免疫療法の違いについて簡単に説明してくれとよく言われます。当然のご要求ですね。ただ科学的な厳密性を無視か大甘にみないと簡単に語ることはできません。いろいろな人が批判どころかよくわからないで勝手なことも言ってきますので脇を固めて厳密な表現を試みようとするほど一般の人にはよくわからない面倒な話になってしまいます。
わかりやすさを重視し、かなり大雑把に言うと、という前提でまとめてみました。
まずそもそも「がん」と言っても一か所にかたまっていれば手術で完治です。
免疫療法の必要性は低いです。
もし、がん細胞が見えないものであっても飛び散っていると標準治療と呼ばれるものだけでは残念ながらほとんどの場合、助かりません。免疫治療を考える必要があります。
がん細胞を殺すために生まれてくるのがナチュラルキラー(NK)細胞。がんは目の上の瘤であるNK細胞を眠らせながら大きくなります。がんを目の前に眠るNK細胞をびっくりさせて叩き起こせるのは「がんより危険なもの」だけです。つまり安全に薬などを投与するだけで体内のNK細胞を十分めざめさせることはできないのです。
そこで体の外で強くNK細胞を刺激し十分に目覚めさせてから体内に戻すのが免疫細胞療法の基本です。
(ANK療法)
がん細胞を殺すために生まれてくるNK細胞をがん治療に用いるシンプルな考え方。なぜ世界中が同じことをやらないのかというとNK細胞の培養には職人の技が必要だから。これがなかなか難しくほとんどの研究者は諦めてしまいました。 なおNK細胞は増殖が遅いので沢山集めないと戦力になりません。原則7リットルの血液からNK細胞を分離し増強してから体内に戻します。免疫刺激が強いので発熱など免疫副反応がありますが一過性のものです。
免疫細胞を用いる免疫細胞療法と薬などを投与する免疫療法とがごっちゃになっています。
よくみかけるものを簡単に説明していきましょう。
(続く)