藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2011年03月16日

  

えとせとら

2011.3.16.

もちろん、このブログに書いたからではないでしょうが、
やっと、放射線レベルの実測値を公表するように
なってきました。とにかく、ありのままを知らせてほしい
ものです。 

米軍は大気中のセシウム、キセノン、
沃素などの同位元素を随時計測する専用機を保有し
沖縄をベースに朝鮮半島周辺空域をモニタリングして
います。原子炉には指紋のようなものがあって、
ウランやプルトニウムといった主燃料の他に混じってくる
微小成分のバランスが異なります。 
どの炉に由来するかまで識別できるようになっています。
なので、当然、今回は、地震直後に、真っ先きって東北各地の
上空を調べたでしょう。 報道では空母から飛ばしたヘリ
の搭乗員が被曝しているのを確認したとしていますが
湾岸戦争やイラク侵攻の時も、大気中の放射能は
常にリアルタイムで計測していましたから、今回も
早々に、「漏れ」を検出していたでしょう。

かつて、動力炉核燃料炉開発事業団、いわゆる動燃の
プロジェクト「高速増殖炉 もんじゅ」計画の一部として
建設予定地の調査の仕事をしておりました。
建設前のことですからずいぶんと古い話です。
その時、関西電力美浜原電3号機、4号機のすぐ前の
民宿を定宿にしていた関係で、たまに、美浜原電の中まで
入らせていただきましたし、大飯の原電も3号機と4号機の
建設サイトの調査のため、(1号機と2号機は動いていました)
発電所内に出入りしていました。
生まれて最初に作った会社の仕事でした。
若狭湾は、日本原電敦賀1号、2号、大飯に4機、美浜に4機
あと、行ったことがないのですが高浜にも何基かあって、
プルトニウム燃焼実証炉である普賢(今は動いてないはずですが)
それともんじゅ、稼働が13基くらい、プラス実験用で休止中の2基と、
ずいぶん、密集しています。

秘密保持契約というのがあって、あまり下手なことは書けないのですが
ポンプや発電機なんか、何で、もっと強力なのを
運びこまないのか、というご質問をいただいております。

あれ、相当、強力なんです。

例えば、地図で実感いただくしかないですが、
敦賀湾は、まあ、見渡す限りの「広大な」湾です。
美浜原電は冷却水に敦賀湾の海水を使っているのですが
一日に2回、湾全体の海水が入れ替わる量を使っています。
それは凄い量です。 取水路を爆走する水流は
すさまじいものです。 ちょっとその辺のポンプを
もっていったところで、どうなるものでもないのです。
もちろん、二次冷却水、発電に使った蒸気を冷却
するのに大量の水が使われるのであって、発電を
止めている状態で必要な水はずっと少なくなりますが、
何せ、原発はスケールが大きく、ポンプ、パイプ、
変圧器、どれもこれも特別仕様で、巨大で、プラットフォームに
組み込まれています。 そう簡単にいじれるものではありません。

なお、TVで「運転していない」とか、「止まっている」
というのは、発電をしていない
発電タービンを回していない、という意味であって、
燃料棒の「火」が完全に消えているのではありません。
ウランは絶えず、放射線を出しています。
その放射線によって、他のウラン原子の核分裂を
誘発する連鎖反応がどれだけ起こるかによって
核爆発、発電、発電休止、と発熱量の段階が変わる
わけですが、発電を止めている状態でも、まだまだ
核反応は続いています。 で、燃料を包む棒状の容器が溶け
下に落ちて圧力容器に穴をあけ、さらに、燃料が大量に
一塊になると、大爆発(核爆発ではありません、化学爆発です)
を起こす、という最悪の事態になります。

今回は、電力、ポンプといったユーティリティーサイトが
津波で木端微塵に吹っ飛んだのですから、最初から
「おおごと!!!」になることは分かっていたわけです。

でも4号機に消防車で水をかけるんなら、護衛艦の放水の方が
ましでしょうねえ。 流石に戦闘艦は、「燃える」とか、あと
「核兵器の使用」を想定していますので、強力な放水能力を
もっています。 実際に放水訓練中の艦に乗艦したことも
ありますが、それは物凄いパワーです。当然、電子戦用の
発電機も、数字は忘れましたが、ちょっとした地方都市一つ
まかなうくらいの発電力はもっています。バッテリーだったら
潜水艦はバッテリーの塊です。今、出張中で手元にスペックが
ないのですが、多目的飛行艇US1とUS2の中には、消防用の
巨大給水ポンプとタンクを備え、着水して数十秒で数トンの
海水をくみ上げ、空から撒いたら、また着水して水汲み、
そういうのがあります。消防車やヘリで水まくんなら、
あれ使えばいいのに。 

今、言ってもしょうがないのですが、ユーティリティーは
専用船を2~3隻つくって、同時に津波がこない港に
待機させておく、ということですね。 電力やポンプは
どんな時でも使い手がありますし、もちろん、電源ケーブルや
延長ホースも半端でなく巨大なものとなり、敷設するロボットも
必要になります。 発電所は原子力なら冷却水の確保、
火力なら燃料の海上輸送の関係で、
大半が臨海地にあります。とりあえず、今、どうするか、
というと、せめて強力な戦闘艦の発電機の電力を使う
それくらいのことは検討してもいいのではないでしょうか。

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