2009.5.11.
新型インフルエンザが拡大中、と盛んに報道しています。
どう考えても、普通の従来型インフルエンザ、
通常ルートにのって、豚経由でヒトに感染するA型インフルエンザの
弱毒型、最も一般的なタイプ、そうとしか思えませんが、
「新型」と称して騒いでおります。
内科医300人へのアンケート調査では4割の回答者が
政府の対応は「過剰」と答えていますが、たった4割??
WHOは「豚インフルエンザ発生」と大騒ぎをしました。
また、「鳥のウイルスとヒトのウイルスの遺伝子も持っている
謎のウイルスである」とも発表しました。
インフルエンザは鴨のウイルスが豚を介してヒトに伝播し、
またヒトから豚を介して鴨に戻るものです。
つまり全く通常のものであることを認識していながら
「新型」と騒いでしまったのです。
流石に「マズイ!」と思ったのでしょうか、「豚インフルエンザ発見」後2日で
あれは「A型インフルエンザ」という名称が相応しい、とします。
A型インフルエンザってどういう意味でしょうか。
「普通のインフルエンザ」という意味です。 B型やC型もあるのですが
通常、最も頻繁に流行するのがA型です。
また感染者発見!! とニュースが流れていますが、
亡くなる方は初期報道で発表されたメキシコのケース以外は
滅多にいらっしゃいません。 インフルエンザで亡くなる方は
元々エイズで亡くなる方より「数が多い」のです。
ポツポツと亡くなる方が出る、これは悲しいことではありますが、
ずっと今までから続いていたことであって、新型ウイルスによる
パンデミックというには程遠いのです。
さて、新型インフルエンザは、「誰も免疫がない」から大変なことになる
あるいは、ワクチンを打てば「免疫ができる」、だから大丈夫
一流大学の教授クラスまでがTVの前で平気で
こんな言い方をしています。
「免疫がない」と、人は生きていられません。
免疫は常にあり、働いています。
初めて遭遇する相手に直ちに対応できなければ、
あらゆる微生物やウイルスに満ち充ちている
この世界で生きていくことはできません。
免疫学は自然科学ですが、医学部で免疫学を
教えるようになったのは、ごくごく最近のことなのです。
ご自分で研究されている一部のお医者様を除いて、
実は、殆どのお医者さんが、免疫のことをよく知らないのです。
一流の先生方でさえ、「免疫」と言う時には、
「獲得免疫」だけをイメージして言っています。
獲得免疫に限定するなら、確かに、
新型ウイルスへの対応は苦手ですね。
そこでつい自然免疫を棚に上げておき、
「新型ウイルスには誰も免疫がない」
と言ってしまうのです。
実際には。
どんな新型のウイルスが登場したとしても、
「自然免疫」は即座に対応します。
もし本当に「誰も免疫がない」のなら、
とっくに、人類は絶滅しているでしょう。
私達の周囲や、私達の体の中まで、
膨大な数のバクテリアやウイルスが存在し、
その中には、所謂、「病原性」と呼ばれるものも
沢山いるのです。 普段、いちいち争わずに、
ちゃんと仲良くやっている、そういう面もあるのですが、
かといって、自然免疫が日々、常時、接触する新たな
ウイルス類を、片っ端から分解していなければ、全身
あっという間にウイルスだらけになってしまいます。
日本の歴史をどうひっくり返しても、大規模なパンデミック
(急激に拡大する悪性度の強い感染症)を経験したことはありません。
疫病がなかったわけではありませんが、ヨーロッパの疫病は、
レベルが違います。 全人口の何割が一度に亡くなるという
経験を何度も繰り返しています。
また、中南米では、文明まるごと全滅という事態も発生しています。
いざパンデミックとなると凄まじい猛威をふるう病原体。
ところが、これら病原体は、常に、どこにでも存在するのです。
ヨーロッパの宣教師は、戦国時代、日本の兵士が多少の傷を負っても平気な
顔をしているのを見て仰天しています。 温泉へつかってしばらくすると、また
槍を担いで戦場へ赴きま
す。 ヨーロッパだったら、あっという間に傷口が化膿し、
敗血症で死んでしまいます。
それ位、「免疫力」に差があったのです。
菌やウイルスはどこにでもいても、地域や時代によって、
人間の側の状態、社会状況が異なり、
人間の側の問題が限界に達すると
疫病が発生するのです。
免疫力が強ければ、例えば、喉の粘膜が潤い、分厚く、強力な粘度を
維持していれば、インフルエンザウイルス粒子は片っ端からトラップされ(捕まって)、
細胞膜まで辿り着けず、感染が成立しません。 唾液に強力な
RNA分解酵素が分泌されていれば、RNAウイルスであるインフルエンザの
遺伝子は、たちどころにバラバラにされてしまいます。
一人ひとりを個別に見るなら、免疫、それも自然免疫が強い人は、
たとえ全く初めて遭遇する病原体であっても、感染に抵抗する力が強いのです。
かといって、暴飲暴食により体力が落ち、喉の粘膜が
痛んでいるところへ、至近距離から感染患者のくしゃみを浴び、大量のウイルスを
一度に叩き込まれると、どんなに普段、元気な人でも感染する確率は上がります。
一方、ワクチンというものも相当、誤解されています。
ワクチンとは本来、ウイルスに感染すると、
他のウイルスの感染は干渉を受ける、
妨害されるという現象を利用するものです。
本当に、ウイルスに感染し、ウイルスが体の中に
「無事」存在し続けないと
十分な感染防止効果はないのです。
(どんなことにも例外はありますが)
獲得免疫システムは脊椎動物固有のものですが、
同様のシステムを持たない植物であっても、
生ワクチンなら有効です。
メロンの苗木に TMV: タバコモザイクウイルスの
毒性を弱めたウイルスを感染させておくと、そのウイルスが
存在し続ける限り、他の毒性の強い類似ウイルスの感染を
防ぎ、綺麗なネット状のメロンが出来上がるのです。
もちろん植物には抗体などありません。
ワクチン効果を上げるのに、抗体は必要ないのです。
一方、感染力を失わせたウイルスやウイルスの断片、
ペプチドなどを植物にかけても何の効果もありません。
ウイルス感染の干渉現象はよく知られていることです。
三種混合ワクチンや四種混合ワクチンの根拠の一つに
もなっております。 ある種の生ワクチンを接種すると、
次の日であっても、もう他の種類のウイルスを排除して
しまいますので、生ワクチンが効かないのです。
そこで複数の生ワクチンを日にちをずらすことなく、
同時に打つことで干渉作用を防止するのです。
血液中の中和抗体を測定するのは、あくまで体内のウイルスが
「無事」存在していることを確認するのが目的です。
抗体がウイルスを排除するのではありません。
抗体価が高い → ウイルスは無事 → 類似ウイルスには感染し難い
こういう意味なのです。
長い時間がたつと、真意が失われ
「ワクチンは抗体価を高めるものだ」という
判断基準が一人歩きを始めます。
するとウイルスの感染力をホルマリンで潰した
不活化ワクチンであっても、一時的に抗体価を
高める作用がありますから(すぐに下がります)、
ワクチンとして有効と判定するようになってしまいました。
ワクチンは、抗体価を高めるのが目的ではなく、
感染を防止するのが目的のはずです。
ワクチンで実際に感染防止効果が確認されているものは、
殆どが、生ワクチン、本物のウイルスを注射して感染を起こして
しまうタイプのものです。
不活化ワクチンには、感染防止効果はありません。
前回のブログでは、インフルエンザのニワトリ用不活化ワクチンは、
感染防止効果がないことが証明され、
挙句、流行が発生しているのはワクチンを接種している地域であり、
ワクチンを接種していない地域は、大量発生を防止できていることを
書かせていただきました。
ところが、「ワクチンは何でも効く」と思っている人が多いのです。
インフルエンザのワクチン打ってもインフルエンザに感染する人は
沢山いらっしゃいます。 「流行型が合わなかったからだ」という
理由で片付けてしまいます。 流行型には関係ないワクチンも
開発されているんですが。
お医者さんでもワクチンはどんなものでも効く、
そう思ってる人が多いのです。
ワクチンの歴史を紐解けば、それが全く根拠のない
誤解であることがわります。
人類が撲滅に成功したウイルス病は只一、
天然痘だけです。 あとは全部失敗しています。
エイズワクチンは、ウイルス「発見」以来、常に
開発努力が継続されていますが全く目処が立ちません。
型が変わるからではなく、全く、誰にも効果がでないのです。
沢山ウイルス病がある中で、ワクチンに防止効果がある
とされているのは、ほんの数例に過ぎないのです。
46年間、全く効果のなかったインフルエンザワクチンを
児童に集団接種してきた 「とても不思議な国」 日本。
流石に世界中から不思議がられ、もうやらなくなりましたが、
効果がなくても46年、小さな子供全員に打ち続けたのです。
そして、「がん治療」にワクチンを用いる、という、、、、
科学的には相当、無理のあることを考え出すわけです。
もちろん、何事も、不可能とやる前から決め付けるのは
よくないのですが、それにしても、かなり無理があります。
ウイルスのように、明確にヒトと異なる免疫シグナルをもつ相手でさえも
生ワクチン以外は、なかなか感染防止効果が上がらないのです。
ウイルスまるごとホルマリン処理した不活化ワクチンでも感染防止効果は
ないのに、ましてや、ペプチドワクチン、つまりウイルス粒子の一部の蛋白質
の分解物を注射するタイプは全く効果がありません。
また、ワクチンは感染する前に打つものです。
感染後は、体の中はウイルスだらけなのですから、
今更、ワクチンを打つ意味はありません。
正常細胞と殆ど変わらない、基本的に同じ物質で構成されるがん細胞を
叩くのに、ペプチドワクチンを用いる、、、 体の中にがん細胞が沢山いるから
困っているのですね。 体中、がん抗原だらけなのに、そこへワクチン打って
どうするんでしょうか。 ウイルスでさえワクチンで感染を防ぐのは大変で、
そのワクチンをがんが発生してから打つ、これはかなりハードルの
高い壁にぶつかっていく話です。
正常細胞と同じ物質でできているがん細胞を叩くには、
特定物質のあるなしに捉われず、細胞の「顔の違い」を
瞬時に見抜く自然免疫でなければ、無理があります。
今回、初めてこのブログを読まれた方は、お手数ですが、
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いただき、このテーマの四回前まで戻っていただくと、
「免疫細胞療法の大原則」があります。
ANK療法に関連して比較的多く寄せられるご質問を
想定した「まとめ」的な内容ですので、是非、お読みください。
最近、やたらワクチンの話が多いので、少し整理をさせていただきました。
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