このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。
TOP > 自然免疫(4) 免疫と消化の境界
2008.11.5. ここまでで、免疫の話なのか、消化の話なのかよく分からないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。学校では、三大栄養素、つまり蛋白質、炭水化物、脂肪を、各々、アミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸+グリセリンに分解するのが消化である、と教えています。 で、指先でウィルスのDNAやRNAを分解する核酸分解酵素は、免疫の働き、と捉えられるのですが、実際には、核酸分解酵素は、消化の働きも担っています。 物事を分類すると整理され、理解し易くなるのですが、現実の自然は複雑であり、そう明確に線引きできるものではありません。 外部からの異物を、細かくバラバラに分解し、自分の体の構成成分と同じにしてしまう、これは消化そのものの働きであり、同時に、免疫の第一線で働く自然免疫の基本的な働きでもあるのです。エイズウィルスも酵素でバラバラにしてしまえば、ただの栄養です。 そしてバラバラに分解する、という働きは、指先や消化管のみならず、血液の中でも、リンパ管の中でも、組織中でも、あらゆるところで行われているのです。 異物が何物かを認識して攻撃する、とか、異物の性質を分析し、異物に特異的に反応する、というのは、免疫としては特殊な部類に入るのであって、まず基本は相手が何物であろうが関係なく、とりあえずバラバラに分解して餌にしてしまう、これが免疫の基本機能です。 全身、常に、分解酵素が働いていますので、むしろ、自分の体をバラバラにしてしまわない工夫がされています。また、病原性ウィルスは、巧みに、免疫系に自分を守らせる仕組みをもっているのです。