藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2018年08月06日

  

えとせとら, がん

8月6日を迎えまずは心より黙とうをささげます。

 

ATL(成人T細胞白血病)と診断された患者さんが医師から余命3ケ月と告げられ仕事もやめられ残された財産をすべて整理し、その時を待つことにされたところ、それから何年も無事に過ごされ、今度は生活が成り立たない、いったいどういうことか、と騒ぎになっています。

 

ATLはHTLV-1型ウイルスに感染した人のごく一部が発症する非常に珍しい原因が特定されている唯一のがんですが(パピローマウイルスは子宮頸がんの原因とは確定できません)、NPO法人ススマイルリボン(旧称:日本からHTLVウイルスをなくす会)菅付 加代子さんは、患者さんも医師の言うことを鵜呑みにするのではなく自分で考える力をつけていかないとという趣旨のコメントをされたと報道されています。(ご本人には確認していません、おっしゃりそうなことだとは思いますが) 

 

ATLではないのにATLと診断されたら誤診ですが、ATLであれば余命3ケ月と言われたとしても何せaggressive ATLの場合、平均余命が13ケ月ですからそれほどありえないという印象はありません。

 

余命とは何か。

 

たとえば100人のXというがんでステージIV後期の患者さんが残念なことに次々と亡くなられて50番目の方が1年8ケ月だった場合、中央値として余命1年8ケ月ということになります。 51番目の方以降全員が10年以上ご生存の場合は中央値は使いませんが、ごく一部が10年以上ご存命の場合は平均値を出すのは現実的ではなく、中央値の方が使いやすくなります。

 

100人の内97人が1ケ月で亡くなられても、あとの3人が100ケ月ご存命だと平均は4ケ月となり、しかもご存命の間は平均余命を伸ばし続けます。こういうことが実際に起こりますので中央値を使うケースが多いのです。

 

つまり余命3ケ月と言われて10年無事という可能性もゼロではないということです。

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