およそ6500万年前
「小さな」隕石が猛スピードで地球に衝突した衝撃とその後の極端な気象変動により恐竜はほどなく絶滅したという説が広く受け容れられています。
専門家の見方は少し違います。
隕石がくる前から恐竜は種の総数が激減しており、ほとんど絶滅しかかっていた。
そこへ最後のとどめとして隕石が突っ込んできた。実際に他の生き物の多くはディープインパクトを生き残びた訳です。
隕石が衝突しなくても恐竜が絶滅した確証はありませんが概ね絶滅に向かっていたと考えられています。
恐竜を絶滅に向け追い込んでいった怖ろしい敵は「花」を咲かせる植物と考えられています。
シダ類が単為生殖で胞子を飛ばし生息域を拡張しながら巨木の森を出現させたジュラ紀には、この葉っぱをひたすら食べる首の長~~~~い恐竜がのし歩いていました。
ところが白亜紀に入る頃には「花」が咲きます。
花粉を運ぶ昆虫には「花」は蜜を与え、ただ食べるだけの恐竜には毒を盛りました。
この時代、口が下向きについているトリケラトプスのような恐竜が勢力を伸ばしましたが、基本的に地面に生える草を食べるようになっていました。盛んに交配し種のバリエーションを激増させた花は昆虫と共に大変な隆盛を極め様々な環境に適応しながら巨木の森を季節によってはお花畑となる草原に変えていきました。
一方の恐竜は自己免疫疾患など疾病だらけです。 一発で全ての動物を殺す毒ではなく役に立つ動物には無害で役に立たない動物には毒、それもジワジワと弱まり慢性病を起こす時限爆弾のようなものです。 肉食恐竜も植物の毒を蓄積した草食動物を食べるため、やはり疾病だらけです。 映画ジュラシックパークにもこうした研究成果を踏まえて植物の毒にやられた病気の恐竜が登場します。
私たち人類は、数千万年をかけ恐竜を絶滅寸前に追い込んだ植物戦略をわずか1万年少しの時間に濃縮した猛攻を招いています。 (続く)