藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2010年02月06日

  

えとせとら

2010.2.6.

PETといっても、がんの検査に使う
ポジトロン・エミッション・トモグラフ ではなく、
ペットボトルのお話です。

PETボトルの回収箱は、どこでもよく見かけます。
なんで、PETだけ特別なんでしょう?

ことの発端は、埋め立て地でのトラブルという
ことになっています。

生分解性プラスチックもそうなのですが、
中途半端に分解されるものは、一番、やっかいなのです。

すぐに分解されるものは、使えません。
お水を入れて、コンビ二に並べている間に、
分解されては、使い物になりません。
ある程度、安定、つまり自然界に違和するもの、
でなければなりません。

PETは、中途半端に長持ちして、じゃ、大丈夫なのかと
思いきや、ゴミとして埋め立てると、忘れた頃に分解され、
地盤沈下を起こしたり、ガスが発生して、爆発や発火の危険が
あると、されたのです。

じゃ、使うのやめよう、とはならないのですね。
回収しよう、となったのです。
回収してどうするんだ、何に使うのか、ということが
当然、問題となります。 だって、燃やせばしまい、ですから。
PETは、可燃ゴミへ、それで済む話ですよね。

ワザワザ、手間とコストをかけ、輸送や洗浄にエネルギーや
水を使用し、環境負荷をかけてまで、何故、こんなものを
回収するのか。 

世界の廃PETは中国へ集まります。
もう、何百万トンという、凄い量です。
そこで、洗浄・再生されるのですが、
その過程で、PET分子の長い長い鎖が一部、切れてしまい
分子量の小さい、粘度が弱くなったものになります。
こうなると単価は下がるんですが、衣料用に使うのには
丁度いいのです。
PETボトルみたいな、ゴワゴワした樹脂で、フリースを
つくっても売れませんよね。
技術者は、日本から大量に移住してもらいました。
日本にいても、繊維の仕事はなくなる一方なんで、
第二の人生を中国で、と、仕掛けたわけです。
こうして作られたのが、ユニクロビジネスです。

どんな服をデザインして、どうプロモーションするか、
それは、ファーストリテイリング社のマネジメントの仕事です。
ところが、ベンチャーで、大量仕入れ、生産管理、在庫負担、
そんなことができるわけありません。
基本的な仕掛けは、私が昔、働いていた会社が、
段取りをつけたのです。

PETの原料、テレフタル酸は、儲かります。
これで食ってるという某大手化学メーカーがいます。
当然、バージンのPETの需要を掘り起こしたい。
大票田は、ビールです。これをPET化すれば、
水なんかより、何倍も市場が膨らみます。
キャップは、ビール用の特殊なものが開発されています。
ビールのPET容器化を認めろというなら、
ちゃんとPETのリサイクル体制を取れ、
そういう、「ご指導」があったわけです。

PETの高級グレードというと磁気カードだったのですが、
この需要はICカードによって去りました。
もちろん、仕掛けている会社は、全部、同じ一社です。

PETボトル需要を掘り起こし、
それをリサイクルして、低級グレードの
衣料用繊維にしてしまう、これが、
一番、美しい、と考えたのですね。

PETボトルは、ブロー成型という方法で
つくるのですが、金型の隅々まで、「ブロー」された
つまり、吹き込まれた樹脂が、万遍なく入り込み、
固まったあとは、十分な強度をもつ必要があります。
どうしても、ある程度以上の粘度が必要なのですが、
PET樹脂は、高温にして処理すると、僅かの水と
触れるだけで、すぐに分解し、分子が小さくなり、
粘度が下がります。 だから、衣料用の低グレードに
するしかない、と、こういう話をつくったわけです。

ところが、あるベンチャー企業が現れ、
いとも簡単に、高級廃PETを、再生し、
高級PETに戻してみせました。
コストも従来法より安いのです。
技術的には、簡単な話ですが、
ま、省略します。

こういうことが、明らかになると、
じゃ、PETボトルだって、
再生すればいいじゃん、となります。
バージンPETが売れなくなります。
いやあ、凄まじかったですね、もう、
その殴り合いというか、何というか、、、、

ベンチャー企業 vs 大企業の既得権益

リンパ球バンクも同じ状況にいます。

もっとも、がんの標準治療の限界が
どんどん明らかになっているので、
戦わなくても、相手が、自壊しています。

さて、PETというのは、
ポリエチルテレフタル酸エステルの略です。

これを、略すとき、PETとするのか、
ポリエステルとするのか、どっちでもいいのです。
同じものです。

で、PETは、リサイクルしないといけないのですね。

理由は、ゴミとして埋め立てに向いていないから、
だったはずです。

じゃあ、どうして、同じ物質であるポリエステルは
リサイクルしないのでしょうか。
普通に、一般ゴミとして、捨てていますよね。

理屈が通っていないのです。

環境問題は、大切な問題です。
それはそうなのですが、
一般に、よく認知されている
「エコ話」に限って、とにかく、胡散臭い、、、

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