前回からの続きです。 できれば同じタイトルの(1)と(2)を先にお読み頂ければありがたいです。
永久凍土のメタンハイドレート融解が加わることで加速が更なる急加速を呼ぶと考えられる地球温暖化現象。 温暖化がこのペースで進むと今世紀どころか数年で地球環境の激変の可能性もあると考えられています。 温度が上がると猛暑、では済まず、東京や大阪が海の底になるどころではない可能性が高いと考えられています。
MITのエドワード・ノートン・ローレンツ教授。ご紹介したい人がいるとお手紙のやり取りをさせていただきアポ調整が合わないまま、故人となってしまわれました。 この方、気象学者ですが徹底したコンピューターシュミレーションによる気象予測モデルの研究からカオス理論の基礎を築くことになりました。
同氏は有名なバタフライ現象、「香港で一匹の蝶がどういう風に飛ぶかで1週間後のニューヨークの天気がひっくり返るほどの影響を及ぼす」ことを示しました。余りに微小な変化が時間と空間を超えて波及する程、巨大な影響を及ぼし合うということで、つまり長期の正確な予報は不可能であることを証明したわけです。ただし夏のニューヨークに雪は降らず、「ローレンツのアトラクタ」と呼ばれるある範囲内での変動であり晴雨の変動はあっても夏の気象の枠から出ることは「滅多に」ないのですが、ある確率で突然アトラクタのシフト、つまり全く異なる気候にシフトする可能性があり、一度シフトするとそこから別の気候にシフトするまで一定の枠内で日々の気象が変動することを示しました。
このまま温暖化が進むと世界中の平野部が海底になってしまうどころか、あくまでスーパーコンピューターでのシュミレーション上の予想なのですが、7割の確率で遥かにとんでもない異変が起こると予想されています。 それも、今直ちに異変が始まる確率もゼロではないのです。
(続く)