藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2017年12月31日

  

えとせとら

2018.1.1.

 

 

 

新年明けましておめでとうございます。

 

 

東アジア情勢は昨年末の極端な緊張状態から

少し落ち着きを見せていますが

オリンピックに向け、まだまだ予断は

許さない上、たとえ戦争を回避できても

北朝鮮崩壊がいつ起きてもおかしくありません。

 

日本は憲法改正に向けこれまで眠っていた議論が

表に現われ国民の意識も変わり安定多数を確保した

政権の思惑通りには進まない展開となるでしょう。

 

 

 

がん治療をとりまく状況は急速に変わっていくと

考えられます。

 

欧米では抗がん剤全廃の方向に動き始めていますが

抗がん剤は急激に増殖するがんに対しては

著効となることが多いため、今後も使用すべき時は

使用すべきで全廃はよろしくないと考えます。

 

日本ではまずは高齢者から抗がん剤投与を控えていく

傾向が強くなります。

 

抗がん剤の副作用は正常細胞に対する増殖毒としての

作用により、一時的に正常細胞の絶対数が不足することに

起因しますが、それは短期的なもの。

長期的には正常細胞の遺伝子損傷が尾を引き

何のことはない発がん作用も発揮すると考えられます。

また神経細胞や筋肉細胞の場合は増殖はめったにしないので

細胞は生きていますが、巨大な細胞の活動を支えるため

何百という単位の多数の核があり、遺伝子の複製は

案外、行われており、抗がん剤による遺伝子損傷が

蓄積されるとじわじわと影響がでてきます。

細胞の入れ替えが稀なだけにかえってやっかいです。

当然、若年層ほど抗がん剤のリスクが大きくなりますので

高齢者から控えていくというのは投与後の短期的な

体力消耗だけを意識しての対応です。

 

 

従来は絶対的に正しいとされた抗がん剤治療の牙城が

崩れていく状況の中で、では免疫か、というと

抗がん剤の替わりに免疫チェックポイント阻害薬を

使おうという風潮はいずれ消えていくことになるでしょう。

 

免疫チェックポイント阻害薬は複雑な免疫制御のごく

一部に作用するだけであり、主にT細胞を漠然と活性化させるため

奏効する部位は限られ、奏効する率が低く、奏効といっても

現状維持の場合が多く、顕著な腫瘍縮小がみられるのは稀です。

その代償に高率で自己免疫疾患を誘導し、暴走が始まると

中々止まらないのですから、実際に現場で処方している

先生方からも、まあ、正直あれを使って後悔することが多いですね、、、、

という声をよく聞きます。

 

 

時間の問題で世界標準の分子標的薬が免疫系の治療薬であるという

厳然とした事実、NK細胞の傷害活性を高めるADCC活性を

作用機序とするものが優先的に開発されてきたという事実

研究者都合として扱いやすい樹状細胞やT細胞ではなく

臨床の実用として遥かに有益なNK細胞の活用が欧米では

すでに重視されているといった事実など、当たり前の事実が

日本でもいつまでも隠し続けるのは無理であり

自ずと周知の事実となっていくでしょう。

 

 

免疫細胞療法も米国政府主導の大規模臨床試験で

有効性を確認したものが2法あるほか、政府承認取得したものが

昨年の8月時点で二品目、その後も、パラパラと増え続ける傾向が

見られます。

 

日本での承認申請も時間の問題なのか、市場性のや薬価の

問題で見送られるのかはわかりませんが、いつ申請があっても

不思議はありません。

 

ではANK療法の保険適応の日は近いのかというと

これはもう資金の用意ができるかどうかが全てです。

 

急速に法整備が進みましたので、今後は申請可能ですが

何せ一般の方や、日本の医師の方々が想像できるレベルの

費用ではないので、ここをどう突破するか、です。

 

 

 

リンパ球バンクと言う会社はANK療法という

他に比較すべきものもない治療技術を普及させるために

存在する会社です。

 

そこに特化するのは当然ですが、患者さんは

他の治療との組み合わせ、食事などの日常生活、他にも

様々な要望、不安、などをお持ちです。

 

こうした問題は分子標的薬の併用を除けば

会社としてなかなか取り組めないできましたし、

いきなり事業化することはできませんが

医療現場を含め総合的なサービスの質を向上させ

患者さんやご家族がなんでもかんでも自分たちで

ほとんどゼロから考えないといけない現状は

変えないといけないですね。

 

基本的には情報提供は拡充しつつ

実際のサービスの提供としては

各分野のプロと組んでいく

ということになるかと考えております。

 

 

 

今年が日本と世界全体にとりよい年となり

多くのがん患者さんが命を救われ、絶望が希望と

変わっていきますことを。

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