2010.3.11.
読者の方から
地球の核を勝手に
いじったのは誰なのか、と
お問い合わせがありました。
話は重粒子線から始まります。
日本では、がん治療に用います。
それは日本独自のもので
米国では陽子線を使います。
がん治療には重粒子線の方が
適していますが、欧米では重粒子線は
「重粒子線砲」を意味します。
かなりコアな軍事技術ですので
民間で、がん治療に使うのは
憚られるのです。
人の命を助ける用途より
人の命を奪う用途が優先されるという
悲しい現実があるのです。
「陽子線砲」は使い物にならないので
民間で勝手に使ってもいいのです。
映画「スターウォーズ」では、帝国軍の
宇宙駆逐艦を撃破するのに使われていますが、
実際には、陽子の粒子同士が電気的に反発し合い、
粒子が拡散し過ぎるので兵器にはなりません。
米ソ冷戦、はなやかなりし頃、両陣営は
宇宙開発に凌ぎを削りました。
旧ソ連は、地上から、二種類のビーム砲を発射し、
各々、米国の偵察衛星に損害を与えます。
そのうちの一種類は、重粒子線砲でした。
日本では、荷電粒子線砲と呼びます。
こちらの方が、競合相手のビーム砲より威力が大きく
偵察衛星は完全に無力化されました。
これはたまらん、と、敵の偵察衛星を攻撃する
多数の攻撃衛星をばら撒くため、米軍は
宇宙兵器「スペースシャトル」を実戦投入します。
人が乗っているので、「なんでもあり」です。
敵の衛星を分捕ることも可能です。
一部飛行プログラムは民間にも開放されましたが
基本的に、スペースシャトルは「兵器」であり、
ミッションの大半が軍用です。
米国は次々とスターウォーズ計画を予算化、
実行していきます。 (映画の真似をしたのではありません。
映画が、真似をしたのです)
カーター政権時代、モロ兵器なんです、と言わずに
同政権の看板政策の一つ「エコ」を前面に押し出し、
太陽エネルギー利用計画を推進します。
静止衛星軌道上に、巨大な太陽電池を並べるのです。
数字は忘れましたが、後楽園球場何個分とか、そういうケチな
ものではなかったです。 米国の州に匹敵する? だったか、
とにかく、「ありえへん!」大きさでした。 それを、ドカドカ
何十個も並べよう、というのです。
NASAのおっさんに、聞いてみました。
そんなの、どうやって資材を運ぶわけ?
簡単だよ、月から運べば。
という答えでした。
地球には殆ど存在しないヘリウム3という核エネルギーも
沢山あるし、全く、無理な話ではない、と。
太陽電池や風力発電などの代替エネルギーは、
使い勝手がいい場合もありますが、人類が消耗する
エネルギーの総量からみれば、あんなものをいくら使っても
焼け石に水である、と言われます。
ところが、太平洋の海水を丸ごとかけたら
焼け石どころか、火山の一つや二つ、
消せるだろう、というのが米国の発想です。
この、ありへん「エコ」な計画の一環として、
様々な実験が行われました。
もちろん、宇宙で発電したところで、
地球にエネルギーをもってこなければ意味がありません。
そこで、マイクロウェーブにして伝送しようとしたわけです。
地上につくられた巨大なマグネトロン(マイクロウェーブ発生装置)から
照射実験を行う、ということもやられたわけです。
しかし。
この計画の目論見は、素人でも見破れます。
地球全体でも、どこか一部だけでも
好きなところを電子レンジ化できるのですから、
どう考えても、「兵器」です。
各国は、猛然と反発します。
映画007シリーズで、北朝鮮のスパイと対決するのがありましたが、
あの中に、小型版のものが登場しています。
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