このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。
TOP > 電力事業分割案
2011.5.5.
風力発電普及のネックは
日本の場合、適地のほとんどが
風光明媚な国立公園内にあること、
現状では、発電コストが、kw当り15円以上が
相場で、目いっぱいコスト削減をしても
10円を切るのは難しい、という問題もあります。
電力の質も問題です。
もっとも、現状では、電力会社が買い取って
くれないことには、「一般小売」することが
認められていませんので、電力会社が
「買う」と言わないと、普及のしようがありません。
どんなビジネスでも、世の中に広く普及していくためには
何よりも「売る」能力が問われます。
リンパ球バンクの培養技術は、自分たちで主張しても
説得力はありませんが、どう逆立ちして見ても
他とは比べものにならないほど、優れたものです。
ですが、「売る」能力が高くないと、普及はしません。
責任を強く感じております。
電力事業の場合、変電・送電網を
管理し、安定な質と量の電力を供給できないと
ただ「売る」ということはできません。
その出口のインフラを独占している電力会社が
発電も自ら行っているため、他の発電事業者は
圧倒的に立場が不利になります。
電力販売独占企業が、自分でも電力を「つくり」
他の事業体が、電力をつくってきても、当然、
自分でつくる電力を優先して売ることになります。
こうした「構造」の中で、原子力優先の政策に従い
原発が普及していきます。 市場原理が働き、
経済原則が優先されるならば、火力発電のシェアが
もっと高かったはずですが、「炭酸ガス」問題を
錦の御旗として、原子力発電が推進されます。
原子力普及の原動力は、コストではなく、皮肉にも
「環境問題」に関する政策判断です。
ここへきて、電力事業分割案の具体論が活発に
議論されています。 東電を国有化するなり
解体するなり、何らかのメスを入れるにしても
東電だけの再編で済むものではないでしょう。
分割案の中に、「発電事業」と「送電事業」の
分割、というものがあります。
送電事業は、大都市であっても、僻地であっても
等しく、電力を供給するという「公共性」が強く
送電コストと売電収益のバランスが合わない前提で
一律サービスを提供するには、やはり、独占性を
認める仕組みの方が現実的でしょう。
一方、発電については、送電よりもはるかに参入が
容易です。 特に、大量の化石燃料を燃焼させる
鉄鋼業をはじめとする鉱物・金属などの加工業や、
大規模なボイラーを使用する大工場であれば、
自前の熱源が余っているわけです。
90年代、大規模自家発電を普及させる
ブームがあったのですが、炭酸ガス問題を
バックに、原子力発電が重視され、政策的に
工場自家発電の余剰電力の買い取りが進まず、
やがて、ブームは下火になりました。
送電事業は公共性重視で独占事業とし、
発電事業は、送電事業者には認めず、
市場原理を導入しやすくして、自由な
参入を促す、そういう考え方は、「あり」でしょう。
ちなみに、米国では、送電事業も自由化したため、
電力の「質」が不安定となり、大混乱が発生しました。
「戦国化」した米国電力ビジネスの
中で、エネルギーベンチャー「エンロン」が台頭し、
最後は、不正経理事件発覚により破綻しましたが、
今日は、この辺りまでとさせていただきます。