漢方が世界レベルで見直されています。漢方には免疫抑制作用を発揮するものが多く、自己免疫の過剰な発動を抑え症状の進行や重篤化にブレーキをかけれるのではと期待されています。
自己免疫疾患が増えてきたというよりこれまで考えられてきた以上に多くの疾患が自己免疫の過剰な発動によるものであることが明らかになってきたという背景があります。
活躍が期待される漢方ですが大量生産に向かないという問題があります。
漢方は種類が膨大なだけではなく品質にも大きな開きがあります。高級品の中にはどの山系のどの斜面のどこの地層の割れ目から生えている薬草を春先のいつどのような天候の日に摂るとか細かい注意が払われ、摂る人も熟練の職人さんということもあります。
薬草の場合、土壌中のミネラル成分や土壌微生物はもちろん天候や気候などによってまるで品質が異なります。医薬品原料として植物を用いる場合、例えばタキソールという抗がん剤は西洋イチイという樹木から原料を摂っていましたが天然資源から継続採取することも植林することも現実的でないという結論に達し、工業的に生産することになりました。こういうケースは成分を特定できますので大変なようでも分析データを集めて原料調達手段の検討が可能です。
ところが漢方の場合はこれが有効成分だと思って精製すると効果がなくなります。
朝鮮人参は北朝鮮の外貨獲得源でしたがすっかり取尽し、韓国産も需要に追い付かず連作障害が強くて一度栽培すると10年その畑は使えません。そこで中国で大量作付けし供給量をけた違いに増やしたのですが品質がガタ落ちしました。朝鮮人参を栽培すると土壌中のゲルマニウムが激減することはわかったのですが、ゲルマニウムは二酸化物としてキロ20万円もしていたので畑に捲くものではなく、ゲルマニウムを医薬品として評価するとやはり朝鮮人参とは異なるものでした。
同じ薬草を栽培しても別物になるのです。