このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。
TOP > 先進医療制度の誤解(2)
2011.2.17.
先進医療制度のブログにいくつか
ご質問をいただきました。
(1) 先進医療制度適用になると保険が使えるのでは?
保険といった場合、健康保険と勘違いして言ってる方も
いますが、そういう意味では、NO です。
先進医療制度適用というのは、「自由診療」であるということです。
先進医療特約などの民間保険が使える、ということなら YES です。
ただ、お一方、先進医療特約をつけても、保険料がほとんどアップ
しない、せいぜい月に100円玉一個か半個、ということは
つまり「実際にはほとんど使えない」というのはよくわかる、
とコメントをいただきました。
そうなんです。
適用条件が狭いので、ほとんどの患者さんが
適用外になってしまい、しかも、あれをやってはだめ、
これをやってはだめ、データを取るのが目的なんですから
いろんな治療を自由に組み合わせるのは認められないのです。
(2) 先進医療制度適用になると健康保険適用に近づくのですね
まったく、関係ありません。 先進医療制度はあくまで
自由診療を対象としています。
健康保険の適用をうけるには、健康保険の適用を
別途、申請する必要があります。 ところが、リンパ球バンクは
株式会社ですから、医師法に基き実施される
免疫細胞療法について、健康保険適用を申請する
ことが認められません。 どうやっても、現状、
会社としては、直接できることは何もありません。
(3) 先進医療制度と混合診療が関係あるのですか?
混合診療の適用除外を受ける特権のことを
先進医療というのです。 先進かどうかは関係なく、
こういう「データを取りたい」ので、データ取得のための
検査などを保険診療でやってもいいですね、
という制度なのです。
つまり、混合診療などという国民の権利を一方的に
制限する無茶苦茶なものが存在しなければ、そもそも
先進医療制度は必要なかったのです。
(4) 重粒子線療法にとって先進医療制度のデメリットって?
重粒子線療法の場合、先進医療制度適用の条件が緩いので
多くの患者さんが、この制度を使って治療を受けることができ、
重粒子線そのものは自由診療ですが、他の保険診療を
いっしょに受けることも可能で、民間保険の先進医療特約も
使えます。 先進医療制度のメリットをもっとも実感できるのが、
重粒子線療法です。
問題は、手術優先とか、いくつか制約条件がついていることです。
小さな腫瘍とか、手術可能な場合は、やってはだめなのです。
先進医療制度適用外だったら、医師法にのっとり、医師の判断で
もっと小さな腫瘍を消し去ることも可能なのですが、先進医療制度
適用になると、適用条件以外の治療を勝手にやってはいけなく
なるのです。 こういう余計な制約がなければ、先進医療制度も
もっとまともになるのですが。
とにかく、こんな紛らわしい名前をつけたために、国民が
過度に期待し、素晴らしい制度だと思ってしまうのです。
実態は、なにこれ? 普通は使えない、そういう代物なのです。
でも、使えることがあるから、全否定はできないという
とにかく、やっかいなものなのです。