藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2018年08月24日

  

がん, 免疫

人気アニメ「はたらく細胞」の「第7話がん細胞」のツイートの中に「なぜNKでなく白血球ががん細胞にとどめを刺すのか」とコメントがありました。

 

このアニメ、判別しやすい細菌、少し見分けにくいウイルス感染細胞、もっとも見極めが難しいがん細胞に対して、各々、得意とする免疫細胞がおり、正常細胞そっくりのがん細胞の正体を見抜いたのはNK細胞だけと科学的に妥当なお話になっています。

 

がん細胞に対してNK細胞が圧倒的に強いこともその通りに描かれています。

 

最後の場面はNK細胞に打倒され瀕死のがん細胞にとどめを刺す白血球。

 

このアニメは細胞を擬人化して物語が展開しますが、NK細胞は滅法強い孤高な女性戦士として描いています。ワンダーウーマンとかトゥームレーダー役のアンジェリーナジョリーさんのようなイメージです、顔は似てませんが。

 

一方、がん細胞はコピーミスで生まれた哀れな細胞というドラマ性に配慮した設定があり、最期の時を迎えるがん細胞に「言うことはないか」と白血球が聞きます。NK役のワンダーウーマンでは問答無用にバッサリでしょう。過去にがん細胞の正体を見抜けず白血球が助けた経緯があり、他人に助けられるなんて本当にうれしかったと涙するがん細胞。 話の構成上、騙されないNKではなく白血球に役を回さざるを得ないのでしょう。

 

実際に高度に活性化された野生型のNK細胞とがん細胞を一緒にすると問答無用「瞬殺」です。 確実に息の根をとめます。

 

一方、がん患者さんのNK細胞は例外なく活性が非常に低くなっています。ANK療法による強い免疫刺激をかけた場合はNK活性が回復どころが治療直後には健常者の上限をはるかに超えて高くなりますが、治療前の段階では100%例外なく、がん患者さん全員、極端にNK活性が低くなっています。そのため、活性が低いNK活性では瞬殺とはいかずに瀕死で生きているがん細胞も見られます。そこへ白血球がとどめを刺すということはありえます。 そもそもNK細胞と比較すれば傷害能力はけた違いに落ちますが、マクロファージや好中球、T細胞のごく一部も稀にがん細胞を傷害しますので最後の一刺しが白血球という場面もドラマとしての仕上がりや演出を考慮すれば許容範囲かなという印象です。

 

 

 

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