藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2012年04月08日

  

えとせとら

(5年前に一度公開したページがなぜか下書きファイルに落ちていました。相当ふるいもので、長いシリーズものですが、再度公開します。)

 

2012.4.8.

現存する農耕システムの中で
世界でもっとも古いものは
イモ類を中心とする焼畑農法
という説があります。

これは雨量が多く、
山焼きをやっても、
しばらく休耕していると
直ちに元の森に戻ることを
前提に成り立つ農法です。

同じものを続けて栽培する
連作を行うと、土地がやせるため
何年か栽培植物の収穫を続けると
やがて、その「畑」は放置すべきときが
きます。

ちなみに、連作障害がほぼでないとされるのは
日本の水田か、最近の水気耕栽培くらいと
いわれています。

自然の恵みとか、有機ナントカ、とか
大自然そのままがいいんだ、という声は
よく耳にしますが、農薬漬けではない、
という意味ならわかります。
ただし、農業というのは、そもそも自然環境を
人間の都合に合わせて改造するものであり
また、栽培植物そのものが、自然のものに
人工的な加工を加えたものです。

人間だけが、自分の都合で、同じ土地に
大量の同種類の栽培植物を植え、収穫を続ける
ということは自然の摂理からいえば、
難しいわけです。

さて、イモ類は、古くから栽培植物化されたものですが
野生のイモ、といっても、野生の原種は、イモにはならないのです。
やはり、人間の食糧になってもらうべく、徹底して太らせた
ものなのです。 学校では、「根」ではなく、「地下茎」なんだ、
と教えられた記憶がありますが、ともかく、一部に大量の栄養物を
たくわえ、ぶくぶく膨れたイモになるよう、あくなき改造を
加え続けた結果、今日、世界各地でイモのクローン株が栽培
されているのです。

このイモ、ただで人間に食われるのを快しとはしないようです。

イモには、一般に毒があります。
それも青酸性の猛毒です。
植物は、人間の神経を狂わせるもの
免疫系やホルモン系に異常を来す物質などを
大量に分泌し、ただではやられないように
自らを守っています。
青酸毒は最たるもののひとつで
食べたら直ちにコロリです。

そこで人類は、水に晒して毒抜きをしてから
食するように工夫をしてきました。

ジャガイモも、芽をふくと青酸毒をもつので
一般に、流通前にガンマ線照射を浴びせています。

つまり、私たちの食卓にイモ料理が並ぶまでを考えてみると。
そもそも、イモは、植物にとっては、栄養分を
大量に吸い取ってしまい、際限なく増殖し、大きな
塊になってしまう悪性腫瘍であり、(実際、イモは
腫瘍の一種です)、さらに、ガンマ線照射という
放射線療法を受けたもの、ということになります。

ちなみに、南米は、トウモロコシ、トマト、カボチャを
中心に組み合わせる独自の農法が普及してきました。
イタリア料理といてば、今日ではトマトが多く使われますが
14世紀までは、イタリアにトマトは存在しませんでした。
イタリア系のコロンブスが持ち帰るまで、ヨーロッパに
トマトはなかったのです。
そして、トウモロコシもまた、野生の原種はほとんど
食べられるところがない、硬い種がチョロチョロとついた
ものを、とことん、改造して、今日のような柔らかく
栄養満点の栽培植物へと変化させたものです。

 

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