このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。
TOP > 亡国のTPP
2013.3.23.
TPPというと、関税についての話題が多く取り上げられますが
TPPの主題は、国境を越えた投資効率の追求にあります。
つまり、日本企業が日本国内で製品をつくり
米国企業が米国内で製品をつくり、お互いが
相手国へ製品を輸出する、、、、 だけなら関税撤廃、
自由貿易促進、という方向の議論となります。
TPPには、「聖域なき関税撤廃」も含まれていますが
それよりも、相手国へ投資した投資家が、投資収益を
拡大するのに阻害要因となるものを排除することが
主眼となっています。
米国資本は、何も米国内だけで製品を製造して日本へ輸出するだけではなく
日本企業を買収、もしくは直接、日本に事業法人を設立する、
また、製造業だけではなく、金融業や電力などのインフラ事業、
医療事業など、あらゆるビジネス機会をうかがい、またすでに
実行してきています。
ところが、どこの国でも、規制だらけです。
たとえば、現時点では、米国資本が、日本国内各地に、
巨大医療モールをつくろうとしても、そもそも、日本では
企業が医療行為を行うことは、原則禁止です。
TPPは、こういう各国の規制排除を目的としています。
株式会社による医療行為を日本政府にも認めさせる、
医師の国際ライセンスを簡便に取得できるようにし
海外から、人件費の安い医師を大量に日本に送り込む、
自由診療の拡大に邪魔となる混合診療規制を撤廃させる、
などなど、米国資本が、自在に日本で医療事業を展開できるよう
邪魔な規制はかたっぱしから排除させ、さらには、政府間交渉で
合意しなくても、米国企業が、「この制度は俺たちが儲けるのに
邪魔になってる」と判断した場合は、日本国政府を訴訟し、
米国の影響下にある国際法廷で裁く、という毒薬条項がついています。
米国政府高官が、TPP交渉にあたり、日本の国民皆保険の解体までは
求めていない、と発言していますが、このような発言に意味はありません。
TPPに参加すれば、米国の保険会社が国民皆保険は、民間医療保険の
自由な競争による発展を阻害している、と判断すれば、訴訟を起こし
廃止に追い込むことも、仕組み上は可能です。
ほかにも、「企業による自由なクビきり」という要求があります。
現行法でも、従業員の解雇はできるわけですが、米国の投資家は
法律によって、明文化された、「完全に自由な解雇」を要求します。
日本では、従業員を解雇しても、実際には、解雇した企業が不当解雇で
訴えられるようなことは、そう滅多におこりませんよ、という話は通じません。
はっきりと、法律の条文で、「企業は、何ら制約を受けることなく、
自由に、任意の時期に、すきなだけ従業員を解雇でき、その責を
問われることは一切ない」と、解釈の余地なく、やりたい放題やれることを
要求します。
TPPというのは、突然、降ってわいたものではなく、従来から一貫して行われてきた
米国資本の投資収益の拡大のため、世界各国に、米国流のルールを押し付ける
活動の一つの表れとして、でてきたものです。