人気アニメ「はたらく細胞第7話 がん細胞」は益々話題のようです。
どこまで正確なのか、とよく聞かれますので、ポイントだけまとめてみました。
様々な免疫細胞がいるが相手によって得手不得手がある →(正確)
一番わかりやすい細菌対応が得意な免疫細胞もいれば、少しわかりにくいウイルス感染細胞を主に退治するのがキラー細胞(キラーT細胞もしくはCTL) →(正確)
正常細胞と微妙な違いしかないがん細胞を騙されないで正確に見抜くのがNK細胞 →(正確)
(実際と違う)→がん細胞が免疫細胞の攻撃を逃れて増殖するメカニズム。
このアニメではがん細胞が正常細胞に化けることになっていますが、元々、正常細胞そっくりなので、NK細胞以外の免疫細胞はがん細胞の正体を殆ど見抜けず、できても稀です。
試験管の中のT細胞を用いたりマウスにヒトがん細胞を植えて実験すると、がん細胞が少し変異するだけでT細胞の攻撃を回避します。これは実験だからそうなるのです。 マウスにとってヒトの細胞は「外からきた異物」ですからNK細胞よりもT細胞が主に活躍します。 人間の体内ではNK細胞が主役であり、がん細胞がどう変化してもNK細胞は騙されません。研究用の特殊な条件で選別されたNK細胞はよく攻撃を回避されますが、野生型のNK細胞はどこまでもがん細胞を追撃します。
実際のがん患者さんの体内でがん細胞が免疫細胞、特に主役のNK細胞の攻撃を逃れる術は「免疫抑制」です。 NK細胞の活性をさげない限り逃げられません。
アニメ風だとがん細胞がコソコソ噂話や偽の命令書を流し「もう危険は去ったから警戒レベルをさげろ」と様々な正常細胞を騙します。デマに翻弄された免疫細胞が活動を低下する中でNK細胞もつられて眠くなりがん細胞に気付かなくなるという感じ。
驚かせて再び目が覚めればどんながん細胞でも攻撃します。
最後に。
笑うとNK活性が上がる→(冗談)
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