藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > 米国基礎研究事情(5) 権威あるメッセンジャーの作り方

2009年03月21日

  

えとせとら

2009.3.21.
 
 
基礎研究の流れを決めるにしろ、
エイズのような疾病対策にしろ、
米国では、特定個人をタレントとし、
その人物の発言を通して、
世界へメッセージを浸透させます。
これは米国に限ったことではありませんが、
米国では特に徹底した演出が行われます。
 
モデルとして、映画「ディープインパクト」を例にとりましょう。
 
ハリウッド映画には、繰り返し持ち出される定番のテーゼが
あります。人類滅亡物は、これでもか、と、ひつこくネタを変え、
設定を変えて、繰り返し登場します。 彗星が衝突して人類が
滅亡する?!  また、2012年12月22日に人類が滅亡する、
という日付指定物も、数多くつくられます。 映画よりTV番組として
ロングセラーとなった「X ファイル」も、主人公FBI捜査官モルダーが、
ある一つの事実を知るために命を懸け、最後に事実を知って
夢も希望もない状況で終わる、というのがストーリーの骨なのですが、
骨以外に大量に贅肉がついており、何を言いたいのか、一回や二回、
ビデオを見ても全体像が分からない作りになっています。
Xファイルでは、工場で量産されたウィルスを使って、全人類の
遺伝子改造を実行する日、それをモルダーが知って、終わる、のです。
 
ディープインパクトでは、TV局の新人女性ニュースレポーターが
主人公に仕立てられます。 
米国政府高官が辞任した背景を調査し、
「エディーの関係で辞任した、、、」 
という特ダネの糸口を掴むのですが、
エディー、って、女性の名前でスキャンダルか何か、
ぐらいの認識しかないのです。 
ところが、突然、黒塗りの護送車に囲まれ、身柄を拘束されます。
そこに現われたのは、合衆国大統領本人です。 
黒人大統領なのですが、人類の危機に際し、
黒人大統領が選任される、というのも定番ストーリー設定です。
 
大統領直々に、今、エディーの報道をしないでくれ、
パニックになるかもしれない、近く公式に事実を発表するので、
プレスリリースの質疑応答では、君を真っ先に指名するから、
それを見返りに、今は、事実を伏せてくれ。
 
エディとは、エクスティンギッシュメント・レベル・イベント、絶滅レベルの事象
の略で、主人公がHP検索したら、彗星の衝突で恐竜が絶滅した絵が
出てくる場面が描かれています。 ちなみに、この女優さん、映画「ジュラシック
パーク3」で、恐竜島に乗り込む無謀で無知なお姉さん役を演じてます。
 
大統領のご指名をいの一番に受けたことで、所属TV局の評判もあがり、
でかした、ということで、エディー事件のメーンキャスターに大抜擢されます。
 
「情報」は、全て、彼女から、全世界に発信されます。
 
彗星の実態、核爆弾を搭載した宇宙船を彗星に送り込み、爆破する
メシア計画、彗星が衝突してしまうと、地上で生き残る人は一人もいないという
冷酷な事実、ごく一部の「選ばれし者」だけが、地下シェルターで生き残る、
無抽選で選ばれる人、抽選対象となる人、最初から抽選に選ばれない老人や
病気の人、聖書の世界観を、「連中」がどう捉えているのか、如実に物語る
「ハリウッド定番」のオンパレードです。 
 
自爆攻撃により、彗星は大きく二つに分かれ、大きな塊は衝突軌道をはずれ、
最悪の事態は回避されます。 それでも十分ディープなインパクトを与える
小さい方の破片が地球へ向かってきます。 この時点では、もう全人類に
とって、女性キャスターは、有名とか、ファンとか、人気があるという次元を超えた、
特別な存在として、昇華しています。 この人の言うことが、「真実」なのです。
実際、「この人の言う通りに」、空から、彗星の塊が真っ赤に燃えて降ってきたのです。
 
ところが、シェルターへ向かう最後の脱出ヘリから突然、飛び降りた女性キャスター。
同僚に「最後の座席」を譲り、自らは車をぶっ飛ばし、海岸へ向かいます。
 
母を捨てた父親との関係を断絶していた彼女は、
ディープインパクト衝突直前、父親との最後の思い出の地、
海岸にある古い家へと車を飛ばします。
そこには、自分の元を去った娘との最後の思い出の場所を訪ね、
最期の時を迎えようとする父がいました。
彗星衝突の衝撃波は、圧倒的な破壊力となって世界を
駆け巡り、続いて、数百メートルの高波が押し寄せます。
人生の最後の瞬間、再開した父娘は、ただ、抱き合い、
一瞬後に、ディープインパクトの衝撃が父子を消し去ります。
 
主人公は、ただ、寂しかったのです。
父との冷たい関係から、ただ寂しく、
仕事に埋没するしかありません。
ところが、寂しい心から、新しい中かが創造されることはなく、
特ダネをスクープするしかありません。 心の中が空虚で、
必死に自分の役割を求める傷ついた命。
これこそ、スターに祭り上げ、とことん役を演じさせる
格好の標的となります。
過去、自分が満たされなかった世界が終わる時、
空虚な心を埋めようとして、愛を求め、
与えられた役割を降りたのです。
役を降りれば、容赦なく大波に呑まれ、
存在を消されます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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