工場で精製して、

腫瘍マーカーの標準物質をつくり

各診断薬メーカーへ供給していました。

米国のNASAへも関連物質が供給されました。

日本は、こういうものを高品質で精製するのは

得意なのです。

 

胎児の細胞と、がん細胞は、似ている面もあるのです。

なので、同じような物質を大量発現します。

それを腫瘍マーカーとして利用してきたのです。

 

人はなぜ、がんという病気になるのかは

科学的には解明されていません。

ただし、がん化プロセスの部分的な解明はいくつか

なされています。 こうした仮説によると

正常な体細胞が、まず、未分化の状態、

幹細胞状態に戻るフェーズがあり、

それが、がん幹細胞となり、やがて憎悪していく

というステップを踏んでいくのである、

という考え方です。

 

iPS細胞は、がん細胞内で過剰発現がみられる

いわゆる「発がん遺伝子」を用いたことが

問題とされましたが、他にも、2つの

がん化プロセスに関連する遺伝子が使われ、

山中因子といわれる4つの遺伝子のうち

3つまでが、がん化プロセスに関係するものです。

 

培養を続けるうちにがん化するリスクがあるのは

当たり前ということになります。

 

ただ、基本的に、幹細胞は、がん幹細胞と

紙一重的な距離感にあることは忘れてはいけません。

 

 

まだ、白黒、はっきりとはいえないまでも

他人の臍帯血中の細胞を体内に投与すれば

どのような影響がでるのかわからない

それも、胎児性の幹細胞などは、ずっと

生き続ける可能性があり、疾病との関連についても

研究されている最中だ、ということです。

 

今回、他人の臍帯血を勝手に、治療に使った

医療機関が、業務停止命令処分に加え

医療機関名を公表され、今後、刑事告発することが

検討されていると、と報道されています。

 

当然、然るべき処分が下るべきでしょう。

 

 

いや、他に全く治療の可能性がなくて

どうにもならない疾病の治療として

やったのである、医師として法令より

病人の救済を優先した、と、もし主張すれば

これは、自然法に則り、人為法を超越するものと

認められる可能性があるでしょうか。

あるわけないのですが、

病人の救済を徹底して考えるにしても、

他人の臍帯血をいきなりは、あり得ないです。

iPS細胞も、もってのほかです。

やるなら、まず、本人の骨髄幹細胞です。

骨に孔をあけて採取するので、相当、痛いそうですが、

どうにも、改善しない神経障害を緩和するため

神経組織の再生を試してみたい、ということなら

やってもてもいいのかもしれません。

ただし、効果がどの程度かは、わかりません。

それでも試してみたい、お金のことは無駄に

なっても構わないと腹をくくっている、という

患者本人が本気で、そう考えているのであれば、

これを止めるには、その人の病気を治すことが

できる他の治療を提案するべきです。

できないのであれば、横から文句を言っては

いけません。

 

さて、勝手に他人の臍帯血を治療に使って

しまった医療機関について、今後、健康被害の

調査も行うそうですが、体内で生存を続ける

他人の幹細胞が、将来、疾病を起こすのかどうか

など、長期間のフォローが必要で、

やったところで、証明は困難です。

 

感染症の検査ぐらいで、当座の調査を

手仕舞いにするしかないのでしょう。

 

 

 

ところで今回、業務停止命令を受けた

医療機関の医師のお一人は、いわゆる

「有名な方」です。

 

率直に申し上げて、「札付」です。

 

まあ、あの人ならやりかねんなあ、、、と。

 

直接、会ったことはありませんが

事情がよくおわかりにならない方々から、

何度も、会ってみては、というお誘いがあり

冗談じゃないです、と断ってきました。

先方も、直接、聞いたことはないですが

ANK療法を目の敵にしてきたようですね。

 

ホンモノがでてくると、紛い物は

消える他なくなりますから。

 

 

 

悪しき根は、しっかりと断っていただきたいです。

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