藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2018年10月18日

  

がん, 免疫

米国NIHが実施したLAK療法の臨床試験は有効性を確認しましたが、その後、日本では「同じ名前」つまりLAK療法という名前で、「似たプロセス」で、「まったく異なる条件」で実施され、高度先進医療にも指定されていました。

 

高度先進医療制度が廃止になり、消滅するはずだったのが、別途、「先進医療制度」という「似たような名前」の「まったく違う」制度が作られ、そちらに一部が移行されました。

 

米国では3日間もかけて血液を体外循環させ、具体的に何リットルの血液を循環させたかはケースバイケースだったのですが、おおむね50リットルというレベルのスケールです。 5万ミリリットルです。 使用されたインターロイキン2も膨大な量で尋常でなく費用がかかるものでした。

 

採取されたNK細胞はこれも毎回かなりばらついたのですが、数億~数十億個レベルです。

 

おそるべきコストがかかる上に、抗がん剤が効かない末期進行がんであっても巨大腫瘍が一気に壊死を起こして消失したり、劇的な効果をあげるケースもあったわけですが、大量壊死対応(カリウムショックによる心停止防止など)としての体液コントロールなど大型のICUを占拠し、何人もの医師がかかりきりの非現実的なコストがかかる治療でした。  数百人全員に何らかの効果は見られたのですが、あまりにもコストがかかるので、その後、米国でも同じ条件で追試されることはありませんでした。

 

日本の医療現場や研究機関ではNIHと同じ条件を再現する予算はなく、たった20ml採血として細胞を採取し、米国ではやってはいけないとされた3日間以上の培養を行ったため、T細胞は爆発的に増えますが、NK細胞は活性が下がってしまうという代物で、そもそも採取細胞数が米国の数千分の1以下という極端にスケールダウンされたものを高度先進医療と指定してしまい、LAK療法は効果ないという誤解が広がります。 

 

 

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